第12話:驚愕の事実
誤字があればご報告お願い致します。
それと誤字報告ありがとうございます。
さて今日も頑張るぞと席についた所で邪魔が入る。
「今日も検証作業お願いします。あとバグ修正も」
「あとこっちの仕様追加分の設計書もお願いします」
むむむ、今日も作業が出来んではないか(いや仕事しろって!)
ってな事で1話だけ改修。
アリスが自分の魔力を感じようと奮闘している姿を横目に自分の頭の中のタブレットを開き魔法の確認をしてみた。
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レベル1(1日使用可能数:残128回)
ヒーリング
・軽傷程度の怪我を回復し、軽度の毒も解毒する。
ファイヤミサイル
・炎の槍1本を対象に放つ
アイスミサイル
・氷の槍1本を対象に放つ
スタンアロー
・稲妻1本を対象に放つ(麻痺の属性もあり)
ビーフアップ
・肉体強化術(自身の肉体を2倍強化する)
マジックバリア
・自身の周りに魔力の膜を張り、飛翔物(石や弓)の命中を無効とする
サンライト
・頭上に光の球を作り周りを照らす。
リアライゼーションウォーター
・過去に口のしたことがある水を作り出すことが可能。(使用レベル×10L)
リアライゼーションフードレベル1
・過去に口のしたことがある食糧を作り出すことが可能。(使用レベル×1人分)
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レベル2(1日使用可能数:残64回)
ヒーリング
・中傷程度の怪我を回復し、軽度の毒も解毒する。(1箇所の骨折治癒相当)
ファイヤミサイル
・炎の槍5本を対象に放つ
アイスミサイル
・氷の槍5本を対象に放つ
スタンアロー
・稲妻5本を対象に放つ(麻痺の属性もあり)
ビーフアップ
・肉体強化術(自身の肉体を4倍強化する)
マジックバリア
・自身の周りに魔力の膜を張り、飛翔物(銃弾)の命中を無効とする
サンライト
・頭上に光の球を作り周りを照らす。(レベル1の2倍の広範囲)
ホーリーライト
・聖なる光の球を作り周りを照らす。(アンデッド系が弱体化)
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レベル3(1日使用可能数:残32回)
ヒーリング
・重症程度の怪我を回復し、重度の毒も解毒する。(複数箇所の骨折治癒相当)
ファイヤミサイル
・炎の槍1本を複数対象に放つ
アイスミサイル
・氷の槍1本を複数対象に放つ
スタンアロー
・稲妻1本を複数対象に放つ(麻痺の属性もあり)
ビーフアップ
・肉体強化術(自身の肉体を6倍強化する)
マジックバリア
・自身の周りに魔力の膜を張り、飛翔物(砲弾等)の命中を無効とする
サンライト
・敵頭上に光の球を作り熱線を発生する。
ホーリーライト
・聖なる光の球を作り周りを照らす。(アンデッド系は崩壊を免れない)
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レベル4(1日使用可能数:残16回)
ヒーリング
・回復不可能な怪我を回復し、重度の毒も解毒する。(欠損した肉体は再生不可)
ファイヤミサイル
・炎の槍5本を複数対象に放つ
アイスミサイル
・氷の槍5本を複数対象に放つ
スタンアロー
・稲妻5本を複数対象に放つ(麻痺の属性もあり)
ビーフアップ
・肉体強化術(自身の肉体を8倍強化する)
マジックバリア
・自身の周りに魔力の膜を張り、属性のある飛翔物(魔法等)の命中を無効とする。
リペア
・失った肉体の再構成を行い、再生させる。
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この魔法は魔力を消費しない代わりに、1日の使用回数が決まっている。
電脳データベースに蓄積されている魔力を消費して使用するからなのだ。
また、新しい魔法を作った場合、電脳データベースに書き込むことが可能。
但し、暗黒の女神の権限で登録するか却下するか審査がある。
本来はレベルごとに多数の魔法が格納されているがアイリスの年齢を考慮し使用頻度の多い魔法を厳選している。
また、手にしたアイテムなどアスラの許可は必要なく粒子変換されデータベースに収納する事が可能で有名な異空間収納やイベントリー、はたまた四次元ポケットのような使い方が可能。。
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今、解放されている魔法の一覧だ。
昨日使用した『フルキュア』はヒーリングレベル4とリペアレベル4を掛け合わせた能力に該当するんじゃないか?
尤も、もう少し本気で魔力を練れば、更に上の回復魔法を発現可能な気がする。
但し、魔力を練って構築させる魔法より、迅速に発動する電脳魔法の方が優れているのは確かだ。
しかし、自身の魔力を使えば使用回数がある意味、無尽蔵で無制限なので、どちらが優れているかは一長一短。
どの程度の回復魔法なのか分からないが、アルトマン学園長の言っていた内容と一致する。
しかし、使用回数ではなく、自身が内包する魔力を浪費するので使用頻度はそれほど多くないのかもしれない。
でも、俺にしてみたら大したことじゃない。
魔力総量が多くなれば使用回数に限定されなくなるので、こっちの世界では魔力総量アップは欠かせないだろう。
…また修行のやり直しか…
そしてこっちの世界の魔法習得も必須になる。
現時点で分かってるのは回復系「キュア」「ハイキュア」「フルキュア」
そして解毒の「デトキシケート」のみ
と言っても、前世でこの世界に来た事あるんだし、大した事は無いだろう。
だって、俺の記憶が確かならば………前来たときは俺って元魔王だったし。
他の回復系魔法もマスターしたいし何よりヒーリングマスターの属性で攻撃魔法は使えるのか?
ここも非常に好奇心がくすぐられる。
4歳児にしてはやる事や覚える事が多すぎる。
でも、せっかく無双できる器なのだから極限まで強くなってやる!!
「分かったのか? アイリス」
「大変よく分かりました!!」
「アリスも分かったか?」
「大変よく分かりました!!」
「では、今日はこれくらいにしようかの」
「「ありがとうございました!」」
「では、明日は魔法を実践するからの」
「「宜しくお願いします!」」
アリスと声を揃えて返事をする。
アリスが魔法の実践……今日のアリスの様子を見る限り、アリスもすぐに魔法を使えちゃうんじゃないか?
出来なかったら、俺がアリスの循環魔力を何とかして魔法を発現させてやろう。
ムフフフ…明日が楽しみだ
ってか、俺が電脳展開型タブレットを眺めていた時、アリスも見てたような?
電脳展開型タブレットはアスラが使用権を許可した奴しか閲覧出来ないはずだから気のせいか。
今日はついに魔法の実践だ!!
昨日の夜からそわそわして中々寝付けなかったから、螺旋を描く魔力のイメージとか色々思いだしてた。
流石に魔法を発現させるわけにはいかない。
魔法を放出したらアルトマン先生に察知されてしまうからな。
因みに、アルトマン学園長って呼んでいたら、ここは学園じゃないからアルトマンで呼んでいいと言う事になったので、アルトマン先生と呼んでいる。
翌朝アリスも当然の顔をして参加している。
心なしか、自信と緊張が入り混じっているようだ。
早速、今日の講義は魔法の実戦な訳となる訳だが、俺の魔力は1歳の時に9500なのと理解はしているのだが、実はアリスの魔力は知らなかったりするんだよな。
周りは魔法を使える人も居なかったし剣術ばかり習っていたから魔法をあまり重要視していなかった。
―――我ながら抜けてるな。
そんな訳でアルトマン先生は「ライブビュー」を俺とアリスの二人に対して唱えた。
感じで言うと俺の魔力を見られている感覚、そして術者(この場合はアルトマン先生)の魔力がそのままアルトマン先生の頭とか目に集まってる感じがする。
そこでアルトマン先生が驚愕する。
「な!! んじゃと!?」
「え? え? どうしたんです? アルトマン先生?」
アリスは「?」な感じできょとんとしている。
「アイリス、おぬしの魔力は元々9500と聞いておったが…何で今28000にもなっておるんじゃ?! しかも、アリス、おぬしも知ってるとは思うが元は380だったはずじゃが………1520にもなっておるぞ!?」
それを聞いていた父・母・テイラーも「「「ええ!!!」」」と驚いている。
それもそのはず、昨日の授業で潜在魔力の上限はするものの、多くてプラスマイナス500程。
魔力を頻繁に使用すれば上限値は上がり魔力を使用しなければ上限値は下がってくる。
この世界での平均魔力は1歳の浄化儀礼の時は350程。
大人になり、毎日魔法を使用する魔法使いで1200~1500で魔法を使用しない剣士などは200程まで下がって行く。
しかも剣術しか習っていない2人が揃ってありえない魔力を内包していることになる。
そして浄化儀礼でも分からなかったアイリスの加護について判明してしまった。
「な…何じゃ…この加護は………暗黒の女神の慈愛…?」
「「!!!」」
父と母が驚きと納得の顔に変わる。
「ア…アリスも暗黒の女神の……庇護………????」
ここでテイラーが一番驚く
「何ですって!!!」
「いきなりどうしたんだテイラー?」
「ロック様、実は浄化儀礼の時、アリスに加護は付いていなかったんです」
「なんじゃと!? 浄化儀礼の後に加護が付与されたのか? そんな話、聞いたことが無いぞ………いや、厳密には聞いたことはあるのじゃが…」
「どういう事ですか? アルトマン学園長」
そういうロックに対してアルトマン先生は神妙な面持ちで顎鬚を触りながら小さく呟く。
「……勇者じゃ」
「え?」
「勇者じゃよ」
「ゆ…勇者?」
「そうじゃ、勇者だけが浄化儀礼の後に神の加護を付与される場合があるのじゃ…」
「っ!!」
「で、では、娘は勇者として加護を授かったのですか?!」
「いや、そうではないと思うぞ、テイラーさん。まず、勇者の様に後から加護を受けるものは、高位の神官や法王に神託が下る。そして、程なく勇者に加護が付与されるのじゃ。神託が下る際には誰に付与されるかも分かるはずじゃが今回はそれも無い。そして暗黒の女神じゃが…そんな御柱名を聞いたことがない…しかも、アイリスも同じ神から加護されておる。こんな事は前代未聞じゃ…」
「アルトマン学園長、暗黒の女神と言う事から、悪魔とか…」
「いや、それは絶対に無はずじゃ、ロックよ。悪魔は加護を付けるよりも肉体を奪い乗移るはずじゃ。ましてや、人間に加護なんか絶対に付けない。しかも、女神の名を冠しておるから、神に違いはないはずじゃ」
「では…」
「うむ…暗黒をも支配する神と言う事かもしれん」
「どういう事ですか?」
「本来、神とは光や聖なるもののはずじゃが、しかし、暗黒の女神とはその神すらも凌ぐ神なのかもしれぬ…」
おおっと、アルトマン先生は意外に鋭い!
アスラの事を「神を超えた神」なんて言われて思わずニンマリしてしまったのは内緒だ。
これを当のアスラが聞いたら極上の笑顔を浮かべてアルトマン先生にも加護を与えそうで怖い。
「「「………」」」
父・母・テイラーは絶句している。
「恐らくじゃが…」
アルトマン先生はそう前ふりをして
「アイリスと行動を共にするうちに暗黒の女神の加護を受けたのやもしれぬな…アイリスに付いている加護が『慈愛』で…そしてアリスに付いたのが『庇護』じゃ。そうとしか思えん」
そんなやり取りをアリスと眺めていたのだが、アリスも、実感する事のない加護の話にそろそろ飽きてきた様で
「先生、魔法の実践は?? アリスも早く魔法を使ってみたい!」
「おお、そうじゃったな…では、開始するか…まずは、ワシの得意な回復呪文「キュア」から始めるかの」
そういって授業が始まったのだが、様々な謎を提示したアイリスとアリスについて先生、母、テイラーは上の空だった。
父だけがニヤニヤしながら時々うなずいたり意味不明な行動だった。
まぁ、自分の世界で親バカぶりを発揮していたのだろうな。
案の定、俺はすぐにキュアをマスターした。
すでにキュアの最上位フルキュアを使えるのだから当然だな。
ついでにライブビューもマスターした。
俺が1回で覚えた事に驚かなくなっていたアルトマン先生であった。
そして当然と言うのか、意外と言えば良いのかアリスは使えなかった。
これは、夜に俺の部屋で復習に付き合わされるパターンだ。
間違いない。アリスの顔がすでにそういう顔だ……。
1回で覚えなかったアリスに安堵するアルトマン先生であった。
が、俺がアリスの魔力の流れを説明しすると難無くキュアを発現した。
その様子を見ていたアルトマン先生が、アリスに
「い…今のイメージを忘れないように、反復しなさい」
「…反復?」
アリスは言葉の首を傾げ、意味が分かりませんって顔をしていたので、フォローする。
「何回も繰り返して覚えろ。って事だよ」
「分かりました!」
アリスは理解できたのか、首を縦に振って右手を上げながら先生に答えていた。
先生が父、母、テイラーと話があるとかで今日は剣術の練習は無くなった。
本日は剣術、魔法も自習と言いながら先生、父、母、テイラーが家に入って行った為、俺たちは暇を持て余した。
と思ったのだが、アリスが意外な事を言い出す。
「アイリスは他の魔法も使えるんでしょ! 自分だけ使えるのはズルい! 私にも教えて!」
と言い出してきた。
「本当はアイリスに教わるのも嫌なんだけどね!」と前振りも忘れず。
やっぱりアリスの特訓からは逃れられないのか…と悟った。