第2話 マーブル模様
部活で海に行ってから数日後。私は、一眼レフのカメラを片手に近所の公園に来ていた。海に行った日は、夢中で海辺にいた少女にシャッターを切っていた。私が写真を撮っている間も、少女は私に気が付くことなく、犬と楽しそうに遊んでいた。今思えば、私は盗撮をしていたことになる。しかし、シャッターを切らずにはいられなかった。それほどまでに、少女に魅せられていたのだ。少女を撮ってから、私は確認したいことがあった。それは、私の世界は砂色のままかどうかだ。少女を撮った時は、世界は少女を中心にして色鮮やかだった。砂色のない世界が広がっていた。今日は、その確認のために、公園に来ている。公園の草花や人物を撮って、綺麗だと感じることができるのか…。
カメラを片手に、公園をうろつく。3月に入り、色づき始めた草花。親に「気をつけなさいよ~」と注意され、「大丈夫だよ~!」と元気よく答える子ども。犬の散歩をしているおじいさん。井戸端会議をしているお母さんたち…。それらにピントを合わせ、シャッターを切る。何枚か撮ったところで、子どもたちの笑い声をBGMに撮った写真の確認を行う。
「……ははっ…」
自傷的な笑いがこぼれた。撮った写真を確認しても、綺麗に見えない。こころを奪われない。やはり、私の世界は砂色のままだった。
「じゃぁ…なんで??」
自然と声が漏れた。疑問に思う声。元気な子どもたちの声にかき消されてしまう程の小さな声。誰も問いかけに答えてくれる人なんていない。分かっていたが、声に出てしまった。
公園に来て撮った写真。そのどれを見ても、こころは奪われない。しかし、数日前に撮った少女の写真を見ると、こころを奪われる。楽しそうでありまがら、今にも消えてしないそうな少女。少女の写真を見ていて思った。
「あぁ、私はこの子にこころを奪われたんだ…。」
だから、この子以外にはこころを奪われないんだ……。そう思ったら、この子の事が気になり始めた。栗色のロングヘア―の笑顔が可愛い少女…。私は、これしか知らない。この子について何も知らない。名前も、年齢も、好きなことも…何一つ知らない。この子もことを知りたい。今までに無い感情だった。人にあまり興味を示さなかった私が、海辺にいた少女に興味を示している。
「・・・。私が桃華以外に興味を示すなんて…。」
私が今まで興味を示していたものの先には、いつも桃華の存在があった。今でも桃華への想いは変わっていない。なのに、桃華と関係のない子に興味を示している自分がいる。まるで、桃華への想いの真っ白なミルクに少女への興味のコーヒーが一滴たらされたような感じ。混ざりきらずに、マーブル模様を作りだす。
自分の気持ちがわからなくなる。
私の気持ちを知ってか知らずか、春の温かい風が私のショートヘア―で遊ぶ。
第2話 マーブル模様 です。
今回のお話は海に行った数日後のお話です。
公園で、紗季の気持ちがマーブル模様になってしまいました。
この先、このマーブル模様はどうなるのでしょう…
サブタイトルのつけ方がよくわかりません…(´;ω;`)
誰か教えて頂けるとありがたいです…m(__)m
つたない文章ですが、頑張ります。
まだまだ物語は続きます。
しばらくお付き合いいただけると嬉しいです。
犬飼 蘭




