第18話 紗季の想い
数日後の土曜日。
私は桃華と街に来ている。
最近、綾香の桃華への態度が見るからに悪い。
完全にスルーだ。
クラスの皆も綾香の態度を見て見ぬ振りだったり、真似たりしている。
私の愛しい人が傷ついているのに、私は黙っていることしか出来なかった。
桃華は皆からの態度で傷ついているのに、誰にも怒らないし、泣かなかった。
それなのに、私が怒ったら、余計に桃華の立場を悪くしてしまう。
今日はそんな桃華と気分転換のために街に来ている。
二人でゲーセンに行ったり、買い物をしたり……。
途中、クレープを買って食べたが、桃華は甘い物が好きらしく、笑顔で食べていた。
クラスであまり笑顔を見せなかった桃華の笑顔に嬉しくなる。
(桃華の笑顔を守りたい…)
何か方法はないかと考える。
以前から考えていた方法なら、なんとかなるかもしれない。
だけど、桃華に受け入れてもらえるかはわからない。
クレープを食べ、買い物を再開し、休憩がてらカラオケに行くことにした。
カラオケでは、気が向いたら歌ったり、ダラダラと過ごす。
そして、私は桃華に話をすることにした。
「桃華。大切な話があるの。いい?」
「えっ……うん。…なに?」
「あのね…綾香のこと何だけど…」
私がそう切り出すと、桃華の顔が暗くなった。
だけど、桃華のためにも話を進めなくてはならない。
そして、私は桃華に告げる。
「私、綾香と付き合おうと思うの。」