捜索開始
《何、いなくなったぁ?》
受話器の向こうで運転中と語る後輩は
聞くなりみっともない声をあげた。
「そうなんだよウチの娘が。
多分すぐ帰って来ると思うんだけど、念には念をと渥美先生様々が」
《ユウスケ先輩がそう言うなら大丈夫っしょー。
“探さないで下さい”とかドラマ仕立てな置き手紙あるならまだしも》
人間失格、思わずそれには口をつぐむ。
《…え、まじ?》
「焦るべきとこかなやっぱり」
軽くヤバいッスね。と
ちょっとばかし前の流行語を吐く青二才は受話器の向こうでうーんと唸るなり
《いや~オレも捜したいのは山々なんすけどね、いかんせん今仕事中ですんで》
まず白昼堂々一般道で携帯片手に運転するとか
既に法に触れてるんでと言ってから
《けど、とりま営業回り中それらしー娘見付けたら連絡しますわ。
ユウスケ先輩は先輩でまた他の手段で探してみといて下さい》
「わかった」
ありがとね、そう言って公園の公衆電話で受話器を置いて思うのは、
後輩にまで頼ってる俺ってダサいよなという今更ながらの反省と
かれこれ数時間経てど未だ馳せない焦燥感。
(……俺ってつくづく)
人間失格かもしれない。
ぼんやりと思ってから、渥美のセリフを思い出した。
《いいか。まず警察が一番手っ取り早いだろう。
だけど派手な動きはするな、以前ニコルを届け出た“小松”って警察官以外の初見のお巡りに切り出してみろ
写真も何もない分恐らくまともに受け入れられないだろうが
お前は今やれることだけやってみろ》




