〈16〉
お久しぶりすぎてごめんなさい(´・ω・`)
ブックマーク外さないでいてくれた方、たまに見てくれてる方、ありがとうございます〜。
「失礼しまーす」
玄龍さんと暫し話していると、声と共に一人の男が部屋に入ってきた。
灰色の天然パーマのその男は、ひょろりと頼りない。
「ん、ああ?お前あれか?田中さとしか?」
彼は眉間に深くシワを寄せながら、怠そうに顔を近づけてきた。思いの外柄が悪い。
「はい。そうですが貴方は‥?」
「おう、偵察部隊隊長石田だ。よろしくな。で、俺が用あんのはおまえだ、玄龍。動けんなら手伝ってくれねーか?」
話を向けられた玄龍さんはニヤリと笑う。
ついていけない僕はひたすら縮こまる。
「話だけでも聞いてやろう。」
「いやお前、やる気しかねえじゃねえか。…現在の状況だが、中型のジオルグが13体、西ノ宮に産み落とされたとこだ。うちの隊が見回り中に見つけ、観察を続けている。」
「襲撃はないのか?」
「今のところは…な。だが早いうちに叩いておきたいだろ。連戦後で人手もねえからな。お前に派手にやってもらおうかという話が出た。」
「ほう」
また何かあったのだろう。早いところ僕は家に帰りたい。そろーっと音を建てずに荷物をまとめていると、鋭い瞳が僕を捉える。
「お?なんださとし。気が早いぞ?俺より先に向かおうだなんて、仕方のないやつだなー」
「え。田中さとしもやる気十分なのかよ。じゃあ、続きは向かいながら話すか」
二人の大人が、黒い笑みを浮かべています。
だ れ か た す け て 。
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「で、そのアーニャっつうカミサマが、不定期に人を喰らう獣、ジオルグを産み落としてるんだよ。うぜえ。」
「そ、そーなんですか。それで、何故、僕は石田さんに、引きずられてるんです…?」
首根っこを掴まれながら砂の上をズルズルと引きずられると、中々尻が痛い。
そして怖い。絶対これは巻き込まれるフラグ。
「まあな。習うより慣れろっつーじゃねーか。お前もいずれ戦うことになるんだぜ?」
玄龍さんが愉快そうに笑うが、僕は心中穏やかではない。死の一歩手前にいるのだ。
「いやー、僕は、ほら、まだまだ訓練が必要って、いうか…。」
ゴスンっという音と共に僕は、見覚えのある柱の中心に投げ落とされた。確か、簡易転移装置というものだったか。
「そういえば、俺はお前の師匠をやれって頼まれてんだよ」
「ふえあ!?!だれに!?」
「ジャージ」
その玄龍さんの声を最後に、辺りは光に閉ざされた。
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妙な浮遊感からようやく開放され、僕は静かに目を開けた。
どうやら煉瓦造りの建物内にいるようだ。
「さと…目…覚ました…?」
「うぉわあ!?!?」
目の前の暗がりから突然声が聴こえ、思わず仰け反る。腰が痛い。
どうやら声の主も僕の反応に驚いたようで、そちらからも物が落ちる音がガラガラと聴こえた。
「びっくり……した。」
四つん這いになってよろよろと人影が僕に近寄ってくる。まるで某ホラー映画の様だ。
光のもとに現れたその人は、僕より少し背の小さい、柔らかそうな茶色の髪の女性だった。
「……おはよ?」
袖口の大きなトレーナーをパタパタと揺らしながら、彼女は僕に挨拶した。歳は僕より上のようだが、あどけない振る舞いがよく似合う。
「おはよう、ございます?……え、あの、ここは?」
「……西ノ宮…迎賓館。……石田に、見てろって言われた…。」
「えと、貴方は?」
「じょうほう部隊、ふくたいちょー、……杉本…。よろしく……?」
「よろしく?」
独特なまったりとした話し方に翻弄されつつ、杉本さんに案内され部屋を出る。どうやら目覚めない僕を尻目に、二人は先に行ってしまったようだ。
「…だい、じょぶよ?……初めは、みんな慣れない…。」
眠たそうににこりと微笑む彼女は、なんというか、癒やし系だ。
「僕は、どうしたらいいんでしょう?」
「…おきたら、連れてくるように……言われてる………いけば、わかる」
不意に大きくなる前方の灯りのもとに、杉本さんは進んだ。僕もそれに続く、の、だが…
…え?
「ギュゥオオオオエアアアア!!!!」
僕に向かって来る。なんだこれは。肉の足りない不格好なドラゴンの様なそれは、一直線に僕に。
「へ、うわあああ!!!?!?」
ピカアアアア!!!
咄嗟に現れた竹刀を手に構え。反射的にそれの攻撃を受けら、れるはずもなく。
「ぐっ!!!」
軽く弾き飛ばされ、後方の壁に勢い良く突撃する。ひどい痛みを、予想していたが、柔らかく弾かれたのみだった。よく見ると、何やら変わった素材でできた壁のようだ。いや、壁に注目している場合ではない。
「なんだ…こいつ?」
目の前の不気味な息遣いなそれ…おそらく話に聞いていたジオルグは、僕への第二撃をどう与えるか考えてでもいるのだろうか、こちらをギラリと睨みつけている。
当然のように杉本さんがいない。もしかして、僕の生み出した幻覚とかだったら怖い。どうしよう。
「いやー、どうするかな。」
普通に考えて、獣に竹刀て。折れるだろう。そして仕留められない。僕の命も、ここ迄か?




