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陶芸部の日常  作者: もち
三大義務
33/33

〈16〉


お久しぶりすぎてごめんなさい(´・ω・`)

ブックマーク外さないでいてくれた方、たまに見てくれてる方、ありがとうございます〜。



「失礼しまーす」


玄龍さんと暫し話していると、声と共に一人の男が部屋に入ってきた。

灰色の天然パーマのその男は、ひょろりと頼りない。


「ん、ああ?お前あれか?田中さとしか?」

  

彼は眉間に深くシワを寄せながら、怠そうに顔を近づけてきた。思いの外柄が悪い。


「はい。そうですが貴方は‥?」


「おう、偵察部隊隊長石田だ。よろしくな。で、俺が用あんのはおまえだ、玄龍。動けんなら手伝ってくれねーか?」



話を向けられた玄龍さんはニヤリと笑う。

ついていけない僕はひたすら縮こまる。



「話だけでも聞いてやろう。」


「いやお前、やる気しかねえじゃねえか。…現在の状況だが、中型のジオルグが13体、西ノ宮に産み落とされたとこだ。うちの隊が見回り中に見つけ、観察を続けている。」


「襲撃はないのか?」


「今のところは…な。だが早いうちに叩いておきたいだろ。連戦後で人手もねえからな。お前に派手にやってもらおうかという話が出た。」


「ほう」



また何かあったのだろう。早いところ僕は家に帰りたい。そろーっと音を建てずに荷物をまとめていると、鋭い瞳が僕を捉える。


「お?なんださとし。気が早いぞ?俺より先に向かおうだなんて、仕方のないやつだなー」


「え。田中さとしもやる気十分なのかよ。じゃあ、続きは向かいながら話すか」



二人の大人が、黒い笑みを浮かべています。


だ れ か た す け て 。



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



「で、そのアーニャっつうカミサマが、不定期に人を喰らう獣、ジオルグを産み落としてるんだよ。うぜえ。」


「そ、そーなんですか。それで、何故、僕は石田さんに、引きずられてるんです…?」



首根っこを掴まれながら砂の上をズルズルと引きずられると、中々尻が痛い。

そして怖い。絶対これは巻き込まれるフラグ。


「まあな。習うより慣れろっつーじゃねーか。お前もいずれ戦うことになるんだぜ?」


玄龍さんが愉快そうに笑うが、僕は心中穏やかではない。死の一歩手前にいるのだ。


「いやー、僕は、ほら、まだまだ訓練が必要って、いうか…。」


ゴスンっという音と共に僕は、見覚えのある柱の中心に投げ落とされた。確か、簡易転移装置というものだったか。


「そういえば、俺はお前の師匠をやれって頼まれてんだよ」


「ふえあ!?!だれに!?」


「ジャージ」



その玄龍さんの声を最後に、辺りは光に閉ざされた。




━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



妙な浮遊感からようやく開放され、僕は静かに目を開けた。

どうやら煉瓦造りの建物内にいるようだ。



「さと…目…覚ました…?」


「うぉわあ!?!?」



目の前の暗がりから突然声が聴こえ、思わず仰け反る。腰が痛い。


どうやら声の主も僕の反応に驚いたようで、そちらからも物が落ちる音がガラガラと聴こえた。



「びっくり……した。」


四つん這いになってよろよろと人影が僕に近寄ってくる。まるで某ホラー映画の様だ。


光のもとに現れたその人は、僕より少し背の小さい、柔らかそうな茶色の髪の女性だった。



「……おはよ?」


袖口の大きなトレーナーをパタパタと揺らしながら、彼女は僕に挨拶した。歳は僕より上のようだが、あどけない振る舞いがよく似合う。



「おはよう、ございます?……え、あの、ここは?」



「……西ノ宮…迎賓館。……石田に、見てろって言われた…。」


「えと、貴方は?」


「じょうほう部隊、ふくたいちょー、……杉本…。よろしく……?」



「よろしく?」


独特なまったりとした話し方に翻弄されつつ、杉本さんに案内され部屋を出る。どうやら目覚めない僕を尻目に、二人は先に行ってしまったようだ。



「…だい、じょぶよ?……初めは、みんな慣れない…。」


眠たそうににこりと微笑む彼女は、なんというか、癒やし系だ。



「僕は、どうしたらいいんでしょう?」


「…おきたら、連れてくるように……言われてる………いけば、わかる」



不意に大きくなる前方の灯りのもとに、杉本さんは進んだ。僕もそれに続く、の、だが…





…え?






「ギュゥオオオオエアアアア!!!!」



僕に向かって来る。なんだこれは。肉の足りない不格好なドラゴンの様なそれは、一直線に僕に。




「へ、うわあああ!!!?!?」



ピカアアアア!!!



咄嗟に現れた竹刀を手に構え。反射的にそれの攻撃を受けら、れるはずもなく。



「ぐっ!!!」



軽く弾き飛ばされ、後方の壁に勢い良く突撃する。ひどい痛みを、予想していたが、柔らかく弾かれたのみだった。よく見ると、何やら変わった素材でできた壁のようだ。いや、壁に注目している場合ではない。



「なんだ…こいつ?」



目の前の不気味な息遣いなそれ…おそらく話に聞いていたジオルグは、僕への第二撃をどう与えるか考えてでもいるのだろうか、こちらをギラリと睨みつけている。


当然のように杉本さんがいない。もしかして、僕の生み出した幻覚とかだったら怖い。どうしよう。



「いやー、どうするかな。」



普通に考えて、獣に竹刀て。折れるだろう。そして仕留められない。僕の命も、ここ迄か?





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