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陶芸部の日常  作者: もち
新生活
10/33

〈3〉


「おはようございます。こちらは住民課です。ご用件をどうぞ」


にこやかに担当の少女に微笑まれた。

少女の髪は桃色だ。生まれつきだろうか。やはり地球とはどこか異なっているのだ。

初めて出会ったのが地元でもよく見かける黒髪ショートの真野だったからか、やはりなにか違和感を感じてしまう。



「住民登録がしたいのですが。この男の」

「そちらの方ですか。えっと、失礼ですが年齢をお教え下さい。」

 

真野がこちらに顔を向けた。


「あ、17歳です」


「17歳…。今までどちらに?」

「この男は記憶が無いようです。私が訓練中に発見しました。異例なことではありますが、何らかの形で目覚めの刻が遅れたものかと」


カタカタと桃色さんがパソコンに何かを打ち込む。


「そうですね。上に掛け合わないといけない件ではありますが、先に通常の登録業務をさせていただきます。」


何やら僕は異例な存在らしい。そりゃあそうか、異世界からきたんだもの。


「居住物件は決まっておいでですか?まだでしたら、こちらで手配いたします」


「私達の家に住むのでいいよね?」


真野が思い出したように聞いた。一瞬戸惑ったが、それが最善の選択であるに決まっていた。


「うん。よ、よろしくお願いします」


深々と頭を下げると、真野は満足そうに笑った。


「じゃあ、S-1地区1-13でお願いします。」

ガタンと桃色は椅子から転がり落ちた。

芸達者だ。


「……え………は、…か…神殺しの館で、ま、……間違いな、ないでしょうか」


急に吃りだした桃色に全く動じず、真野はにこりと答えた。


「はい、間違いないです」


神殺しの…館…?僕はそんな恐ろしい所に住むことになったのだろうか。



再びガタガタッと音がして、整然と並べてあった資料が転がり落ちる。



「……へ……ふぁっ!?え、ままま…ま!」


桃色の顔色は真っ青で、いよいよ泡でも吹いて倒れそうな雰囲気だ。


「あ、ばれちゃった?」


真野は楽しそうに人差し指を口に当てると、しーっと言った。


「あはは、今の私は変装中だからちょっと黙っといてね。この男の名前はさとしで登録しといて。この後は、2階で腕章受け取って、地下に行って武器を受け取ればいいよね?」


もはや桃色はこくこくと頷くことしかできない。一体真野は、何をしたんだろうか。


手慣れた動作で勝手に数枚の紙を戸棚から引き抜くと、真野は立ち上がった。



「ありがとう。お仕事ご苦労様でした。」


ペコリと頭を下げると、僕に声をかけ、例のごとくずんずん歩き出したのだった。






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