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2025/01/09 20:55/鷦鷯飛蝗
うまく歌えないのは涙だけじゃなく
その手をとれないのと同じようにして
肺からも胃からも競り上がる意気の
同時に混ざった生温さが、風が
響くようにして、声と、戻ってきた、風が
喉震わして、濾して
舌を竦ませる、ままに唇惑わせば
劈開の跡、切削の痕
なぞるエゴ涼まして
咽び絞る痛みの、記憶だけ凹んでるプライド
押す指が冷えて、手繰る真似だけ続いてる
届かない声に守られている、自覚がある
音が破れるみたいに
裏返った嘆きと
立ち止まった焦りに流し目で応えた
空気の層で与えたい
媒介を噛んで
沁み出た味だけ分け合うような共犯性
或いは肌も熱りも香る甘味も
床板剥がすような薄い媒質




