魔法使いメイラ サイド③
あの棍にはなにかあるのは間違いない。気になって仕方がない。
ダイスケが棍でスライムに攻撃をした時、棍が消えたのだ。
何度も振るってるがかすりもしていない。ダイスケがわざとやってるんじゃないかしら。
「…なに遊んでるのよ」
遅いスライムの攻撃をよけながら、何度も繰り返し棍を振ってた。
もしかしたらスライムには攻撃できない武器なのかもしれないわね。私も触りたくないし。
「しょうがないわね、剥ぎ取り用だけど短剣貸してあげるから、これ使いなさい」
「ありがと」
安物の短剣を手渡そうとしたとき。
カンッ!
「痛ったーーー!!」
ダイスケはの手が棍によって叩かれていた。
落ちた短剣を拾い上げようとすると、また叩かれてた。
正直信じられない、武器が勝手に浮いてダイスケを叩いているのだ。ちょっと面白かった。
リリーナもこれには驚いていた。
「…話には聞いていたがすごいな…」
「…ええ、いいのか悪いのかわからないけど」
自分の意志とは別の動きをする武器、強力でも簡単には使えない。だけど周辺の私たちを襲ってくるってことはない。
「短剣は私が拾うからいいわよ」
棍が不機嫌になって私達を襲ってきても困る。
今後ダイスケは武器を使えないかもしれない。
「スライムなら素手でも倒せるらしいからやってみなさい!」
熟練者の中には手足を武器に戦う冒険者もいる。
ダイスケは躊躇なくスライムに蹴りを入れた。何度も。
スライムは消えて魔石を落とした。
「…ホントに倒せるのね」
こんなこと初心者冒険者には無理だ。
リリーナのとこまで行って小声で声をかけた。
「リリーナ、ダイスケは棍無しでも戦えるんじゃないの?」
「素手でスライムを倒すのなんて初めて見たぞ」
リリーナはなんで興奮しているのだろう。
「次はゴブリンで棍を試してみましょ、魔法の使えない初心者冒険者は二階からって言うし」
スライムは打撃系に耐性がある。そのスライムを蹴り殺したのだからゴブリンなら余裕でしょ。
「スライムだからダメなのかも二階のゴブリンで戦ってみましょ!」
案の定、逃げ出そうとしていたが。
「ミルーに苦しい生活させるつもり?」
「…わかった」
こういうとこはかっこいいと思う。
二階に到着してすぐゴブリンを発見できた。
ダイスケは素早く棍を構えた、真剣な表情だ。
盗賊団に囲まれた時のダイスケはかっこよかった。普段のダイスケは表情豊かだ、思ってることがすぐ顔に出る。
ミルーを見てふにゃって顔をするのは許せる。がアーシャやメラの胸を見てニヤニヤするのが許せない。
そして何より私を見て表情を変えないのが一番許せない!!
ゴブリンに攻撃を仕掛けた。
だけど結果はスライムと同じく当たりそうになったら消える。
何度か繰り返して、ダイスケがチラッとこちらを見て棍を地面に置いた。
素手でいくのだろう。そう思ってた。
ダイスケの気配が変わった。
一方的にゴブリンを虐殺した。
薄いダンジョンのなかで、錯覚かもしれないけど瞳が青く光って見えた。
もしかしたら私は取り返しのつかないことをしたんじゃないだろうか。
彼は見た目は同じでも違う世界の人だ。すごく不安になった。
「ダイスケ…大丈夫?」
「大丈夫じゃない、倒し方のせいで罪悪感でトラウマになりそう」
よかったいつものダイスケだ。安心した。
「あ!ダイスケ、ケガしてるじゃない!」
安心して、涙が出そう。
「治療してあげるからじっとしてなさい!」
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