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幻の百合桜  作者: ふみりえ
幼馴染み編
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第七話 オトギリソウ

「やっぱりないなぁ」


 あれから次の日、朝から図書館で花に関する本を読み漁ったが、一向に幻の百合桜やそれに関係するものは見つからなかった。


 あたりはすっかり夜である。


「ごめんねリーバ、こんなことに付き合わせちゃって、もう幻の百合桜は諦めるよ」


「そんなことない、きっとまだ探し足りないだけだよ、それに、たとえここに情報がなくても、僕はずっと付き合うよ」


 リアラはそれを聞き、


「ありがとうリーバ」


 今日のところは諦め、また明日探すことにし、宿に戻るため、図書館を出る。


 周りの店はほとんどが閉まり、街灯だけが周りを照らしていた。


 すると、こんな時間なのに、まだ閉店していない店があった。


「なんだろう」


「本屋......みたい」


 そこには周りの大きな建物に埋もれた、小さな本屋があった。

 

「入ってみようか」


 中に入ると、ところどころがほこりっぽく、掃除が行き届いていない状態だった。


「店員さんいるかな?」


 本の棚と棚の間の道を進み、奥へ歩くと、そこには椅子に座り、分厚い本を読んでいる小さな少女がいた。


「......!いらっしゃい......」


 小さな少女は僕達が入ってきたのを驚いた目で見ると、直ぐに視線を本に戻した。


「どうも、ここってまだやってますか?」


「やってるよ」


「いつまでですか?」


「気分によるかな、今日はこの本が読み終わったら閉店にしようか。」


「そう......」


 会話をしている間、店員はこちらを見向きもせず、ペラペラとページをめくっていた。


「リアラ、ここも探してみようか、もしかしたらあるかもしれない」


「え?うん。」


 片っ端から本を探し、目当てのものを見つけようとしたが、やはりなく、四時間が過ぎた。


「ふぅ、ん?驚いた、まだ探してたの」


 読んでいた本を読み終えたのか、一息ついた少女がこちらに話しかけた。


「ああ、読み終わったの?じゃあもう閉店だね、リアラ、僕達も宿に戻ろうか。」


「うん」


 店から出ようとすると、店員が呼び止めた。


「この国の宿は予約をとっていてももうこの時間には宿自体には入れないぞ」


「「へ......?」」


 僕達は青白い顔になった。


「どどど、どうしようリーバ!野宿?野宿ですか!?」


「もももも、もちついて!もちついておちをつくのよ!」


 僕たちが慌ててると、店員がはぁっと溜息をつき、


「しょうがない、ここに泊まりな。」







「はぁ、いい湯でした!」


「それじゃ、僕入るね。」


 リーバがお風呂に入りに行き、私は店員さんが座ってるテーブルに座った。


「今日は泊めてくれてありがとう!私はリアラ!もう一人の子はリーバ!あなたの名前は?」


「......メリ」


「よろしくメリ!これで私たち、友達だね!」


 手を取り、握手をする。


「店にいる時以外でも本読むんだね!読書家?」


「本を読むのが好きなだけ」


 それを読書家っていうんじゃないかな?


「......」


 テーブルに置いてある本に視線を移す。


「これ読んでいい?」


「どうぞ」








「ふぅ、いい湯でした」


 リーバがお風呂から上がり、私は本を読むのをやめる。


 メリも本を読むのをやめ、晩御飯をテーブルに置いた。


「「「いただきます」」」


 晩御飯を食べながら、メリが話をする。


「それで、あんた達はなにを探していたんだ?」


 リーバが食べるのをやめ、私たちの目的を話す。


「僕達は、幻の百合桜を探しているんだ。」


「幻の百合桜?」


 やっぱりダメか


「リアラ」


「うん」


 私は時空収納から幻の百合桜に関する紙を渡す。


 時空収納とは魔法で小さな時空を作り、そこに自分の荷物やらなんやらを収納しておくものである。


「幻の百合桜はこの世で最も美しく綺麗な桜......しかし、それを見た人間は一人もいない......え、これだけ......」


「そう、これだけ」


「......残念だけど、ここの店にはこれに関係する本はないよ」


「そっか......」


 メリはしばらく考えると、


「それに関係あるか分からないけど......」


「「?」」


 晩御飯を食べ終わり、片付けが終わると、メリは私たちを地下に案内した。


「ここは......」


 そこには、ひとつのドアがあるだけだった。


「この扉の向こうには、この世界の歴史に関する本があるかもしれない、と私の祖父が言った。」


「祖父......」


「この扉が封鎖されてから何百年も経っているの、中に何があるのか、誰にもわからない......」











 あれから僕達は地下から戻り、布団を敷いて寝ることにした。


「やっぱさぁ、卵焼きは塩派だと思うのよね私は」


「この子、寝言こんなにうるさいの......」


「うん、恥ずかしながら......」








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