第八話 ムラサキケマン
「新しい朝がキターー!!」
「ふああああ、眠い......」
メリが眠たそうに店を開ける。
僕も同様に眠たそうに顔を洗い、服を着替える。
「あんたら、いつまでこの国にいるつもりだ?さすがに二日も探したんだし、もう諦めたらどうだ?」
「うん、今日探して見つからなかったら、この国を出るよ。」
三人で朝ごはんを食べていると、メリが話し出す。
「あんたら、この国に来るのは初めてなのかい?」
「?うん」
「冒険者登録した?」
「?うん」
それを聞いたメリがニヤリと笑いながら、
「じゃああんたらか、初登録でBランクになった奴と史上初の最低ランクZランクになったってやつらは!」
「こ、これから強くなるもん!!リーバと一緒に強くなるもん!」
メリは大笑いをし、リアラは顔をふくらませながら、もんもん言った。
メリの店を出て、図書館へ入り昨日にも増して念入りに本を探す。
「これもダメか......」
読んだ本を閉じ、次の本を手に取ると、下からざわめきが聞こえる。
「なんだろう?」
「なにかあったのかな?」
リアラと共に下の階に行く。
「きゃああああああ!!」
「助けてー!」
そこには仮面を被った男が周りの人達を襲っていた。
「ねぇリーバ、あの仮面って!」
「うん、絶死ルートで会った人と同じだ。リアラ、あなたはここから襲われた人たちを連れて逃げて。ここは僕がやる!」
短剣を抜き、仮面の男の前に立つ。
「これ以上この国の人達を傷つけるのはやめて」
仮面の男は襲っていた人を手から離すと、こちらを向き
「これはお前らのせいで傷つけられたやつらだ。」
僕たちの......せい......?
「最初に我らの戦士を殺した時も、お前らがあの老人の手助けをしなければ、こんなことにはならなかった。そして、さらにもう一人、戦士を死に追いやらなければ、我らも誤差ということでほっといたんだがな。」
じゃあ、この襲撃は、僕たちがこの人たちの仲間を殺したから?
しばらく僕はあの時のことを思い出す。
でも、あれは先にそっちがやってきた事だ、僕達はいわば正当防衛、おばあさんだってお前らに殺されたんだ......でも、その結果こんなことになるなんて......
「違う!!」
はっ!!
周りで襲われた人々を助けていたリアラが叫ぶ。
「私たちは人を助けるために行動した!その結果が私たちのせいだなんて、そっちの勝手な考えだ!!」
それを聞いた男は魔法をリアラに向け、放とうとする。
そこを、
「!?」
指を銃の形にして光線を放つ魔法、指光線を男の腕に放つ。
「リアラを、傷つけないで!!」
リアラの方を向くと、もう既に人々はいなくなっており、図書館にいるのは僕とリアラと男だけだった。
「リアラ、ここは僕に任せて、あなたはここから逃げて。」
「で、でも」
「早く!!」
リアラは何か言いたそうだったが、直ぐに図書館から出ていった。
「さあ、あまりここの本に傷がつかない程度に終わらせるわよ!」
「!?これって......」
目の前に広がっている光景は、地獄だった。
いたるところに炎が燃え盛り、建物は壊れているところがほとんどだった。
図書館は防音だったから分からなかったけど、こんなことになっていたなんて。
「は!!メリ!」
メリのことを思い出し、私はすぐに走ってメリのとこまで行った。
走っている最中、周りは怪我をしている人がたくさんおり、冒険者や国の警察が救助に当たっていた。
大丈夫、きっと他の人が助けてくれてる、いや、そもそも、無事に生きてる!そうだ、そうにちがい......な......
メリの店に着くと、そこに店はなかった。
大きな岩が直撃し、建物は全壊しており、足元には無数の本が散らばっていた。
「め、メリーー!!」
岩を避けながら店の奥へ進むと、メリが気を失った状態で倒れていた。
「め、メリ!大丈夫!!生きてるよね!?」
見ると、メリの体は岩にギリギリ当たらない距離になっており、怪我は擦り傷程度だった。
「よ、よかっったぁ!」
無意識にメリを抱きしめていると、メリが目覚めたようで、
「な、なんだい!?私、どうなってたの?ちょ、抱きつかないでくれよ、痛いじゃないか。」
メリを抱きしめるのを終えると、私は何故こんなことになったのか聞いた。
「突然、街中で大声で叫びながら歩く仮面の男がいてな、気になって外に出てみたら、男が突然止まると杖を上に上げて魔法を放ったんだ、そしたら周りから爆発が起きたり、火災が発生したり、岩が飛んできたりしたって訳だ。私は家の奥に逃げようとしたら、家に岩が激突して、その衝撃で気を失ったってわけ。」
「あの仮面の人なのね、メリ、あなたは安全なとこにいて。」
「あんたはどうするんだい?」
メリが心配そうな声で私に話した。
「私は冒険者だからね、最低ランクだけど。」
と、先日作ったばかりの冒険者カードを見せびらかした。
「それじゃ、行ってくるよ!」
私は走ってメリの家を後にした。
「まったく」
メリは家の中に入り、奥へ進む。
「!!これって......」
あれから僕たちは戦闘を続けていた。
空間を利用して、相手が魔法を撃ってくれば棚に隠れてガードし、近接で襲ってきたら、短剣で応戦した。
そろそろ終わらせたいな
お互い走り回りながら空間を利用した戦い方で攻め、守りを繰り返し、そろそろ体力の限界がきた。
「......」
ここで僕は広い空間に出ると、真正面から敵に襲いかかった。
「ばかめ、体力がなくなって判断力が鈍ったか!」
敵がめいっぱいの魔力をため、それを一気に放つと、僕は下にかがみ、スライディングする形で避けた。
「なっ!」
相手が驚いたその隙を見逃さず、僕は指光線を相手の頭に撃ち抜く。
「なっ、今の戦い方......聞いたことがある......孤児院の逸脱者......」
そして、男は死んだ。
嫌なことを思い出させる。




