第二十二話 フリージア
「ん」
目を覚ますと、僕とリアラはベンチに座っていた。
横、というより、体が密着した状態でリアラが寝ていた。
あの後、人が集まってきたので近くのベンチに座り、リアラのマフラーを二人で巻き、ずっと寝ていた。
「......」
リアラの顔を見ながら、指を動かす。
「......」
寝ているリアラの顔をそっとつつく。
ほっぺに耳に鼻、そして唇。
「ふふっ、ふわーあ」
あくびをすると、僕は再び眠ってしまった。
「うーん」
私は目覚めると、周りを見渡した。
空ではまだ雪が降っており、地面にはたくさんの雪が積もっていた。
今までは怖くてたまらなかったが、隣にリーバがいるおかげか、怖くなかった。
「......」
リーバが起きないように、そっとリーバの顔をつつく。
まつ毛に顎に額、そして唇。
「う、うん」
そんなことを続けてると、いつの間にまた眠ってしまった。
「よし、行こうか。」
二人で話し合い、まずはリーバがいた孤児院に行くことにした。
街を離れ、森に入り、やがて草原が広がった場所についた。
「ここが、リーバがしばらく居た場所......」
草原の中心には今まで泊まってきた宿より大きな建物があった。
その建物に向かって、二人で歩いていくと、建物から人がでてきた。
「......」
それを見たリーバは、繋いでいた手の力が少し強くなった。
「またここに来たのか、ちょうど良い、今度こそ逃がさん。」
職員らしき人が数名出てきて、その後ろに、いちばん偉そうなおじさんがでてきた。
「ここには、お別れを言いに来た。」
リーバが口を開く。
「別れだと?」
「これ以降、僕はここには近づかない、だからそっちも、僕たちを追い回すのはやめにして欲しい。」
職員達はふふふと笑い出す。
「それは無理な相談だ。」
職員だけでなく、いちばん偉そうなおじさんまで笑い出す。
「わかってる、でも、これは相談じゃない。僕からの一方的な要望だ。」
それを聞くと、職員達は笑うのをやめ、真面目な顔になった。
「なら、どうする気じゃ!儂らを殺すか!?」
偉い人がそう叫ぶ。
「この孤児院を、ぶっ壊す。」
「!?」
その瞬間、私とリーバは魔法を職員達に向かって放った。
「う、うああああああ!!」
建物の中から見てた孤児は叫びながら、建物から走って出てきた。
「や、やめてよ!」
「ここがなくなったら、私たちどうやって生きていけばいいのさ!」
他の孤児たちがどんどん叫ぶ。
その中には、この前リーバを怪我させた男たちもいた。
その孤児達は、みんな揃って痣や怪我が身体中にあった。
......
「すうううううう!!」
息を思いっきり吸う。
そして、
「ばっかーーー!!」
「!!」
「君たちはそんな身体中に痣があって、そんな生活がこれからもずっと続けば良いと思ってるの?そんなわけないでしょ!そんなに人がいるんだからこの先も自分たちで生活できるでしょ!そこにいる大人たちは誰も怖くない!君たちの方がよっぽど強い!このリーバはね、今までずっと一人で生きてきたの!リーバにできるんだから、君たちだってできるでしょ!」
めいっぱい大きな声でそう叫び、私ははぁーーと息を吐いた。
「リアラ......」
「リーバ、行こう!」
「......!うん!」
そして、私たちと職員たちの戦いが始まった。
しばらく攻防が続いたが、私たちが断然押していた。
「くっ!」
「ガキのくせに!」
最後のトドメに、私とリーバは顔を見合わすと、
一斉に走った。
職員達は驚愕していた。
今目の前で戦っているガキ共がとてつもなく強かったからだ。
(そんなわけない!私たちが!)
すると、最後のトドメに敵二人が一斉に走ってきた。
二人は魔法で自身らの周りを暗くした。
その後、スライディングしながら、指をこちらに向かって構えてる影が見えた。
「リーバだ!」
「馬鹿め!」
職員達は一斉に魔法を放つ。
が、
「残念、ハズレ。」
リーバだと思ってた人物はその連れのガキだった。
リアラはそれをかわすと、後ろに引いた。
「じゃ、じゃあリーバはどこに!」
「後ろよ!」
振り向く暇もなく、職員たち全員がリーバが持っていた剣で斬り裂かれた。
「うわあああああ!!」
「わ、わわわわわ!」
僕とリアラは戦闘が終わると、唯一戦闘に参加してなかった社長の元に立った。
「わ、儂になにかしたら部下たちが黙ってないぞ!」
「その部下は今僕たちが倒したよ。」
「ひっ!」
社長は酷く怯えていた。
「い、いいのか!?儂らがいなくなったら、ここのガキどもは飢え死にだぞ!あのガキどもが大人なしに生活できるわけがなかろう!」
社長は必死に御託を並べた。
「いや、俺たちは俺たちで生きるよ。」
横から声がし、振り返ると、孤児たち全員がいた。
「な、なななな!」
「俺たちはあんたらに強くしてもらった、だからもう体罰をするあんたらは必要ない。従う必要もない。」
「そ、そそそそそそ、そんなぁ!!!」
「それじゃ、僕達は行くね。」
大人たちは全員、孤児院からいなくなり、ここから孤児だけでの生活が続く。
不安がないわけではない。
でも、
「俺たちなら大丈夫だ、あと、その、悪かったな。あの時、あんなに痛めつけて。」
「そう......バイバイ!」
「「「ばいばーい!!!」」」




