第二十一話 ヘリクリサム
リーバがいなくなってから半年後、おじいちゃんの具合が悪くなった。
それからは大変だった。
今までやっていた狩りの他に、家事に畑仕事が増え、忙しい日々になった。
そして、おじいちゃんが死んだ。
おじいちゃんは死ぬ間際に遺言を遺してくれた。
「愛してる、リアラ。」
その言葉を言い残して、おじいちゃんは死んだ。
死んだあとのおじいちゃんの体は、おじいちゃんがいつも見ていた家の庭に埋めた。
悲しみにくれながらも、私はそれからも毎日を生きた。
そして、ついに来た、あの日。
奇跡のような再会が、私を救った。
そう、あの時、奇跡のような再会が、僕を救った。
リアラ......
リーバ......
「はっ!」
僕は起き上がると、そこは孤児院のベッドの上だった。
「うぅ、痛い。」
横を見ると、最近入った子たちが、僕の看病をしてくれていた。
「あ、ありがとう。」
窓の外を見ると、すっかり夜のようだった。
しかし、部屋、いや、建物の中はどこも電気を付けずに真っ暗だった。
付いてるのはロウソクのみで、僕は横にいる子達に質問した。
「ねぇ、なんで電気をつけないの?」
そう聞くと、その子たちは不思議そうな顔をし、
「だって、この国や周りの魔女たちの国も、この日は18時から0時までは電気を消さなくちゃ。そして、0時になったら一斉に電気を付ける。それが国の文化、シャイニングライト。」
そ、そんな文化が......
「ご飯あるよ。」
その子がご飯を僕の前に置き、どこかへ走って行ってしまった。
「......!美味しくない......」
時計を見ると、時刻は23時30分、シャイニングライトまで、あと三十分。
「......」
ずっと、長い夢を見ていた。
リアラの過去や、僕の過去、離ればなれになってからの記憶も......
ああ、そうだ。
僕にはリアラが必要なんだ。
これまでも、これからも、永遠にリアラがいなくちゃ意味が無い。
「よし。」
部屋の窓にある鉄の格子を窓ガラスごと、ライトニングガンで破壊する。
ジリリリリリリ!!
建物中の警報が鳴る。
前回脱走した時はこんなのなかった。
「でも、こっちだって新しい魔法があるんだ!」
足に魔力を込める。
「ライトニングアクセル!!」
今まで出したことの無い速さで孤児院から脱走した。
「待てーー!!」
建物の方から大きな声が聞こえたが、気にせず走り続けた。
「ん、うん。」
目を覚まし、辺りを見回すと、未だに雪が降り積もり、夜になっていた。
「すごく、長い夢を見ていた気がする。」
私とリーバの過去が見れた。
「リーバ!」
その場から立ち上がり、路地裏から街の道に足を踏み込む。
雪を踏み、クシャッとする。
「ひっ!」
1歩後ずさる。
「はあ!はあ!はあ!」
トラウマが蘇る。
寒い......1人......
「ひとりじゃないよ」
一瞬、リーバの声が聞こえた。
「リーバ?」
しかし、目の前にリーバはいない。
周りは何も見えないほど暗くなっており、しかし、私は無意識に足を進めた。
「リーバ......リーバ......」
歩くスピードは上がり、走るようになった。
街に入り、急いでリアラのいた場所へ向かう。
周りは真っ暗で何も見えなかったが、何故かリアラがいる場所がわかる気がして、どんどん走った。
リーバがどこにいるか分からないはずなのに、何故か足がどんどん前に進む。
「リアラ......リアラ......」
「リーバ......リーバ......」
街の真ん中を走り続けると、
「!」
「!」
誰かがいる気配がした。
後ろを振り返る。
「リアラ......?」
「リーバ......?」
1歩、前へ出る。
その瞬間、
パッ!!!
辺りが一斉に光に包まれ、目の前にあの子がいた。
ずっと一緒にいたい人。
忘れたくない人。
「......リーバ!!!!」
「......リアラ!!!!」
お互いを認識した途端、一斉に走り、抱き合った。
「リアラ!!リアラ!!会いたかった!会いたかったよぉ!!」
「リーバ!!リーバ!!私も会いたかった!!もう離さない!!離さないよぉ!!」
リーバがリアラの手を持ち、その場で何度もリアラを振り回しながら回る。
「リーバ!リーバ!リーバ!」
「リアラ!リアラ!リアラ!」
何度か周り、その場にお互い倒れた。
「ふふっ!」
「あははっ!」




