第39話 進展
そういえば、アンリが自分の父親(碧瑠璃さん)のこと話したこと一度もなかったな。
ママさんの話しだと、碧瑠璃さんはアンリが生れて間もない頃に、世界中へ放浪の旅に出てしまってから、ほとんど家にも帰って来ないらしいし…。
アンリが碧瑠璃さんと一緒に過ごせた時間はごくわずかしかなくて、父親に対してあんまり思い入れがないのかも…。
「碧瑠璃さんとの連絡手段は、電話とかメールなんですか?お美しいアンナ・マリー先生が俺の奥さんだったら、世界中どこへ居ようと毎日欠かさず電話しちゃいますもん♡!」
「うふふ。残念だけど、碧瑠璃さんは真理君みたいに情熱的な愛妻家じゃないのよー。あの人ったら、世界中を遊び歩くのに夢中で、連絡なんてほとんどよこさないんだから……。それに、碧瑠璃さんてば、翻訳の腕は一流だけど、それ以外は不器用で、超アナログ人間だから、スマホもまともに扱えないのよ~。」
「そうなんですか!?このご時世にスマホ使えないと、なかなか不便じゃ……あぁっ!すみません、電話が…」
サクマは、ポケットから着信音が鳴るスマホを取り出すと、急に立ち上がった。
「サクマ、誰から電話?」
「俺の親父から…。すみません、ちょっと電話してきます。」
サクマは、席から立ち上がると椅子を丁寧に戻してリビングを出た。
「ふぅー…。真理君って、おじゃべりな子ねぇ…。ふふっ♡ これで、やっと落ち着いて杏子ちゃんと二人っきりで話せるわ~♡」
アンリのママさんは――アンリと同じ綺麗な青い瞳で――僕を真っ直ぐに見つめながら嬉しそうに呟いた。
「えっ?僕と…?」
美しいママさんに見つめられると、僕の胸はドキドキしてしまって…!
僕は、動悸を押さえようと、冷めた紅茶を口に含んだ。
「そうよ~!私は、杏子ちゃんとお話ししたくて、杏璃に杏子ちゃんを家に連れて来るように言ったのよ~。ねぇ、杏子ちゃん、うちの杏璃とはどこまで進んだのー♡?」
ふぁっ!?
予想外のママさんの質問に僕は、口に含んだ紅茶を吹き出しそうになってしまった…!
「なっ!?なななな、な、なんのことでしょうか……!?」
「うふふ、とぼけちゃってぇ~♡ 貴方達、二人は相思相愛なんでしょう~♡?」
「まっ、ママさん!?誤解です…!僕とアンリは、ただの友達です!!だいたい、僕達、男同士だし…!!」
「心配しないで、私は同性愛に偏見はないわよ♡?杏子ちゃんは、成績優秀で顔も可愛いし、性格も良いし、私の杏璃のことを大切に思ってくれているし!杏子ちゃんさえよければ、いつでも家に嫁いで来て良いのよ~♡?」
嫁ぐって…!?
僕、男なんだけど…!!!
「ママさん…っ!?僕、アンリとは、まだ…そんなことまで……考えてなくって……!!」
僕とアンリは、今日から交際を始めたばっかりで…!!!
そもそも、この国の現法では同性婚は認められてないし……
「あらぁ?そうなの~?でも、将来的には、一緒になるんでしょう~♡?私、杏子ちゃんならいつでも大歓迎よ~♡!私ね、杏子ちゃんと出会うまではね、杏璃のお嫁さんのことなんて考えたくもなかったし、杏子ちゃん以外の女が私の大切な杏璃の番になるなんて死んでも嫌だし!!たぶん、杏子ちゃん以外のお嫁さんだったら、私、絶対に再起不能になるまでいびり倒してイジメ殺しちゃうもの~♡」
ヒィッ!?
なんかさらっと怖いこと言ってますよー!?
「あっ、そうだ♪杏子ちゃん、今夜は家に泊まっていきなさい♡!杏璃も喜ぶと思うわ~♡ 小さい頃みたいに、杏璃のお部屋で同じベッドで良いわよね♡?うふふ、二人とも男同士だから床を共にしても妊娠する心配はないものねぇ~♡」
ファ―――――ッ!!??
「すみません…!!今夜は、ばあちゃんが旅行から帰って来るので…!!家に帰ります!!!」
僕は、色んな意味で身の危険を感じて、丁重にお断りした。
たぶん、今夜ここに泊まったら、このまま聖家に嫁がされてしまう気がするんだもん!!
「あらぁ…。それは、残念ねぇ…。」
「―――失礼致します。杏子様、杏璃様が呼んでいらっしゃいます。」
メイドのステラさんがリビングに入って来ると、僕に向かって言った。
「アンリが僕を?」
「はい。杏璃様が杏子様にお会いしたいと。杏璃様はお薬の点滴を終えたばかりで、まだベッドから起き上れないのです。」
「杏子ちゃん、行ってあげて♡」
僕は、ママさんに促されて、アンリの部屋へと向かった。
ごきげんよう!苺鈴です♡(*^▽^*)
こ↑こ↓までお読みくださりありがとうございます♡♡♡!!
前回の更新から一か月以上過ぎてしまって、大変申し訳ありませんでした…( ;∀;)
実は……4月から新しい職場で働いていました♡!!(脱ニートォォオオオ!!!)
未経験の職種で、毎日毎日、新しい仕事を覚えるのにいっぱいいっぱいで、全然執筆できていませんでした……(;^ω^)
最近、ちょっぴり余裕が出てきたので、なんとか更新できました♡♡♡( ;∀;)
これからも不定期更新になりそうですが…
最後までお付き合いしていただければ幸いです♡♡♡(●´ω`●)




