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プロローグ
(どうしてこうなった、どうして、なんで!)
家々の明かりは消え、完全に寝静まった新月の夜、イースタリアンにあるギルドの隅の机で、カイは両肘をつき頭を抱え何度も頭の中で繰り返し叫んでいた。
ギルドの閉店の時間はとうに過ぎ、明かりは消え、あたりは暗くなっていた。人はもちろんいない。
そのうえ、今はほぼ無風らしく、いつもはカタカタうるさい窓の格子が全く鳴っていなかった。
(僕たちの関係は、こんなにも簡単に砕け散るのかよ!)
こう思ったと同時に、カイは机を思いっきり右手の握りこぶしで叩いた。叩いた音は虚しく散らばり、静寂の闇に吸われていく。
そして、カイの顔は眉間に皺が寄り、瞳の奥には怒りで満ち溢れ、涙が溜まっていた。机の上の蝋燭がその涙を色濃く照らしている。
(もう誰も信用できない、いや、誰も信用しない!)
カイの憎悪は時間が経つにつれて増していった。
なぜカイはこういった状態なのか、それは数週間前に遡る。




