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襲撃

数秒後、ノックの音が外からして御者の声が聞こえた。

「お嬢様、すみません少し休憩をとりたいのですがよろしいですか?」

「どうしたの?」

「いえ、馬が疲れて足を止めてしまって……。」




(……なんだぁ、私はてっきり……。)と肩の力を抜いたが、ロジエールはギロッと扉の外を睨み付けた。




「何か……うぐ。」私がロジエールに声をかけようとするとロジエールは静かにしろと言わんばかりに私の口元にてをやった。それと、同時にガチャリと扉のノブが周り、ギィーと音をたてながらゆっくりと扉が開いた。




(………?)

ロジエールは扉が開くと同時に、私を守るように自分の後ろに隠した。次の瞬間、「お嬢様はどこかな?」と男の声がして大きな刃物を持った男が御者を人質にするように立っていた。




「お前は誰だ?」といいながら、ロジエールはタルカにハンドサインで合図を送る。

「答える必要があるか?」とニヤニヤ笑う男の目を真っ直ぐみて、「仲間は何人いる?」とロジエールが問いただした。




次の瞬間、タルカが反対側の扉から勢いよく飛び出した。




(タルカ……そんなことをしては。)




「おい、ガキが一人逃げたぞおえ!」

すぐさま仲間数人がタルカを追うために動き出した。





(タルカ…タルカ、私はそんなこと……。)





私は飛び出すタルカの手をつかもうとしたが、ロジエールのせなかが邪魔して体を動かすことができない。




「お嬢様、いけませんここから離れては。」と大きな声でロジエールはタルカに敵の目が向くように誘導する。





(私のせいでそんな……。タルカ…早くおいかけたい……でも……。)



「仲間にいかせていいのか?」

「騎士さんがこんなところにとどまるなんて、おかしいからなあいつは囮だろ?」 

「何でそんなことがわかる。」

「ガキは二人だと聞いてるからな!まぁ、俺としてはどちらでもいいが!」と男がロジエールに刃物を向けた。ギラギラとした男の目と刃物の光がよりいっそう恐怖を感じさせた。その男の動きにシンクロするかのようにロジエールは腰の剣を抜いて構えた。








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