二十三 モテるアドルフ
劇場
ア「やっぱりワーグナーは最高や!」
ク「リンツの劇場でも何回も聞いたけど…」
ク「やっぱり都会のものは格が違うね!」
ア「ワイはいつかドイツ民族の巡礼の地・バイロイトに訪れるで…」
ア「ヴァーンフリート館を見て、ワーグナーの墓参りをするんや…」
ア「そしてワーグナー自身が作った劇場でワーグナーの作品を見る!」
ア「くぅ~夢が広がるで!」
なんだろう
アドルフの妄想はいつも壮大で現実味がないんだけど…
この願い必ず叶う
そう思った
チラ……チラ…
……ん?なんだろう、視線を感じる
チラ……チラ…
向こうの婦人たちがこっちを見てる……?
え!もしかして……ボクにも春が……
ドキドキ
チラ……チラ…
違う…この視線はアドルフに向けられたものだ……
アドルフは質素な服装で素っ気ない控え目な態度……
ボクと大して変わらないのに……一体どこに差があるんだろう?
確かに、アドルフには謎の魅力がある
あの婦人なんて振り返ってまでアドルフを見つめている
劇場で振り返るのはマナー違反だって誰でも知っているのに…
ア「なんや 今日は客層が悪いな!行くでクビツェク」
ク「う、うん」
アドルフはなにも朴念仁でなければ天然ジゴロでもない
ちゃんと彼女たちの熱意をキャッチしているし
思わせぶりな態度なんて絶対に取らない
ステファニーを好きなようにノンケ、同性愛者でもない
なのにアドルフは何もしなかった
ア「全く、なっとらん、なっとらんなぁ」
劇場 外
ク「アドルフってモテるよね?」
ア「ん……なんのことや? それより来週の公演は~」
魅力だけじゃない
読書で知り得た膨大な知識
スケッチや演説といった匠な技
そして何にでも真剣に取り組む情熱
アドルフには他の人にはないたくさんの才能があった
でも彼はチャンスを掴もうとしない
行動力がないわけでもないのに…
本当に不思議だ……
参考・引用・元ネタ
彡(゜)(゜)「ワイはアドルフ・ヒトラー。将来の大芸術家や」(5ch)
アドルフ・ヒトラーの青春(三交社)




