四十 別れ③
翌週
アドルフはああ言ってたけど
家事を単調で退屈な作業だって見下していたのに本当にできてるのかな…?
無理だろうなぁ きっと三日坊主…
ヒトラー家
ク「お邪魔します」
ク「あれ、誰もいない」
キョロキョロ
ア「クビツェク、下や」
!!!
ク「ア、アドルフ…床にひざ立ててなにしてるの…?」
ア「なに言っとんのや? 掃除に決まっとるやろ 見てわからんか」
嘘…あの、あのアドルフがエプロン着けて床を磨いてる
クララ「ふふふ、クビツェク君が驚くのも無理ないわ」
クララ「でもご覧の通り、アドルフは何でもできるのよ!」
ア「全く、人をなんだと思っとるんや…」
アドルフは別人のようになっていた
ア「今日はなに食べたいんや?」
クララ「あり合わせでいいわよ…」
ア「いいわけないやろ…今日はシチューにするわ」
クララ「この間も食べたじゃない…」
ア「ええやろシチュー好きなんやろ?」
クララ「そうだけど…」
ア「なら決まりや クビチェク お前も食ってけや」
ク「あ、ありがとう…」
あらゆるしがらみから解放されたようだった
ア「ほれ 出来たで!」
クララ「ん~おいしい」
そんな、今まで料理してこなかったアドルフの料理がおいしいなんて…
パクッ
!!!
ク「おいしい!」
アドルフがそばにいることをクララおばさんは何より喜んでいた
医者「うん 症状はよくなっているね!」
クララ「ありがとうございます先生」
医者「親孝行な息子さんが帰ってきてくれたからかな」
クララ「ええ、もっと前からこれだったらよかったのに」
ア「うるさいわ!」
アドルフは心から愛情を込めてクララおばさんを世話していた
クララ「よっこいっ…あ痛たた」
ア「無理すんなや ホレッ」
アドルフはスッとクララおばさんの腰に手をすえた
この歳月、アドルフは母への献身的な世話だけに生きていた
そして気づけばもう十二月も末に入ろうとしていた
あ、雪…もうそろそろクリスマスだ
ク「それでは、ボクはこの辺で…」
クララ「……」
ク「アドルフー!? 聞こえてるかーい!?」
ア「屋根裏からでも聞こえるでー! ほななー」
ク「うん バイバーイ!」
……
ク「それでは、お大事に…」
クララ「……クビツェク君」
ク「はい」
クララ「アドルフにとって良い友達のままでいてね……」
クララ「あの子はもうひとりぼっちになってしまうから…」
ク「……はい」
ボクは目に涙をためながら約束した
十二月二十日の夕方のことだった
翌日 クビチェク家
ガチャ
ア「………」
ア「夜中に母さんが死んだ」
参考・引用・元ネタ
彡(゜)(゜)「ワイはアドルフ・ヒトラー。将来の大芸術家や」(5ch)
アドルフ・ヒトラーの青春(三交社)




