珊瑚の城で
最終話です。よろしくお願い致します。
彼女は長い夢から目を覚ます。
まだ蒼い朝だ。
寝そべり椅子の背にもたれ掛って眠る娘を見つけると、彼女は吐息を吐いて微笑んだ。
娘は、夢の最後に見た娘とは違い、まだ激しい波に晒されていない、まっさらなあどけない顔をして眠っていた。
「ああ、ラヴィ・セイル」
なんの為に授かった力なのか、ずっと悩んでいた。でも、この夢を見る為だったのだ、と彼女は理解した。
そっとベットの下に忍ばせて置いたナイフを手に取ると、胸を上下させながら矛先を決めた。
このナイフは、ずっと彼女を誘惑していた。
美しいナイフ。お終いのナイフ。
薄闇にきらりと光るのを見て、「あら」と彼女はナイフに囁いた。
「あなたの誘惑に負けたんじゃないわ。私は、自分の使命に従うの。この力の、使命に」
さあ、悪夢よ。いらっしゃい。あなたの負けを、もう私は視たのだから。
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美しい港の国に、朝日が昇る。
蒼海を望む珊瑚の城に、生まれたての光がしずしずと寄り添って行く。
静かな朝の訪れに、東の塔のバルコニーで、青白い夜の花がそっと花を閉じた。
END
あまり胸のすく様な冒険活劇! という物語ではなかったですが、最後まで読んで頂いてありがとうございました。
ブックマークをつけて下さった方はもちろん、常にそばで応援して下さった方々、本当にありがとうございました。
バドとラヴィの人生がこれから、の様に、梨鳥もこれからも頑張ります!!
それでは、『蜥蜴の果実』完結致しました!!
本当に、ありがとうございました!!




