赤月夜の森行軍 其の八
書けました
ハロウィン前にはこれ終わらせたいですね
突如として俺の前に飛来した謎の物体。
それはこの世界に転生した俺に何も恐れる事なく俺と対話し俺がこの世界で冒険者を出来るようにしてくれた恩人であるベギィド。
盾使いの役職を持つベギィドにとって並の攻撃であれば余裕で耐えきってくれる。
そんなベギィドが今俺の前で大怪我を負い倒れている。
俺の買った奴隷を守るかのように。
「フォルテ!!ぼーとすんな!!ベギィドを回復しろ!」
「は、はい!」
フォルテ本人も何が起きたか分からず同様してるらしい。
意識が朦朧としてる中で急ぎベギィドの回復を行わせた。
(一体何が)
(主様!後ろです!)
アルナから唐突に連絡が入りその言葉と同時に俺は拳を後ろに打った。
瞬間、とんでもない圧力が腕に掛かった。
《確認しました。防衛神に内包されているスキル「威厳ある盾」を発動し即死攻撃を無効化します》
この表示が入った途端、俺は勝ち目がないと悟った。
いやというかスキルを貫通してくるなんて事出来る力が無いにも関わらずだぞおい!?
威厳ある盾は即死攻撃を無効化するにも関わらず今の俺の体力は1だ。
完全に防ぎきれていないんだよ!
普通は即死であればどんな攻撃でも無効だったよな!?
「…受けきられたか。いや、原因はさっきまでなかった役職か」
恐らく俺に攻撃を加えたであろう相手の声が聞こえた。
そして俺は動揺した。
聞いたことがある。
いや忘れてないだけだった!
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「今日から数日間とはいえ、同じ依頼を受ける身だ。俺の名前は…」
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そんな声の主の言葉が頭でリピート再生されるが如く流れ続ける。
何でこんな事を…いや今はどうでもいい。
「…お前がどっち側かは後で聞く」
「…」
「一つ聞かせろ。お前はいつから「敵」だったんだ?Z級冒険者アラガ・ドーメライ」
俺の前に居たのはこの世界で一番高い戦闘能力を持つZ級冒険者の一人であった。
そして俺に攻撃した時点でこいつが敵なのは確定である。
マジで何の目的でこいつらの味方を?
「…関係ない事だ」
アラガはそう発言し気づけば俺の目の前に飛んできていた。
「おっとぉ!?」
ギリギリで躱す」
《確認しました。称号「避け見の名人」を獲得しました》
「あーはいはい新しい称号ですか。ちょっと待てや!」
今それどころじゃないわ!
いやまぁ避け見の名人って事はさっきよりかは避けれるとは思うがな!
「厄介な称号を取られてしまったな。時間を掛けるとこちらの分が悪くなるな」
「お前鑑定持ってんのか!?」
アラガが先ほど言った厄介な称号もそうだがその前に口にした「さっきまでなかった役職」という発言が鑑定を持ってると疑惑を残している。
「あぁ。そういえばこの世界は鑑定スキルが存在しなかったな」
訂正。
やっぱこいつあの女二人組の仲間だ。
確信を得た俺はこいつは今ここで叩き潰さなきゃいけなくなってしまった。
取り敢えず魔法で吹っ飛ばす!
「ストーンバレット!」
「遅い」
剣で軽く弾かれた。
魔法を弾くってありなのかよ!
「ファイヤバレット!」
「遅いと言ったハズだ」
また弾かれる。
だったら近距離だ。
「スカーフレイパ」
俺は静かに呟き周りは砂嵐に飲み込まれる。
(パルクール覚醒)
頭の中で唱えると同時に俺はあの日以来感じてなかった覚醒の感覚に襲われる。
決して悪い感覚ではないのだが相変わらず妙な感覚だ。
って今はそんな事を考えてる場合じゃ「波場風」
突如として大風が吹きスカーフレイパによって生み出された砂塵が全て吹き飛ばされる。
「なっ...」
「こんな子供騙しといってもいい物で時間が稼げると思ったか」
アラガは氷のように無表情な顔で告げる。
既に奴の剣は俺の首元まで来ていた。
瞬間、俺の脳裏には一つの言葉が浮かぶ。
「死」だった。
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アラガはサイチにトドメを刺すために最後の攻撃を放とうとした。
サイチを助けられる者は全員気絶させたからこそ余裕を持ちトドメを刺せる。
フォルテはベギィドの回復や他の人に回復を使いすぎ魔力切れを起こし気絶。
イニーシャとウェルテミスはベギィドを飛ばした反動で遠くに吹き飛ばした。
アルナは事前に気絶させておいた。
この瞬間、アラガを邪魔する存在は全く無かった。
星が降り立つまでは。
アラガのすぐ側に何かが落ちてくる
その落下音にアラガは聞き覚えがあった。
すぐに対象をサイチから落下した何かに移す。
「やれやれ···かなり未開のエレメントに飛ばしたはずなんだけどまだ生きてたのか。アラガ・ドーメライ君」
「...星の神の使徒」
アラガのその言葉には憎しみと怒りの両方が混じる。
「にしても、サイチだったっけ?僕も少し興味があったんだけど死を覚悟しただけで気絶とは。いや、普通に体力の限界だったのかな?SPもかなり少なかったみたいだしね」
落下して来た男は何を考えてるかよく分からない笑顔を浮かべる。
その顔はまるで我が子を見守る親のようだった。
「さて、これ以上君に好き勝手はさせられない。本気で叩くよ」
「...主の仇は取らせてもらう」
隠して誰にも知られない戦いがここで幕を開けた。
次回も本編ですが可能であれば謎の戦いも導入したい...




