96.公爵令嬢リマリーエ 5
一学期末休み、私は、自領にフィアレアラ様達をご案内することになったのだが、今回はほとんど遊びだった前回、前々回と全然違う。今回の目的は、魔法技術の向上のためのいわば合宿だ。1日中魔法の練習ではないが毎日四時間以上練習することになっている。
前回同様、フィアレアラ様の転移魔法で我がサザリーナンダ領マナリーに移動する。
「さてと、みんな聞いていると思うけれど、今日から毎日四時間以上練習するわよ。午前中は遊んでいいけれど、午後からは魔法と家庭教師の勉強、剣術の稽古、そして寝る前に再び魔法の練習よ。」
「「「はい。クノハ先生。」」」
「じゃあ、お昼ご飯まで自由時間よ~。解散。」
……………
さっそくフィアレアラ様に海水浴に誘われる。海で泳いだ後、お昼ご飯を食べる。そして、クノハ先生の魔法指導の時間になった。
聞いてないが、どうやら三人揃って同じ部屋での魔法指導っぽい。別々の部屋で個々の練習とどっちなのかな、と思っていたけれど。
「クララ、リマリーエ。今日から期末休みの間の魔法の練習は、自分の魔力の限界に挑戦してもらうわ。魔力がなくなってもいいからガンガン練習するわよ。フィアレアラ皇女様が二人をサポートしてくれるわ。」
「はい。」
「えっ?フィアレアラ様はサポートなのですか?」
クララ王女様は、事前に聞いていたらしく返事をしたが、私は、初耳だった。
「ああ、リマリーエは聞いてないわよね。フィアレアラ皇女様は、今回、あなた達が練習中に魔力がなくなったら回復魔法をかけて魔力を回復してもらうことになっているわ。
リマリーエ、あなたは必ず出来るようにならないといけない結界があるのよ。『相手の魔力を遮断する結界』よ。クララはもう出来るからあなた中心に指導するわ。期限は一週間。とても短いから魔力が空々になっても遠慮なくやるわよ。もし、一週間以内に出来るようにならなければ、少々強引に覚えてもらうわ。」
「はい。」
「じゃあ、すぐ始めるわよ。クララは自主練習。フィアレアラ皇女様は、クララ、リマリーエと私のサポート。リマリーエ、あなたは私の魔法指導よ。」
「「はい。」」
「はい。えっ?幻影魔法?」
また私だけ驚く。フィアレアラ様が二人いる。普通、初等学校の子どもは出来ない魔法だ。中等学校三年生でようやく数分程度出来るようになるかどうかのとても難しくてたくさん魔力を使う魔法なのに、凄い。
「そうよ。さっきフィアレアラ皇女様は、二人のサポートって言ったでしょ?さぁ、クララはいつも通りの練習よ。幻影のフィアレアラ皇女様(フィオナ父母上とエリザベスお祖母様)はクララをお願いいたします。本体のフィアレアラ皇女様(本人)は、私とリマリーエの指導をお願いしますわ。」
しかも、クララ王女様の回復魔法は幻影のフィアレアラ様?そんなことが出来るなんて聞いたことがない。もはや常識では考えられない。
…まだ初等学校の子どもだから学習不足で私が常識を分かっていないのではない。




