36.前世の私と前々世の私 11
エ:『【クノハがクレアなんて驚きね。良かったわね、フィオナ。少し希望が見えたわ。】』
フ:『そうだけど、旧帝国皇族家系五星が傍系王女一人なことに変わりないわ。クレアが鍛えてくれるからマシにはなるけれど、もうすぐ10歳よ。ギリギリだわ。』
エ:『【それはそうだけど、フィアレアラがいるから大丈夫よ。ね、フィアレアラ。】』
フレ:「…何が大丈夫なの?」
エ:『【あなたがこの国を守ったらいいじゃない。】』
フレ:「は?私、帝国の皇族皇女なんだけど?」
エ:『【私、いいこと考えたの。あなた、留学中に病気になって死んだ振りをするのよ。】』
フレ:「へっ?」
エ:『【男の子になって、傍系王族王女の父親の隠し子の王子になるのよ。で、一番強い魔力を持つ王族五星王子になるのよ。まぁ、本当は、王位継承権なんてないけれど、あなたはフィオナの子孫なのだから問題ないわよ。気になるならランセルの第一王女を妃にしたらいいわ。】』
フレ:「はぁ?馬鹿じゃないの?エリザベート。そんなこと出来るはずないし。年齢だって、私、1つ年上か1つ年下にならないと被るじゃない。それに第一王女ってまだ二歳よ。何で私が二歳の乳児を妃にしないといけないのよ。」
エ:『【六歳前後の年の差なんてたいしたことないわ。第二妃にしたらいいのよ。】』
フ:『まぁまぁアリと思うけれど、留学先で帝国の五星皇族皇女が死ぬのは厳しいわよ。病気でもね。国際問題になるわよ。』
フレ:「ナシだわ。何で私が死なないといけないのよ。しかも隠し子王子になるってないわよ。私は女よ。」
エ:『【女の子ままだとフィアレアラってバレるじゃない。男の子の方が都合がいいし。】』
フレ:「嫌に決まっているじゃない。馬鹿じゃないの?エリザベート。」
エ:『【将来もフィオナに体を任せたら男性としての子孫も残せるんじゃないかしら?たぶん?フィオナと同じで。フィオナの魂と体ならば呪詛をかけられたままの『男』だから。フィアレアラのままだと無理だけどね。】』
フレ:「…。私に拒否権は?」
エ:『【あるわよ。もちろん。決めるのはあなたよ、フィアレアラ。フィオナもね、手の早い女だったけど、フィオナが誰でもOKな女だとは思ってないわ。フィオナの相手は全員自分の妃だったからね。遊びや一時期の慰みなんてなかったわ。エリアノーラだって結婚する前に孕ませたけれど、フィオナは彼女のことを愛していたから抱いたのよ。】』
フ:『…何が言いたいのかしら?エリザベート。』
エ:『【つまりね、フィオナは基本真面目なフェリオなのよ。寂しがり屋さんでね、女性に愛されたいのよ。だから、フィオナの相手は全員フィオナのことが好きな女性で、フィオナもその女性が好きだから抱くのよ。フィアレアラが大人になって、子孫を得る目的だけのために女性を宛がわれてフィオナに体を任せてもね、フィオナは無理かもって言いたいのよ。フィオナはたぶん好きでもない女性は抱けない女よ。】』
フ:『…出来るわよ。本当に困ってるならば。据え膳喰わぬは男の恥だからね。無理矢理にでも。』
エ:『【でも、フィオナが無理ならば、私が何とかしてあげてもいいわ。ここ一番のイイトコロで代わってあげるとかね。】』
フ:『…。フィアレアラ、エリザベートの記憶は要らないって言っていいわよ。最低だから。』
フレ:「そうしたいわ。」
エ:『【魔力が多いとね、そうなってしまうのよ。言っておくけど、フィオナは五人妃がいたから他の女性に手を出さなかっただけで、毎日毎日違う妃を抱いていたのよ。回数だけならばフィオナの方が私の三倍以上多いわよ。私は一週間に一、二回くらいで満足していたわ。】』
フ:『エリザベート。フィアレアラはまだ子供なのよ。何てこと言うのよ。それに自分の妃達を愛して何が悪いのよ。五人とも平等に愛していただけよ。』
フレ:「二人とも色々言うけれど、私、まだ八歳なのよ。勘弁して欲しいわ。」
エ、フ:『『【そうよね。ごめんなさい。】』』
フレ:「傍系王女の祖母がフィオナの娘ならば、簡単に法も改正されないわよ。現国王の好き勝手はないわよ。」
フ:『そうかもね?』
フレ:「傍系王女一人になった時に考えたら?その頃には私の魔力は増えていると思うから、どうにかしてあげるわよ。私は、エリザベートでフィオナなのでしょ?後数年したら私よりも上の五星なんていなくなるならば、あなたたち、もう少し我慢して待ちなさいよ。早くどうにかしたい気持ちならば伝わってくるけど、焦っても何も変わらないわよ。」
フ:『フィアレアラ、あなた、八歳よね?言っていることが落ち着いていてなんだか婆クサイわよ。』
エ:『【そうね。フィアレアラって子供っぽくないわよね?落ち着いていて冷めてるって言うか、無邪気さがないと言うか。】』
フ:『情熱もないわよね?帝国の皇族皇女ならばある程度仕方ないとは思うけど、人生諦めたら終わりなのよ。あなたは私とエリザベートなのだから、いずれこの世界一強い魔力の五星になるのよ。何か、こう、何か、何かあるでょ?何か熱くなるものが。』
フレ:「…ないわよ。何も。特に熱くもならないけど?」
フ:『…。ならば、今、一番気になることは、何?』
フレ:「えっ?新学期?ボッチにならないか心配だわ。」
フ:『ならば、それね。新学期対策をするわよ。学校教育担当公爵は昔からイーデアルなんだけど、今もイーデアルかしら?』
エ:『【レリーリアラちゃんに聞いてみたら?】』
フ:『そうね。そして、とりあえず、あのサザリーナンダの五星令嬢をどうにかしないといけないわね。』
フレ:「はぁ~。私、おもいっきり嫌われているのに、どうすればいいのかわからないんだけど?」
フ:『あなたがあんな恥かかすからだわ。同い年の令嬢に「赤ちゃん抱っこ」するなんて。』
エ:『【そうよね~。さすがに「赤ちゃん抱っこ」はダメね~。初等学校の女児には超恥ずかしいことよね~。可哀想に。】』
フ:『あの令嬢の記憶消したらどうかしら?最初からやり直すのよ。』
エ:『【みんな見てたからダメよ。あの令嬢の記憶だけ消す方がややこしくなるわよ。】』
フレ:「私、新学期からいきなりボッチだわ。校門に入った瞬間から自分一人。友達なし。知り合いなし。泣きたくなってきたわ。」
フ:『やっぱりレリーリアラに聞いてみるしかないわね。新学期までまだしばらくあるから同い年の令嬢を何人か紹介してもらいなさいよ。いくらなんでも知り合いなしなんてないわ。』
フレ:「そうするわ。誰でもいいから同い年の友人が一人くらいは欲しい。」




