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短編小説集  作者: Raa★
7/9

-"PANDORA" Hearts-【下】

女主人公、男主人公、主人公切替、ファンタジー


※既存作品「Pandora Hearts」との関係はありません。

だが。兄は重要な事を見落としていた。ファンタノウンについての本、パンドラの章の最終部。『パンドラハーツ』パンドラボックスをあまりにも多用していると、貯蓄するファンタクスと一緒に自らの精神がパンドラボックスに流れ出してしまうという。精神の大部分がパンドラボックスに流れ出てしまうと、パンドラボックスに精神を蝕まれてしまう。そして······パンドラボックスに操られた精神を《パンドラハーツ》と言うと。もう、ディズは手遅れだった。パンドラボックスはこの世の全ての絶望を詰め込んだ箱。そんな箱にパンドラハーツを宿らされたディズは、ついに父母を殺してしまった。トップクラスのファンタシストを、手も足も出ない程までに圧倒して。パンドラボックスを使い、膨大なファンタクスを操れる様になったディズは、パンドラハーツによって感情を亡くした。兄は、情けなかった。最愛の妹、ディズをこんな"バケモノ"にしてしまった事を。兄は、哀しくも、パンドラハーツの部に記されていた魔法を使った。ファンタクスを消す魔法だ。パンドラはパンドラハーツを宿らされてしまうと、パンドラボックス無しでは精神が崩壊してしまい生きていけない。そこを突くのだ。パンドラボックスも、パンドラの持つ膨大な量のファンタクスが無ければ機能しない。だから、ファンタクスを消すのだ。ファンタクスを消せば、パンドラボックスが停止する。パンドラボックスが停止すればパンドラハーツは消える。パンドラハーツが消えれば···············ディズは死ぬ。


―――――兄は、頬に雫を垂らしながら魔法を放った。魔法は美しいまでに白く輝き、ディズを白く染めた。ディズは、倒れた。パンドラハーツを失い、精神を亡くしたから。


ファンタジニアムに、ディズの死因は伝わらなかった。父母を殺したことは、ディズがその圧倒的な力に起因する権力で揉み消したから。ディズが変貌したことは、ディズの力によって権力を増した兄が隠匿(いんとく)したから。ディズは静かにこの世から去り、パンドラボックスは政府の方針により全て破壊されることとなった。共に、パンドラと、パンドラボックスについての記載も、書物からだんだんと消えていった。

最後まで読んでくださってありがとうございます!

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