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短編小説集  作者: Raa★
5/9

-"PANDORA" Hearts-【上】

女主人公、男主人公、主人公切替、ファンタジー


※既存作品「Pandora Hearts」との関係性はあらず、二次創作ではございません。

「ファンタジニアム」と呼ばれる国があった。この国は、「ファンタシスト」と呼ばれる、所謂(いわゆる)魔法使いが居た。ファンタシストはファンタジニアム中に溢れる「ファンタクス」と呼ばれる魔力を操り、様々な魔法を扱った。

そんな国に、とある一家があった。父、母、息子と国家クラスのファンタシストになった、名門一家だった。そして、そんな一家に新たに娘が生まれた。ディズと名付けられた。父母は、ディズをファンタシストにしようとした。この国の人間は、少し訓練をするだけでファンタクスを見、操れるようにはなる。その腕前によって実力が変わる訳だが······。ディズは、ファンタクスを操れなかった。いや、ファンタクスを見ることが出来なかった。ファンタジニアムにおいて、このような人間への呼称がある。【ファンタノウン】、ファンタクスを知らない者。所謂障害者の扱いだ。父は理不尽にも激怒し、ディズに暴行を繰り返すようになっていった。

ある日、ディズは家を逃げ出した。苦しみからディズは逃げようと、6才にして家から出ていった。父は手の平を返したようにディズを心配し、魔法で位置を調べあげようとした。だが、ファンタノウンの利点がここで発揮された。通常、ファンタジニアムの人間は体内に微量のファンタクスを保有しているため空気中のファンタクスを見たり操ったりすることが出来る。ファンタノウンは、ファンタクスが見えない者。つまり、体内にファンタクスを保有していない人を指す。魔法は、行使する相手の保有するファンタクスと操るファンタクスが反応し、魔法が相手へと行使される。そして、ファンタノウンはファタクスを保有していないのだ。魔法は行使できない。これこそがファンタノウンの最大の利点“魔法が効かない”だ。

さて、逃げ出したディズはと言うと、王都ジーニアへ歩いて行った。何百キロもある道のりを、何日も掛けて。途中で何度か人と会えば、果物だったり色々と、食べ物をもらったりしながら、歩いて行った。この時ディズの失踪の噂は国中に広まっていた。が、探そうとする人、見つけても報告する人が出なかったのは、既に社会がディズの父に対して反対的に動いていたからであろう。そして、ディズはジーニアへと着いた。ジーニアには、独り立ちして政府機関で仕事をしている兄の家があった。兄はディズを受け入れ、匿った。兄は、ディズを学校に行かせることはしなかった。兄ほどの力がある人物なら一人の女子を学校へ行かせるくらい簡単なのだが。兄はこう考えたようだ。「ファンタノウンであるディズが虐められては敵わない」と。

最後まで読んでくださってありがとうございます!

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