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エディット・ネーション:世界の終わり、そして始まり

第19話への最高評価、そしてここまでのお付き合い、本当にありがとうございました。 ゴミ鑑定士と蔑まれ、国を追われた一人の青年。 彼が書き換えてきたのは、単なる物質の属性ではなく、理不尽に満ちた「世界の在り方」そのものでした。 ついに世界は一つになり、争いも飢えも過去の概念となった今。 全能の権限を手にしたアレンが、最後に選ぶ「設定」とは。 至高のハイファンタジー、ここに完結です。

世界が統合されてから、数ヶ月。  かつての「死の荒野」は、今や世界の中心地となり、あらゆる種族が肩を並べて歩く平和な都となっていた。


 空には巨大な浮遊庭園が浮かび、かつて勇者だった男や騎士団長だった男たちは、アレンが設定した「社会奉仕」の概念に従って、楽しそうに街の清掃や公園の整備に励んでいる。彼らの表情からは、かつての傲慢さは消え、一市民としての穏やかな充足感が漂っていた。


「……終わりましたね、アレン様」


 バルコニーで、リィンが静かに隣に立った。  彼女の銀髪は、アレンが最適化した世界の光を受けて、かつてないほど美しく輝いている。


「ああ。バグ(不平等)も取り除いたし、リソース(資源)も無限化した。これからは、僕が指を動かさなくても、世界は勝手に幸せを生成し続けるはずだ」


 アレンの目の前には、依然として「管理者コンソール」が浮かんでいる。  指一本動かせば、新しい生命を創ることも、星の軌道を変えることもできる。  だが、アレンはふっと笑って、その黄金の画面を「非表示」に設定した。


「リィン、最後に一つだけ『自分』の設定を書き換えてもいいかな」


「アレン様の設定……ですか? すでに不老不死も、全知全能も手にされているのに?」


「いや。そういう『最強』の設定は、もう飽きちゃったんだ」


 アレンがコンソールの深層、自身のステータス画面を開く。  そこには【世界管理者】【唯一神の代行者】【概念の支配者】といった、重々しい称号が並んでいた。  アレンはその全てを選択し、無造作に「ゴミ箱」へとドラッグした。


「……【概念編集:初期化(Reset)】。ただし、大切な記憶と、隣にいる仲間の『設定』だけはロックして」


【システム・メッセージ】 →管理権限を『運営』へ返却します。 →職業:【世界管理者】を削除しました。 →新しい職業:【ただの旅人】が割り当てられました。


 アレンの体から、神々しいまでの魔力の波動が消えていく。  今の彼は、どこにでもいる、少し目つきの鋭い、けれど穏やかな顔をした青年に戻っていた。


「アレン様……? 今、すごい権限を捨てましたよね?」  地下から慌てて駆け上がってきたイヴが、目を白黒させて叫ぶ。


「ああ。これからは、世界がどう動くか『予測不能ランダム』なほうが面白いだろ? 僕はただ、君たちと一緒に、この書き換えられた世界を自分の足で歩いてみたいんだ」


 アレンはバルコニーから、広大な世界を見渡した。  そこには、彼がエディットした「最高の日常」がどこまでも続いている。


「さあ、行こうか。……鑑定士の仕事はもう終わりだ。これからは、この世界に隠された『面白いもの』を、ただの人間として見つけに行こう」


 一人の青年が歩き出す。  その後ろを、銀髪の少女と、お転婆な魔女、そして屈強な獣人たちが笑顔で追いかけていく。


 世界を書き換えた男の物語は、ここで一度幕を閉じる。  だが、彼が創り出した「新しい世界」の物語は、まだ始まったばかりだ。


【物語:完結】 →読者の皆様に『幸福』の概念をペーストしました。

最後までお読みいただき、本当にありがとうございました! 「追放された鑑定士が、世界のシステムをハッキングしてやりたい放題する」物語、いかがでしたでしょうか。 最強の権限を手放し、一人の旅人として歩き出すアレン。 彼にとって最大の「エディット」は、自分自身を自由にしたことだったのかもしれません。


またどこかの「設定(世界)」でお会いしましょう!

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