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第83話 シルバー無双

 王女を助ける為に偽魔王がいる城へと急いだ。

 途中丸太でバリケードが築かれて街道が塞がれていた。

 王女の護衛の騎士達も困った様子で立ち往生している。

 やっと追いついたぞ。


 バリケードの後ろには盗賊と思われる人間が武器を構えて待ち構えている。

 モンスターかなと思って和銅(わどう)さんの方をみると人間だよと言われた。

 こいつらの相手をしているほど暇じゃないんだけど。

 そうだシルバーにやってもらおう。


 ここに『復讐する愛馬』という物語がある。

 内容は盗賊に襲われた戦士の愛馬が戦士の血を舐める。

 そして、たまたま見つけた『魔力の泉』を飲んで覚醒して盗賊に復讐するというものだ。


 盗賊の前にわざと俺は出た。

 矢が雨あられと降って来る。

 一つを除き剣で全て叩き落とし、その一つを手の平で受けた。


「ぐわー、やられた」


 よし俺の血を提供しよう。

 嫌がるシルバーに手の平の血を舐めさせた。

 そして、『魔力の泉』の水を飲ませ。


「俺はもう駄目だ。後は頼む。がくっ。カタログスペック100%」


 わざとらしく死んだふりをした。

 シルバーの目が赤く光り、駆け出して行く。

 バリケードの前で反転。

 後ろ足でバリケードを蹴り上げた。

 バリケードは粉々になり後ろにいた盗賊はボーリングのピンみたいに飛んで行く。

 物語ではこの後、馬が盗賊のアジトを突き止め盗賊を成敗。

 そして、さらわれていた女の人を助け財宝を分捕ってくるんだよな。


 シルバーはヒヒンといなないて森に分け入っていった。

 俺達の馬車には余っている馬を繋ぎ出発。

 御者をクラスメイトに代わってもらい俺は『アミオンの目』でシルバーを見る。


 シルバーは森の中で、今オークの一団に囲まれている所だった。

 後ろから不用意に近づいたオークが後ろ足の蹴りで昇天。

 前からきたオークは首を噛み付かれ同じく昇天。

 それからはシルバー無双だった。

 蹴るは噛み付くわで瞬く間にオークの数は減っていった。

 強いなシルバー。

 無双が終わると魔石を咥えぽいっと吐き出し、鞍につけた袋に入れた。

 器用なもんだ。


 それから地面の臭いを嗅ぎ、盗賊のアジトへと急ぐ。

 途中、魔狼の群れと出くわした。

 シルバーは迷わずボスに突撃。

 頭突きで吹っ飛ばして前足で踏んだ。

 ボキっという音が聞こえてきそうだ。


 魔狼はボスがやられたので混乱。

 蹴る蹴る蹴る。

 魔狼は瞬く間にシルバーに駆逐された。

 やはり魔石を拾って袋に入れる。

 律儀だな。


 山の麓の洞窟のアジトの前では見張りの盗賊が弓を持って待ち構えていた。

 シルバーの赤い眼光に恐れをなしたのか。

 目にした瞬間弓を引き絞り放った。

 シルバーはなんと口から炎を吐き、矢を燃やした。

 盗賊の声は聞こえないが、聞こえたらこう言っているに違いない『馬のモンスターが出た』と。


 魔力過多になると馬でも火が吐けるんだな。

 もしかしてモンスター化してる。

 シルバーを討伐するなんて事にならなきゃ良いけど。

 その場合は、ゴブキンの絵本でカタログスペック100%だな。

 仲間にしてしまえば問題ない。


 盗賊が続々と洞窟から出てくる。

 シルバーは炎を吐いて盗賊を次々に丸焼けに。

 本当に容赦がない。

 そのうちシルバーの英雄譚が出来るかもな。


 盗賊の頭と思われる人間が出て来て魔法で土の壁を作った。

 シルバーがいななくと蹄は炎を纏い、炎付き後ろ足キックで壁を粉砕。

 盗賊の頭も跳ね飛ばされた。

 おい、魔法を使ってなかったか。

 きのせいじゃないよな。

 スキルでも獲得したか。

 馬魔法とかだろうか。


 炎を吐きまくると立っているのはシルバーだけだった。

 シルバーが洞窟の内部の入る。

 木箱を見つけ後ろ足キックで強引に開けた。

 こぼれた金貨を丁寧に咥えて鞍の袋に向かって吐き出す。

 辺りを見回すとなぜか不満げな表情になり、ゆっくりと洞窟を出た。

 何か考えているようだった。


 きっと歯ごたえが無さ過ぎ。

 ちょっと寄り道して帰ろうとか考えているに違いない。

 元居た場所に戻って来る方向とは別の方向に、駆け出したのが証拠だ。

 どこかで美味い草でも食べてそのうち戻ってくるだろう。


 もう大丈夫だと思う。

 俺は視点を馬車の中に戻した。

 ちょうど馬車は偽魔王の居る居城に着いたところだった。

 さて何が待ち構えているやら。


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