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palette  作者: 棠 智果
Orange
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4/22

#04

*最高の気分 逃げ出したいほどに


それは君にとって最高の仲直り


それは彼にとって最高の決別


それは僕にとって最高の開き直り


気持ちと気持ちが重なった時

まるで崖の上にいるような心持ちになる


誰でもそう

清々しくて 怖くて 逃げ出したいほど


君とあの子が 最高の仲直りを交わしたのなら

僕はふたりのために起こりうる奇跡すべて数え上げたっていい


最高の気分 祝福したいほどに



*夕焼けが君を染めて連れて行ってしまう


言葉にするのが難しい片想い

元々 そんなに言葉に不自由していないわけではなかったけれど


静かな横顔を 今もじっと見つめている

その目は優しく開かれて 夕日を見ている

琥珀色の光が 君を染めて


君が 連れて行かれてしまう前に

わたしが最大限 君を引き止めるために


何もしないのがいちばんなのでしょう


何も言えない心で

ただひとり 君を待つ人になりましょう



*意地でも君はその輝きを認めない


愚かで 無様な姿

意地でも そうやって目を逸らす

君が真っ直ぐに立っていられないほどの輝き

僕が持ってる



*星明かりに不可視の恋文


恋は即興曲

温めていた旋律に 慎重に言葉を乗せて

余さず 残さず 解いて放って

あたかも出来合いのものであるかのように

そっと 言葉で伝えるもの


夜は澄んだ空気に

銀の星が降り注いで

ピアノを弾く指に 音もなく積もってゆく

落ちてきた星を楽譜に連ねて

いつか あの人に聞かせるため


星明かりに 昔の約束

思い出して 胸を痛めてしまわないように

あの人が 勘づかない場所に 隠さなきゃ


星明かりに 不可視の恋文

その扉をくぐってずっと先で

あの人に まるで初めて会ったような気持ちで


そうやって ずっと終わらない恋をする

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