#01
*無花果の花 影無き姿
とても、よく似合っている。
銀縁の丸眼鏡は、黒くて深い瞳に。
優等生のようなシャツは、華奢な身体に。
細いブレスレットは、その小さな手に。
黒いミニスカートは、白く柔らかい脚に。
だけどあなたは、そのすべてを嫌う。
*愛は砂と降る 砂は降らない
望み通りに、とまではいかなくても。
私はあなたの愛欲に、応えてあげられる。
そのすべてが、言葉無しには
わからないのだけれど。
*星明かりに不可視の恋文
魔法が使えたらいいのに。
そしたら、
あなたが眠る窓に、
あなたの愛する景色に、
あなたが美しいと思う花に、
星を降らせることができるのに。
私が、あなたへの想いを願った星たちを。
それが叶わないのは、
あなたに私が見えないから?
*採掘場
幼い頃、空き地でモデルガンの弾を拾った。
学校で、秘密の手紙をみつけた。
片想いの相手が、他の誰かに告白するのを見た。
なにもかもが満たされるような思いをした。
守りたいものができた。
そうしてひとつずつ、
好奇心に、悲しみに、喜びに、
生きる意味を教えられる。
*恋の尺度(欲望と願望の乖離)
お気に入りの口紅がなくなって、
同じ色をまた買おうと思うかどうか。
自分を美しく見せてくれる服をみつけて、
最初に着て見せたい思うかどうか。
素敵なレシピを読んで、
それを作ってあげたいと思うかどうか。
プライドは、恋の邪魔をする。
余計な想像や、愛の拒絶でもって。
それを、跳ね返そうと思うかどうか。
何も、裸で抱き合いたいだけが
愛情ではないはずなのに。
なぜそんなにも、冷めたことを言うの?
(あなたがそうだからとしか、思えない。)
*世間知らず
粗探しをしては、他人に吹き込む。
また他のどこかで、同じことをする。
そういう人は、自分にそういうことをしてもよい友だちが、いると思っている。
しかし、ひとたびその被害者同士が繋がってしまうと、
彼あるいは彼女の 世間知らずが、
とても大げさに 明るみに出る。
酷い話だと嘆いてもいいのは、
実はその中の誰でもない。




