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palette  作者: 棠 智果
Orange
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1/22

#01

*無花果の花 影無き姿


とても、よく似合っている。


銀縁の丸眼鏡は、黒くて深い瞳に。

優等生のようなシャツは、華奢な身体に。

細いブレスレットは、その小さな手に。

黒いミニスカートは、白く柔らかい脚に。


だけどあなたは、そのすべてを嫌う。



*愛は砂と降る 砂は降らない


望み通りに、とまではいかなくても。

私はあなたの愛欲に、応えてあげられる。


そのすべてが、言葉無しには

わからないのだけれど。



*星明かりに不可視の恋文


魔法が使えたらいいのに。

そしたら、

あなたが眠る窓に、

あなたの愛する景色に、

あなたが美しいと思う花に、

星を降らせることができるのに。

私が、あなたへの想いを願った星たちを。


それが叶わないのは、

あなたに私が見えないから?



*採掘場


幼い頃、空き地でモデルガンの弾を拾った。


学校で、秘密の手紙をみつけた。


片想いの相手が、他の誰かに告白するのを見た。


なにもかもが満たされるような思いをした。


守りたいものができた。


そうしてひとつずつ、

好奇心に、悲しみに、喜びに、

生きる意味を教えられる。



*恋の尺度(欲望と願望の乖離)


お気に入りの口紅がなくなって、

同じ色をまた買おうと思うかどうか。


自分を美しく見せてくれる服をみつけて、

最初に着て見せたい思うかどうか。


素敵なレシピを読んで、

それを作ってあげたいと思うかどうか。


プライドは、恋の邪魔をする。

余計な想像や、愛の拒絶でもって。

それを、跳ね返そうと思うかどうか。


何も、裸で抱き合いたいだけが

愛情ではないはずなのに。

なぜそんなにも、冷めたことを言うの?


(あなたがそうだからとしか、思えない。)



*世間知らず


粗探しをしては、他人に吹き込む。

また他のどこかで、同じことをする。

そういう人は、自分にそういうことをしてもよい友だちが、いると思っている。


しかし、ひとたびその被害者同士が繋がってしまうと、

彼あるいは彼女の 世間知らずが、

とても大げさに 明るみに出る。


酷い話だと嘆いてもいいのは、

実はその中の誰でもない。

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