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第12話 ホビーショップって、つくれちゃう?

 

「――ねえ赤ちゃん。午後から何するの?」


 洗ったパーツの乾燥のため、午後からの予定はなくなってしまった。葵もその先を考えていなかったため、何かできることはないかと悩む。


「そ、そうですね……どうしましょうか……」


 乃亜に「今日はお帰り下さい」とも言い出しづらく、葵は困ったように視線を宙に泳がせる。


 ソファーに座ってスマホを触っていた乃亜はふと何か思いつき、隣に座る葵との距離を詰めると、一点を見つめて考え込む葵の顔を横からじっと覗き込んだ。


「じゃあさ、お家デートしちゃう?」


「へっ!? お、お家デート!? そ、そそ、それは……何というか、その――」


「あはは、冗談だってば! 赤ちゃんの反応、毎回かわゆ~!」


 ツッコミとばかりに乃亜は葵の背中をバシバシ叩く。


「じゃあさ。時間もあるし、どっか遊びに行く? 赤ちゃん行きたいとことかある?」


「行きたいところ……」


 いきなり尋ねられて葵は返事に困ったが、ふと乃亜と一緒に帰った時の会話を思い出した。


「そ、そうだ! ガレキ製作に使う道具を扱っているお店に行きませんか? どんな道具があるのか、見るだけでも参考になりますよ」


「それな! いつか道具も買うわけだし、ショップの場所とか知りたいし」


「では決まりですね。ちょっと準備してきます」


「りょー。リビング(ここ)で待ってるね」


 乃亜に断りを入れ、葵はリビングを後にして自室に向かう。


(午後からの予定が決まって良かった……。俺なんかと遊びに行ってもつまらないだろうし、ガレキ製作の道具なら話題にも困らない)


 財布などを持った葵はすぐにリビングに戻り、乃亜と一緒に自宅マンションを出発してまずは駅に向かう。


「――ねえ赤ちゃん。これからどこ行くの?」


「ガレキ製作の道具は模型店や百円ショップ、量販店のホビー用品売り場などで買えます。通販やオンラインストアも利用しますが、実店舗だと俺は大型ホビーショップで買ったりしています」


「そのショップ、どこにあんの?」


「両方とも横浜ですね」


「じゃあー、電車で一時間ぐらい?」


「そうですね。せっかくなので両方の店を回ってみますか?」


「赤ちゃんに任せる!」


 葵はまず一軒目の大型ホビーショップを目指す。電車を乗り継いで目的の駅で降りると、二百メートルほど歩いて目的地に着いた。


 広い店舗内には、様々なプラモデルから工具を始めとしたツールや塗料があり、ホビー商品を数千点以上も取り扱っている。


 初めて訪れた乃亜は開放感のある店内に並んだ商品棚と、様々な種類が揃ったホビー商品の数に圧倒される。


「マジか! スゴっ……商品の数、エグっ!」


「ここに来れば、大抵のものは揃えられますよ」


「マジ種類多すぎ! なんか迷うぐらいあるじゃん」


 乃亜は近くにあった商品棚を眺め、その取り扱いの豊富さに目移りしてしまう。


「ガレキ製作に使う道具は工程ごとに複数ありますが、基本的な道具であるニッパーにデザインナイフ、ヤスリなど見ていきましょうか」


 葵はまずニッパー類が陳列されている商品棚に乃亜を連れて行く。


「マ? ニッパーだけでも種類多くない!? モデラーズニッパー、精密ニッパー、クラフトニッパー? これ全部違うの?」


「用途が異なるだけで、基本的にニッパーは切るための道具ですね。確かに種類は多いですが、用途別に全て揃えなくても作業はできます」


 葵は手始めにニッパーの解説を行う。


「モデラーズニッパーはプラスチック用のニッパーです。ホームセンターに売ってあるものは、主に金属の切断用で刃が厚めですが、こちらは刃が薄くて切断面もフラットになり、細かい部分のカットに使えます」


 次に葵は精密ニッパーとクラフトニッパーを手に取る。


「精密ニッパーは、普通のニッパーより細かいものを切ることに適しており、クラフトニッパーは真鍮線(しんちゅうせん)や、アルミ線など金属の硬いものを切るのに適しています」


 次に葵はデザインナイフ、そして紙ヤスリ・スポンジヤスリなど、ガレージキットの製作でよく使う道具を簡単に紹介していく


「……ぱっと見さ、同じにしか見えないけど、色々と違うのかー」


「そうですね。たくさんの種類がありますので、道具にこだわればキリが無いです。道具を揃えるには費用も掛かりますので、まずは必要最低限の道具を揃えて実際に使用し、自分に合った道具を見つけるのが一番ですね」


「それわかる! あたしもメイク用品とか別のもので代用したり、百均のやつも使う場合もあるしね」


「俺も百均のものを使ったりします。さすがにデザインナイフなどはメーカーのものが良いですが、専用の道具は高い場合もありますし、入手のしやすさなども考えますね。ホビー商品以外のものも活用できます」


「やっぱ全部揃えるとお金掛かるし、みんな色々工夫してるよねー」


 店舗内を一通り見て回った葵と乃亜は店を後にすると、駅から電車を乗り継いで同じ横浜にある大型ホビーショップに向かう。


「――今から行くとこはさ、新作フィギュアのサンプル見に行ったことあるよ。今はネットで見れるけど、やっぱ実物を生で見たい時あるじゃん?」


「造形はもちろんですが、彩色などのチェックはモニター越しよりも、実物の展示が良いかも知れませんね」


 駅に着くと徒歩で数分歩き、商業施設ビルに入っている大型ホビーショップに二人は到着する。


「今までフィギュアコーナーに(ちょく)だったけど、改めてみるとプラモとかめっちゃあるじゃん。塗料もマジ種類多いし」


「スケールプラモは数も充実していますね。もちろんホビー工具も揃っていますよ」


 ホビー工具のコーナーを二人で見て回った後、葵は乃亜をあるコーナーに連れて行った。



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