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虹と戯れる砂の底魚  作者: 藤泉都理
第一章
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第四十一話 もぎたて




「土羽梨。疲れているみたいなんだ」

「あらら。もぎたてが美味しいのに」


 土羽梨はハシビに身体を預けて静かに眠っていた。

 そりゃあそうだ一週間かそこらで起きられるはずがない。

 思いながら、男性は片腕で抱えた籠から一個の赤トマトを取り出すと、半分齧った。


「うん。美味い。あなたも食べるか?」

「うん。土羽梨が起きたら一緒に食べる」

「本当にこの人が気に入ったんだな」

「うん!あなたもそうでしょう?」

「さあ、どうかな?この人に対して強い感情を抱いている事だけは確かだが」


 男性は土羽梨の傍らに座り、先程半分齧った赤トマトを食べ終えると、籠の中の様々な実をひょいひょいと口の中に入れては食べ続け、あっという間に全部食べてしまった。


「起きたらまた取って来る。もぎたての美味しさを味わわせたいからな」

「うん!」

「私も少し、眠る。身体を預けるぞ」


 ひゅっ。

 ほわわわわ~ん。

 ハシビは息を飲んで、次には、全身から歓喜の呼吸を淡くくゆらせてのち、目を爛々と輝かせて、うんと言った。

 思わず飛び跳ねそうになったのは、内緒だ。











(2023.8.31)




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