第十七章 Enrollment
みんな!体調不良に気おつけよう!(本来クリスマスに投稿予定でしたが、体調不良のため未完成のまま投稿させていただきます。点滴なんてひさしぶりにしました。)
期待していた眼差しを向けていたシエルの顔がスと伏せられてしまっていた。
周り人間が纏うの空気も、一瞬にして熱が下がって行くのが一目にわかった。
何故?と疑問はすぐに解消された。
「あの娘出来損ないか……容姿はいいのに魔力が無いのか」
「あんな奴が居るのか」
「ふ、やはり平民はその程度」
……聞こえてないと、思っているのかしら?
一つ一つは小さな呟き。
けれど、サクヤは聞き逃すことができなかった、いや出来たとしても悪意に敏感な私は直ぐに察せれるだろう。
「あ、えっと」
シエルが顔を伏せながら申し訳なさそうにしている。
これは、退散した方が良さそうだと思い、横にいるオルテンシアにどうぞと囁いた。
彼女は気にすることなく続ける。
『いいサクヤ?私たちが魔力と言っているものとこの世界の魔力は違うの』
サクヤはブライトネスに行く前、姉の秋からの注意を空港で受けていた。
一緒に行きたかったが仕事が入り、やむなく空港でのお別れを澄ませていたところ、突然言い出した。
『え?魔力が違う?』
『そう、私たちにとっては魔力は精神力と言う位置ずけになっている……。けれど彼らが欲しているのは超常的な事が出来る、世界に干渉できるエネルギー。それは似ているようで違う』
つまり……。
「魔法はほとんど使用できないか……」
と小さく呟いた。
取りあえず、そこにしょんぼりしているシエルに、「はいはい気にしていないから」とささやき頭を撫でた。
測定は何事もなく進んで行きシエルの番になった。
若干おどおどしながらゆっくり触れたとたん、辺り一面緑色の光が瞬いた。
おおっ!と会場にどよめきが走る。
「これは逸材だ」
「あぁ、これは使える」
ただ、その中に悪意に満ちた視線をサクヤは見逃さなかった。
測定が終わり下校時間になっても、サクヤやシエルに注がれる視線はやむことがなかった
鬱陶しいわね……。
あまり多人数に見られることは嫌なのだけども、原因は間違いなくあの魔力測定でしょうね。
ダン!音を立てて席を立ち、シエル達に「帰るわよ」と伝えた。
「あ、ちょっとまって」と言いながら3人は教室を去って行った。
コツコツと下駄を鳴らしながら帰宅する……。
辺りは学生たちがあふれかえっていた。
各自各々、友人を作り飲食店や遊戯場で遊んでいるようだった。
昔はあんな風に遊んでいたな……まぁ、孤独でだったが。
そんな様子を眺めていると肩を軽く叩かれた。
振り返るとシエルが「遊ばない?」と誘ってきた。
「遊ぶって……」
遊ぶのか……姉以来、他人とのコミュニケーションは避けてきたのだが……。
「良いのではありませんか?」
どうしようかと思い悩んでいたが、意外なところから聞こえてきた。
「ハーツ。意外ねぇ、そうゆうの嫌だというと思っていたのだけれど」
ハーツのイメージは堅苦しいと感じたがそうゆうところもあるのか。
「いいわ。久しぶりに|アーケード(AC)ゲームをやりたかったし」
そう言いゲームセンターの中に入った。
◇
少し奥のスペースで満足そうに、頬をゆるめる少女と机に顔を埋める少女
「強すぎるよぉ。最初は勝ってたのに」
「まぁ、最初操作わからなかったし、あとは慣れれば……ね?」
明らかにしょぼくれているシエルを、どうしたもんか……と思っていると。
「皆様。お疲れのご様子。私がお飲み物を持って来ます」
その発言を聞き、私も行くわとハーツの後ろに続いた。
え?と勢い良く立ち上がり待ってと言いながらシエルも続いた。
自動販売機の前に立ちディスプレイに表示されたボタンを押すと、チャリンと言う効果音と共にジュースが出てきた。
「便利になったものね。硬貨入れないだなんて」
と受け取りながらサクヤは口を開く。
「えぇ、そうですね。デバイスが勝手に引いてくれるので、種類と個数を決めれば勝手に出て来ます」
電子マネーの代わりもしているのか?
それにしても便利だ。
チャージされている金額は常に視界の右下に表示され、購入履歴も見れる。
そしてAIが仲介しているので脱税も出来ないと。
と、その時だ。
いきなりシエルが勢い良く顔上げ周りを見回し始めた。
ピクリと耳を動かしサクヤに手を取り「来て!」と。
「え?ちょ……ちょ、止まって一回説明してくれない……っ」
その時、微かに少女の悲鳴が聴こえて来た。
「厄介事に毎回ツッコミ過ぎですね」
「エルフ(わたし)より貴女のほうが聞こえるでしょ!ウサミミで」
触らぬ神に祟りなしですよトラブルウーマン、と言い争いをしていると会話がハッキリと聞こえる範囲まで接近した。
「っ……あ……ぁあ…………」
「うるせーよ。お前みたいDCは真人間の俺達の為に作られたんだろうが」
「ふはっ、刻みつけてヤル教訓をぉ。真人間の恐ろしさを教えてやるッ!!」
男は懐から大型ナイフを取り出し、蹲る少女に振り落とした。
いや、そうとした。
パキンと振り落とそうしたナイフが根本から抉れている。
男達が視線を階段に居る、ボウガンを構えた少女……シエルに向けるのは必然だった。
「!」
蹲っていた少女は転びながらも走りさっていた。
「な、てめっ……っ危な」
「ちっ……ただイキってるだけのやつじゃ無いのね」
格好の的の男に、サクヤは武装デバイスを起動した。
瞬時に槍が形成され太ももに突き刺そうとしたが、すんでの所で回避されてしまった。
少女が去っていた方向にチラリと視線を移すが、直ぐにこちらに戻し。
「ち、面倒な。引くぞ」
と、懐からボールを取り出し地面に叩きつけた。
ボンと白い煙が当たりを包み込む。
「こほ……うぇ!」
「吸い込むな、毒ガスの可能性があるわよ」
瞬時にシエルの口を塞ぎあたりを警戒する。
しばらく経つと煙は晴れ、静かになった。
「退路確保の意味無かったのでは」
と、言いながら後ろからハーツが出てくる。
一様ねと言いながら男らが去って行った方向を見る。
DC……ね……。
何が起こっているのかしら。
と、思いながら帰路に着いた。




