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ギルティなギルロッテ様  作者: 月迎 百
王国の王子
9/34

9 目撃と救出

どうぞよろしくお願いします。

 植物園のシンボル的な巨大温室の中を見学し、池のある庭園の方へ出てくると、池のそばのガゼボを見つけて、そこで昼食を食べることにする。


 シャルロッテもいつになく、声を上げて笑ったりと心が弾んでいる様子が見られ、そんな友の姿を見るリアーナもうれしそうだ。


 そのリアーナを見ているエドワード。


 その時、リアーナが池の方を振り返った。

 立ち上がり、真剣な表情で視線を動かしている。


「リア?」


 シャルロッテが呼びかけると「お嬢様、ちょっと見てきます。ルーベルト様、お嬢様を頼みます!」と言うなり池の方へ走り出した。


 エドワードが慌ててリアーナを追って走り出した。


「どうした?!」

「子どもの……、助けを求めるような泣き声が聞こえたような……」


 リアーナは池の端にたどり着くキョロキョロ見回し、1点に目を留めると「何やってるの!!」と叫んだ。


 エドワードがそちらを見ると、小さな男の子が男に突き飛ばされて、池に突き落とされたところだった。


 男はこちらを一瞬見て、その場から逃げ出した。


 リアーナは子どもが落とされた所まで駆け寄ると躊躇なく池に飛び込んだ。


 もがく子どもを引き寄せたが、思ったより深かったようで、ふたりで水面でもがき、岸に寄ってくることができない。


 エドワードも素早く静かに水に入ると足の着く場所を確かめながら近づき、リアーナから子どもを抱き取り左腕に抱えると右手を伸ばしてリアーナの左手を掴み岸へ上がろうとする。


 子どもとリアーナを岸に押し上げた。

 リアーナがエドワードが這い上がるのを手助けする。


 無事に岸に上がることができると、子どもを真ん中にしてふたりは思わず抱き合った。


 異変に気がついた周囲の人々が集まって来てくれ、リアーナや子どもに声をかけてくれる。

 その時、悲鳴を上げて走り寄って来た女性が子どもを抱きしめた。


「ジョン!! 無事でよかった!!

 マイアになんて言えばいいかと……。

 助けていただいて、ありがとうございます!」


 その女性は貴族らしくそばにお付きの女性もいる。

 ジョンと呼ばれた5~6歳くらいの少年はわっと泣き出し、その女性に縋りついた。


 女性の夫らしい男性も来た。


 リアーナが説明する。

「私達はあそこのガゼボにいて、子どもの助けを求めるような泣き声が聞こえた気がして、池まで見に来ました。

 するとここで、男がこの子を池に突き飛ばして」

「男は私達を見ると、あっちの方へ走って逃げました」

 エドワードが男が走り去った方角を示しながら続けて言った。


 リアーナはエドワードを見て頷いた。

 エドワードが言った。


「治安警備局に連絡された方がいいと思います」

読んで下さりありがとうございます。

これからもどうぞよろしくお願いします。

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