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ギルティなギルロッテ様  作者: 月迎 百
求めるもの
25/34

25 隠れる理由

異世界ですが魔法はなく、何となくイギリスのヴィクトリア時代後期の世界観で書いています。

恋愛&ちょこっとミステリーな話になればいいなと思います。

お付き合いいただけたらうれしいです。

どうぞよろしくお願いします。

 ここはアルトール辺境伯爵領にある、辺境伯爵の屋敷。


 リアーナが6歳の女の子ダイアナと3歳の男の子マークと一緒に広い野原のような庭で遊んでいる。


「リア!! 見てて!」

 ダイアナがくるくると回ってからその場にひっくり返る。

 リアーナは慌てて駆け寄った。


「お嬢様!」


 ダイアナはリアーナが自分を抱き起そうとしてくれるのがうれしくて大きな声で笑い、マークがリアーナに抱きついて3人でひっくり返る。


 リアーナは両側に子ども達を抱えたまま、寝転がって空を見るとみんなで大笑いした。


 ダイアナがリアーナにぎゅっと抱きついて行った。

「リアはいつまでいてくれるの?」

「まだ、しばらくはここにいますよ」

 

 リアーナがここに来てすでに2週間が経っていた。

 



   ☆ ☆ ☆ 




 お茶会から帰ってくるなりシャルロッテにアンドリュー言われたこと、エドワードに対する思いを打ち明け、祖父母であるファーマソン子爵家へ行こうとするリアーナにシャルロッテは言った。


「リア!!

 少しだけ待って!

 エドワードとは会わないようにするから……。

 アンドリューのことを考えると、ファーマソン子爵家にも何かしてくるかもしれない……」


 次の日の午前中、商会の仕事でメリメ伯爵家に行く約束をしていた。

 伯爵と夫人はリアーナとエドワードとも親しい。

 そこでローエングリン家であったこと、エドワードのことでリアーナが嫌がらせを受けていることを打ち明けた。

 メリメ伯爵はエドワードの王家での立場とグリース公国の公女との婚約話が出ていることを認めた。


 シャルロッテはローエングリン公爵家からリアーナを守るために、匿ってくれるところはないかと相談した。


 そこでアルトール辺境伯爵が辺境伯爵領で子ども達の世話をするメイドを探していることを教えてもらったのだ。

 メリメ伯爵とアルトール辺境伯爵は幼馴染なのだそう。

 だから、ジョンの母である辺境伯爵の妹マイアのことも良く知っていたのだ。


 メリメ伯爵と夫人はすぐに手紙と紹介状を書いてくれ、午後、辺境伯爵の王都の屋敷に訪問できるように取り計らってくれた。

 もちろん、ローエングリン公爵家からお互いを守るために、誰にも言わない教えないという約束で。


 アルトール辺境伯爵は6歳の女の子と3歳の男の子の父親であり、1年前に妻を亡くしていた。

 ちょうど今、王都の方に出て来ていたのだ。


 メリメ伯爵が『ローエングリン公爵家絡みの事情』とざっくりまとめて手紙に書いていたので、辺境伯爵は申し訳なさそうに内容を聞いてきた。


 シャルロッテがお茶会で起こったこと、リアーナに対するローエングリン公爵家令息と令嬢の動きが読めず、とりあえず身を隠させたいのだと説明した。


「そうですか……、では彼女に対する問い合わせがあったら全て遮断すればいいのですね?」

「ヒューバート家とメリメ家、それとカッシーナ公爵家から問い合わせがあった時は……対応をお願いします」

「カッシーナ? 宰相の?」

「はい、カッシーナ家のルーベルトと私は婚約しています。

 リアーナも彼のことは信用しています。

 私が動けない時は彼に頼むこともあると思いますので……」

「……。

 リアーナさん、我が家で働くに当たって、この屋敷の様子もぜひ見て下さい。

 頼むよ」

 辺境伯爵が執事とメイドに声をかけると、メイドがリアーナを案内して客間から出て行く。


「何か他にも?」

「ありがとうございます……。

 実はリアーナにはお互いに思い合っている人がいます。

 ルーベルトの友人です。

 リアーナは今回のことで彼をあきらめようとしています……。

 彼がどうするかは、私にはまだわかりません……。

 もし彼が、リアーナを思い続けるなら、私は応援してやりたいのです」

「なるほど、もしカッシーナ公爵家から問い合わせがあったら、リアーナのことは伝えていいのですね」

「はい、リアーナには私から彼には伝えないと約束していますが……」

「わかりました。

 重大な案件ですね。頑張りましょう」


 歳の離れた兄のような雰囲気のアルトール辺境伯爵は微笑んでそう言ってくれた。


 辺境伯爵は明日の朝、領地へ出立するということで、リアーナはこのままこの屋敷でお世話になり、そのまま領地へ同行することになった。

 

「リア、辺境伯爵家に到着したら、メリメ家にいるジョンに手紙を書いて!

 夫人から私に伝えてもらえるから!」

「わかりました。

 お嬢様、しばらく離れたら、私も忘れられると思うので……」

「……本当に、忘れられると思う?」

「それは……」

「無理に忘れることはない、と私は思う」

 シャルロッテはリアーナを抱きしめた。


 ヒューバート伯爵邸にひとりで戻ったシャルロッテは父である伯爵に、リアーナを信用できる他家に手伝いに行かせることになったと説明し、明日、ファーマソン子爵家に一緒に行ってくれるように頼んだ。


 ファーマソン子爵家でローエングリン公爵家から、子爵家を継ぐ予定の三男アンドリューからリアーナに結婚の申し込みがあったことを聞く。

 

 そこでお茶会でローエングリン公爵家とのトラブルがあったことを話し、リアーナの安全のために身を隠したことを伝え、結婚話はやんわりと断るようにお願いする。


 帰りの馬車でヒューバート伯爵はシャルロッテに聞いた。

「こうなることを予想して動いていたのか?」


 シャルロッテは頷いてから苦笑いした。

「アンドリューがリアに、エドワードの身分や他国の公女との婚約話があることまで言うとは思わなかったけど……」

「では、身を隠したのはエドワードのこともあるんだな?」

「ええ、リア自身がエドワードから離れないと平静を保てないと、辛そうだったから……」

「わかった。

 ではエドワードとルーベルトにも内緒だな。

 と言っても、私にも教えてくれないから言いようがないが……」

「ええ、でも、私、エドワードに必死になってリアを探して欲しいの……」

「エドワードの気持ちが本物なら、そうしてくれるだろう……」

「だから、私はエドワードにとっては、リアを隠す悪役になるわ……」

読んで下さりありがとうございます。

あれ、なかなか長くなってきている?

さすがに前作の100万字は越えないように……。

そろそろおしまいに向かって考えます~。

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