特別授業 しくみ
4月8日 月曜日 9時22分
新学期最初の行事と言えば
やはり身体検査だ
「170.4cm!はい次」
(ほぉー…大分伸びたな約10カ月で5cmか
体重は70kgやったからちょっと重いけど
毎日トレーニングと強制的なサイクリングしてるし、この身体の食欲は止められへんで!
ハッハッハ)
その後
座高や垂直飛びに上体反らし等
様々な検査を終えて
少し余った腹の肉をポンポンと
叩きながら体育館を後にした
ガヤガヤといつもよりも騒がしい教室
それもその筈
今は男子のみが教室に残った自習の時間
その状況でまともに自習をする男子中学生が多い訳も無く
騒がしい状態のまま時間は過ぎて行く
そんな中…
1人で机に向かい黙々と
春休みの宿題をこなすアタル
(ホンマに毎回毎回この漢字の書き取りだけはどないかならんのかいや……
何ちゅうか宿題というより作業なんよなぁ)
「神崎何やってんねん?」
話し掛けて来たのは当然の如く三田
隣には知らないヤンキーを連れている
「ん?宿題や宿題春休みのな」
「はぁ宿題?そんなもんやらんかったらエエやんけほっとけや」
「いや授業中ヒマやんけ、それやったらその時間にやった方がうるさい事も無いし丁度エエがな」
「神崎って真面目なんか悪いんかようわからんな……相変わらず」
「何言うてんねん!めっちゃ真面目や
ただ春休み中は忙しかったんや色々な」
「そうか…まぁエエねんけど…
なぁ測定用紙見してくれへんか?」
「測定用紙?別にエエけど…ホレ」
そう言うと先程の記録が書かれた用紙を
差し出した
それを受け取り
隣のヤンキーと共にじっくりと眺める三田
(何やコイツ…人の数値なんか見てどうすんねん…意味がわからん)
「神崎お前!…51もあんのか!?」
と突然声を上げる三田
「51ぃ?そんな項目あったか?何やそれ」
「握力やんけ!右手51もあんのか!?」
「あぁー…何かそんなんやったな
平均知らんからわからんけど…凄いんか?」
「いや俺も平均とか知らんけど今のところ
ぶっちぎりでトップやぞ!最高が41や」
「そ、そうか……
よぉわからんけどありがとう…
いやお礼言うのは変やな…」
溜息を吐きながら用紙を返す三田
「ハァー…エエなぁ神崎は喧嘩は強いし
背は高いしな」
そんな溜息に溜息で返すアタル
「ハァー…お前なぁ……俺はお前が羨ましいわ」
その言葉に怒り出す三田
「何でやねん!俺がチビやからってバカにしてんのか!!」
(何キレてんねん…ホンマの事やのに
しゃーないわオッサンが説明したろ)
「ハァ…あのなぁ三田…
こんなもん後4年もしたら何の価値も無くなるわ……
今だけや今だけ格闘家かプロスポーツ選手でもならん限り役に立たん事なんや
わかってるか?」
「ど、どういう事やねん!?後4年?」
「せや説明したるわ よぉ聞いとけよ?
喧嘩強いからいうてもな喧嘩する機会なんか
18過ぎたら殆ど無いんやで?
人殴ったら暴行罪
怪我さしたら傷害罪
今は未成年やから喧嘩して怪我さしても大した罪にはならんけど
18過ぎたら一気に重なって20過ぎたら完璧や
訴えられて金取られた挙句犯罪者や」
「で、でも何で俺が羨ましいねん!
背は18なっても役立つやんけ!」
「アホか俺が言うてんのはトータルの容姿や
俺は自分がブサイクやって自覚してるからな
三田お前は男前では無いけどブサイクでも無いやろ…俺はそれが羨ましい言うてんねん
よぉ考えてみぃや
背の高い太めのブサイクと
背が普通で顔も普通の男
知らん人がパッと見た時どっちが印象エエと思う?」
「………どっちやろ?…」
「ハハハそんな急に静かになんなや
それが答えやんけお前もわかってるんやろ?
答えは普通の方や、俺に気使ってんのか?
大丈夫やから最後まで聞け
そんなもんな口では言わんだけで
皆んな分かってんねん
だから雑誌のモデルなんか男前しかおらんやろ?喋りで挽回出来へん第一印象が勝負の仕事はそれが大事やからな当たり前やで
容姿と喋りと金と頭と地位
50点満点で言うたら俺は
ブサイクで喋りはまあまあで貧乏で頭は普通
地位は公立の中学生で26155の19点
これが三田やったら55545の24点や
悪いやつでも生きていけんのはな
この数値が高いからや
三田心配すんな俺よりお前の方が点数高いわ
羨ましいこっちゃで」
「そ、そんなん……数字なんかで何がわかんねん!まだ中学生やねんからわからへんやんけ!」
「あれ?おかしいな……さっき測定用紙の数字で羨ましい言うてたんは誰やったっけ?」
「あっ…」
「ハッハッハ冗談や冗談!三田…どうや?
数字なんか大した事無いやろ?
握力強いとか背が高いとかそんなもんに
大した意味なんか無いんやで……たぶんな」
「…ハァ…どこか喋り6やねん…8はあるやろ」
「アホか!喋り8もあったら今頃は
怪しい壺とか印鑑売って金持ちなってるわ
人を詐欺師みたいに言うな!」
「頼むからそんな仕事すんのはやめてくれや……」
(まぁな…この点数を冗談と取るか本気に取るかは……どっちやろなハハハ)
再び宿題を続けるアタル
そんなアタルの前で三田とヤンキーが会話をしていた
「しかし…女らは何やってんやろなぁ?
もう15分は経ってるやろ…テツオ何か知ってるか?」
「いや知らんなぁ…何か視聴覚室行ったらしいけど」
その言葉を聞きアタルのペンが止まる
「三田…それから隣のは誰や知らんけど
お前らホンマにヤンキーか?何でわからんねん……」
そう言うと即座に反応する隣のヤンキー
「いや自己紹介の時おったやんけ!
水村や水村 哲夫!今まで知らんかったんかい!」
「そうやったか?スマンな名前覚えんの苦手なんや水村哲夫な、よし覚えた
じゃあ席戻ってくれ」
「いや待てや!さっきの教えてくれや!
女ら何してんねん?知ってんやろ?」
「あ?まぁエエか…っていうか何で知らんねん決まってるやんけ性教育や性教育
生理の事とか子供がどうやって出来るとか
そんなんや多分な」
「はぁ!?性教育!?ホンマか!!?」
「デカい声出すなや嘘ついてどうすんねん」
「ちょっと待てや何で女らだけやねん
俺らもいつかやるんか?」
「アホか…俺らは種やろが産むのは女や
女の方が負担デカいし重要やから女がやるんや…お前は生理も出産もせんやろうが」
「そ、そらそうやけど…た、種って…」
何かに気付いたアタル
「ちょっと待て三田……ひょっとしてお前等
……やり方知らんとか言わんよな?……」
「えっ!!?や、やり方って!な、何のやねん?」
(嘘やん……学校で習わんかったっけ?……
俺はしょっちゅう休んでたから習ってないだけや思てたけど……まさか……)
「何って…お前なぁ…セックスやんけ
知ってるやろビデオぐらい見るやろうが
男しかおらんのに誤魔化すなや面倒臭い」
「……いや…そら知ってるけど…」
ここでアタルから衝撃の質問が飛ぶ
「三田ほんで水村お前ら正直に言えよ?
お前ら裏ビデオ見た事あるか?これは本気で聞いてるからな」
それを聞いた三田が思わずツッコんだ
「…ほ、本気って何やねん!」
しかし隣の水村が冴えない表情で答える
「俺…無いわ…」
(やっぱり…この時代は中学生が簡単にネット使える時代ちゃうからな……
よし黙ってる三田はほっとくか
水村は真剣に悩んでるみたいやし)
水村に更に詳しく話を聞く事に
「そうかわかった…水村お前彼女は?」
「……お、おる…」
「やったか?」
耐え切れず止めようとする三田
「か、神崎!」
しかしアタルは認めない
「黙れ三田
これはな水村の人生でかなり大事な事や
俺は茶化す気なんか一切無い、どうや水村」
「まだ……無い…」
「そうか……水村ハッキリ言うわ…
お前は今かなりマズい状態や」
「やっぱりそうか!?」
「お前も気付いてるんやろ?
ぶっつけ本番で上手い事いくか不安やろ?
断言したる成功確率は20%やな」
「ど、どうしたらエエねん!」
「心配すな俺が75%まで成功する確率を上げたる、後はお前がその時なって勃つかどうかや」
「ホンマか!?頼むわ!!俺…悩んでんねん」
「よし…ほんで三田 お前はどうする?
聞くか?恥ずかしいからやめとくか?
水村は真剣に悩んでんや…横で茶化す奴は要らんぞ
でもなハッキリ言うて聞いといて良かったなって絶対思うわ、どうする?」
「……聞くわ…頼む…」
「よしほんならまずはゴムの付け方からや…エエか?先っぽにある…………」
20分後
「わかったな?
つまりお互い初めてやったらどうもならんやろ?だからお前らが知ってたらスムーズに進むわけや、水村安心せぇ…こんだけ知ってたら大丈夫や」
「あ、ありがとう神崎……
俺ホンマに悩んでたんや……
先輩とかにも聞かれへんし誰も教えてくれへんから…頑張って色々探したんやけど
よぉわからんし…ホンマにありがとう」
「気にすんな 頑張れよ応援してるぞ!
わかったか三田 お前があのまま挑戦したら
間違い無く失敗してたやろ?」
「い、いやそうやけど…何回かやったら
自然に覚えるんちゃうんか?…」
甘い三田の考えを切り捨てるアタル
「残念やったな、初体験が失敗してそのまま別れるカップルは多いんやで?
ほんで女同士で集まって言われるんや
[彼氏としようとしたら失敗してやー
めっちゃダサかったわー]とかな
付き合ってるからって何回もチャンスあると思ったら大間違いやぞ!悔い改めろ!」
拍車をかける水村
「そうや!俺なんかキスするまでに1カ月掛かってんぞ!舐めんなよ!」
「す、スマン……」
そんな反省の声が印象的な一日であった
詳しく書くと間違い無く削除されそうなのでご容赦ください




