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回胴式優義記  作者: 煙爺
第一章
53/171

大勝の夢

10月8日 日曜日 9時50分


雲一つない秋晴れの空の下

今日もU店裏口に到着

列の先頭にいる人物を見てドキッとするが

それを気付かれない様に

いつも通りの声を出し

前に並んだ常連のオジさんと

挨拶がてら他愛も無い会話を始めた

「おはようございまーす…あれ?今日は先頭知らん若い人やな…」


タバコを片手にニューパル常連のオジさんが

返事を返した

「ニィさんおはよう、そやねん珍しいやろ?新装でも無いのにな」


「ホンマや、ここは普段あんまりモーニングも入って無い店やのに…珍しいなぁ」

何事も無いように返事をするアタル

しかし心の中は誰よりも騒ついていた


(遂に来たか手入れの判別試しに…

この店のニューパルは特に稼働が高いから

出てる様に見えるしエエ台あると思たんやろ

本持ってるし…間違いないな…)


昨日遂にニューパルの手入れ判別が発表

アタルは昨晩じっくりと本を読み

その事実を受け止めていた

(落ち着け…来たもんはしゃあない…

今の俺が出来んのは

あのニィちゃんの動きをチェックしつつ

コンドルを打つ事だけや

本持って判別来る様な客にハズシ見られたら

絶対真似される…気いつけんと…)


9時57分入店の時間となり

前に並ぶ客達が次々と店に入って行く

暫くしてアタルの番となった

店に入りコンドルのシマへ向かいながら

横目でニューパルを確認すると

いつも通り満席のニューパルのシマで

先頭の若い客は予想通りの角台に座っていた

(やっぱりな…でもそんな簡単にこの店のニューパルで56掴めると思ったら大きな間違いやでニィちゃん)

そんな事を考えながら

ガラガラのコンドルのシマへ行き

昨日も座った312番台へと腰を下ろした

出目はいつも通り昨日のままだ

(さてニューパルの事は一旦置いといて自分の台回さんとな…このコンドルもいつまで持つか分からんし勝てる時に勝っとかんと)


「はい、どうぞー」

店員の合図と共に音楽が掛かり一斉にモーニング台が当たり始めた

アタルも一旦頭を切り替え自分の台を回し始める

いつも通りリールはスッ…と回り始め

ほぼ据え置きが確定

初当たりは投資1000円

僅か11ゲームでREG

(おっ!……早いと思ったけどいつも通りやなハハハ)

しかしここからいつもとは違う展開を見せる

次の当たりは完全に気を抜いていた

28ゲーム目

カラリッと青テンからBIG

更に次は18ゲーム

また青テンから今度はREG

更には75ゲーム

またまた青テンからBIG

開始15分いきなり下皿満タンの状態に

(おい何や鳥さんエラい調子エエやんか)

その後は

105 REG

173 REG

126 BIG

53 BIG

と来て開始1時間で箱を使う絶好調な展開

(よしよし このまま頼むで)

ふとニューパルを見ると角台にランプが点き

BIGが当たっている様子

(おっ、たぶん今から初判別やな…)


今まで誰も使っていなかった判別を

見ず知らずの他人が使う

そう考えると何だか複雑な気持ちになった…

(俺が編み出した方法ちゃうし…

こうなる事は分かってた…でも何か…複雑やな…受け入れんとな…)


そんなモヤモヤした気持ちが移ったのか

22ゲームBIGの後300ゲーム程コインを減らし結局329ゲームでREG

(アカンアカン集中や集中)

気持ちを切り替える様に打ち始める

するとすぐに66ゲームで斜め青7テンパイから右下赤ゲチェナが止まり見事BIG

コインが元に戻った

(ハハハ何か今日はシンクロしてるみたいやアカンアカン変なオカルトやめとこ)


そしてそこから154ゲーム回し

時刻が12時になった頃、事態が動きをみせる

ニューパルの角台に座っていた若い客が席を立ちウロウロとホールを徘徊し始めたのだ

どうやら判別が落ちなかったのか

何度もニューパルのシマを行ったり来たり

次の台を判別したい様子が手に取るように伝わって来る

しかし….…

(この店のニューパルは大人気や

一回狙い外したらそう簡単に次の台には移れんで…たとえ空いたとしても大概は…)

そんなアタルの気持ちを察するかの様に1台のニューパルが空き台となる

すぐに座る若い客

(そんな2時間でBIG3回の台に飛びつかんでも…しかもその内1回はモーニングやで)

昼食のサンドイッチを食べながら台を回し

横目でチェックしていたが暫くは大丈夫と判断し自分の台に集中することに

まだまだ台の調子はいいようだ

181 BIG

67 BIG

98 BIG

72 REG

74 BIG

17 REG

と続き出玉を一気に3000枚程度まで伸ばした

ここまでBIG12 REG8 時刻はまだ13時だ

(はぁーやるなぁ312番台…)


だがここで一旦ストップ

次の当たりは1000枚程減らした

653ゲーム


カルリッ


っと漸く上段にテンパった青7からBIG

(まぁ調子良すぎたな1000ハマらんかっただけでも上出来や)

そこからはジワジワと元に戻る展開へ

139 BIG

206 REG

165 BIG

117 BIG

と来て完全に元の3000枚に戻り

時刻は15時を迎える


ふとニューパルを見るとまた別の台に移り

判別をしている様子

アタルが見る限り恐らく4台目

かなり負けている様に見え、顔色も悪い

(まぁそうなるわな…)

三度自分の台に向き直り打ち始める

90 BIG

60 REG

539 BIG

と来てコインを減らし

そこから

103 BIG

83 BIGとまた増やすも

44 REGでまた減らす

(何んやねん…ガッと減ってすぐに戻して結果ちょい増えやな…ということはこの後も…)

するとアタルの予想通り

58 BIG

4 REG

36 BIGとまたすぐに戻し

結果出玉は約4000枚と2箱目に手が届いた

(今日は2箱目いくの早いな、さぁ頑張ろか)

17時少し前 BIG22回 REG12回と絶好調

その後

46 REG

245 REG

136 REG

と少しコインを減らし

215ゲームで引いた23回目のBIGを消化しようとしたその時


右手側の通路端に人が立ったのがわかった

パッと見るとそれは先程までニューパルを打っていた若い客

(来たな!)


どうやら出ないと評判のコンドルで2箱目に手が掛かるアタルが気になり見に来たようだ

(誰が見せるかボケェ!特にBIG中はな)


若い客と目を合わせ

全く逸らそうとしないアタル

上から下までを睨みつける様にジロジロと視線を動かしBIGも消化しない

すると若い客はすぐに視線を逸らしパチンコのシマへと消えて行った

(悪いけどこっちも生活掛かってんのや

そう簡単には見せへんで)

若い客を確認しつつBIGを消化するアタル

無事BIGが終わったところで一度席を立ち

遠回りでトイレに向かい店全体を見渡したが

若い客の姿はもう見えない

(帰ったかな…いやまた戻って来るかもしれんし通常時はロータリーで打とか)

その後はバレにくいロータリー打ちに切り替え、BIG中は細心の注意を払い消化する事に

28 BIG

92 BIG

238 BIG

5 BIG

214 BIG

(おいおい凄いな この勢い)

35 REG

56 BIG

234 BIG

145 REG

(まだいくか…)

流石にそろそろ落ち着くかと思われた

バケ終了後2ゲーム目


カルリッ


と青テンそして当然の様にBIG

(ホンマかいな…凄すぎやろ)

しかしまだこれは序章に過ぎなかった

79 BIG

91 BIG

67 REG

66 BIG

3 REG

(これで100ゲーム以内6連やで!?)

59 BIG

89 BIG

60 BIG

(7連…8連…9連ハハハやり過ぎやろ…)

流石に次は来なかったが

何と100ゲーム内9連をかまし

一気に推定7000枚オーバー

4箱目が目前となった

しかし流石に連荘は限界だったのか

次は373ゲームでBIG

それでもジワジワと増え始め

7 BIG

120 REG

152 BIG

13 BIG

112 REG

(アカン……こら4箱目や)

とうとう出玉は8000枚を越え4箱目に突入

時刻は21時47分

(まさかコンドルで万枚か!?)

万枚を意識し始め更に打ち続ける事1時間


出玉は……約7500枚となり閉店となった


あの後571ゲームでREGを引きコインを減らし、最後に339ゲームでBIGを消化し終了

それでも3箱満タンと8割程入った箱を持ち

コインを流した


ジャザーザーッザーッザーッ……カラカラ…

ピッ…と表示は7498


本日の収支

総投資1000円

回収98600円トータルプラス97600円

8306回転 BIG43回 REG21回 7498枚

(万枚の夢見れただけでも大満足や

A400やからなハハハ)


結局あの若い客は戻っては来ず

あのまま帰ったようだった

(あのニィちゃんも判別で夢見たんやろうけどそんな甘ないでいうこっちゃな)


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