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回胴式優義記  作者: 煙爺
第一章
44/171

大きなキッカケ

台風の影響で投稿が遅れました

申し訳ありません

9月7日 木曜日 11時34分


カッカッ…カリカリカリ……


静かな空間にペンを走らせる音だけが響く

1年4組の教室

その1番後ろの席で漢字の書き取りを一心不乱に続けている

(しかし何やねやろな

この漢字の書き取りっちゅうのは…

正に時間かける為だけにあるような宿題やで…たまらんわ)

そんな時


キーンコーンカーンコーン


と3時間目の授業終わりの鐘が鳴り

学級委員の斉木君が号令を掛ける

「起立…気をつけ…礼!ありがとうございました」


休み時間になり 皆が談笑や予習を始める中

アタルがその手を休めることは無かった

ひたすらに単純な作業を進めていく

(何とか今日学校おる間に終わりそうやな…

これ終わったら後は読書感想文だけか

まぁ余裕やろ)

4日からこの7日までの4日間

給食以外の時間を全て夏休みの宿題を消化することに当てていたアタルは

明日までにその作業を終わらせるべく

ペースを更に上げ始めた

(別に汚かっても間違っとっても答えが埋まっとったら問題無いやろ

宿題なんかやらんつもりやったけど

よぉ考えたら抜き打ちの家庭訪問でもされたら不味いからな…)


キーンコーンカーンコーン


4時間目始まりの鐘が鳴り

社会の時間が始まってもアタルは漢字の書き取りを続け4時間目の終了時間ギリギリで

書き取りを終えた

(よっしゃ!後は感想文だけか

まぁ400字程度やったら10分で終わるわ

昼休みにチャチャっと書こか)


4時間目が終わり給食の時間になった

しかし……

(はぁ…今日も来たかこの時間が…)

普通なら待ち望んでいた給食の時間が

現在のアタルにとって悩みのタネになっていた

何故なら……


「ほ、ほんなら班なろか」


「そうやな…か、神崎君はどうする?」


この雰囲気になるからだ……

授業が始まって今日までの4日間

完全に変な気を使われていた

しかもそれは生徒だけではなく

先生にまで及んでおり

2組の担任で

国語担当の女性教師である広口と

このクラス担任の松センは特に酷く

松センに至ってはまずアタルと目を合わせようとすらしない

HR中もアタルだけは何をしていようと完全に無視している

(松センはどーでもエエけど生徒は関係無いからな…なるべく優しく話してるつもりなんやけどなぁ)


「あ気にせんといてや 食い終わったら

すぐ戻すんやからそのままでエエよ」

そう言うと他の3人はホッとした顔をして

机をくっ付け給食を食べ始める

(アカン…なんとか打破したいけど…

難しいなぁ)

一方で1人そのままの机で給食を食べるアタル完全に孤立している


そんな状況を覆せないまま

今日も給食を食べ終わると

カバンの中から自家製サンドイッチを取り出し更に食べ始めた

(こんな量では足らんで 栄養士さん)

そしてそれも食べ終わったところで

最後の宿題である読書感想文に取り掛かる

(えーと…この作品を読むと一見生きる為には何をしてもイイという捉え方をしそうになってしまうが………)


「あの…」


(実はそうではなくそこには初め葛藤があるように見え…)


「あの神崎君!」


(うおっ!何や)

急に話し掛けられ内心焦るアタル

話し掛けて来たのは先程の女子生徒

同じ班の子だ

なるべく優しく話し掛ける

「どないしたん?何かあった?」


もの凄く言いづらそうに話し出した

「うん…あの…明日の調理実習なんやけど…」


「えっ…そんなんあんの?」

(うわ 何か昔もあった気するけど全然覚えてないわ…多分何も用意出来んと休んだな)


「始業式のプリントに書いてあったんやけど

ゴメンなさい!!もっと早よ言おうと思ったんやけど…時間無かって!」


段々と泣きそうになりながら話す女子を

慌てて宥め話題をズラす

「いやゴメンな俺が放課後サッサと帰るからな、俺は納豆以外やったら何でもエエよ

何か決まってるメニューとかあんの?」

(おい泣くなよ!絶対アカンで!完全に終わるからな!)


普通に返事と質問を返された事で泣きそうに

なるのをやめ、質問に答える

「えっ…ええと時間が45分で…

材料費は1人1000円までのお好み焼きやねんけど……」


(危な…何とか堪えてくれたか…)


「1000円?エラい高いなぁ…それやったら

ステーキとかでエエんちゃうの簡単やし

4人で4000円やったらエエ肉買えるで?」


また泣きそうになる女子

「ご、ゴメンなさい…メニューはお好み焼きで決められてるから…」


「あっそうなんや ほんなら何か俺がすること

ある?イカとキャベツぐらいやったら家にあるけど豚肉は無いで」

(おい泣くなって!思春期全開やなこの子は…オッチャン疲れるわ)


協力的な態度のアタルに戸惑う

「えっ…あ、あの…ざ、材料って何いるかわかりますか?」


(何で敬語やねん…)


「えーとメリケン粉にダシ粉

キャベツとネギと豚バラに卵と天カスと紅ショウガ後はソースとマヨネーズ鰹節に青海苔ぐらいやけど…

イカとかエビ入れたり、チクワとかキムチ

明太子とか餅チーズ入れたりすることもあるで…後はソバ入れてモダン焼とか

どうする?」

(いや材料知らんのかい……でもそうか中1やもんな)


矢継ぎ早に材料を言われ

焦ってノートを取り出す

「す、凄い詳しいね……あ!め、メモするから もう1回お願いします…」

(いや だから……まぁエエわ)


「あーほんなら俺が買って来るから

皆んなは調理器具持って来てや

そんでエエやろ?」

(どうせ今日スーパー行くし丁度エエやろ)


「えっ?神崎君が!?なんで!?……あっ!ゴメンなさい!」


「いやなんでて…今日は丁度スーパー行く予定やったからついでやしな

その代わり皆んなは調理器具と

皿とか割り箸持って来て欲しいねん

ウチはあんまりそんなん無いからな

どうや?…」


「か、神崎君がいいんやったら私はそれで良いけど…皆んなは?」


ここで黙っていた他の2人にも話しを振ると

慌てて答える2人

「えっ?ぼ、僕もそんでエエよ!」


「わ、私も!」


(いや君らなぁ…何か恐怖政治の独裁者みたいやんか…やめてやホンマに…)

「そうかほんなら材料混ぜるボウルと泡立て器にコテ…は無いやろうからフライ返し

紙皿と割り箸に

あとマナ板とフライパン頼むわ いける?」


「う、うんわかった後は私らで話し合って

何持って来るか決めるから…ありがとう」


「そうか…ほんなら1人1000円な」


そう言うと一瞬 空気が凍りつく


(えっなんで?1人1000円ちゃうの?

さっき言うてなかった?あら?)


「さっき材料費1人1000円て言うてなかった?…もしかして今日持って来てなかったか?」


そう言うと3人は誤魔化すように笑いながら

お金を取り出した

「あっ…そ、そうやんなハハハ…」


「は、はい ほんならお願いします」


「あ、ありがとう神崎君ハハハ」


ここでアタルも気付いてしまった

(あっ……ひょっとして…この子ら…

材料費以外で1人1000円出せって言うてると思ったんか…

カツアゲすると思われてるやん…

ショックやわー……)


その後 気まずくなった3人は机を付けたまま明日の役割を話し合っているようで…


(ハァ…まぁ多少話出来たからエエわ…

感想文やろか)

アタルもその様子を見て再び宿題を始めた



キーンコーンカーンコーン


何事も無く6時間目までの授業が終わり

HRも終わってカバンを持ち

いつも通り急いで帰るアタル

今日は買い物に行った後N店でモグラ退治だ

(久しぶりのモグラやからな、N店の状況も変わってるかも知れんし気引き締めていかんと)


公園に隠した自転車に乗り

チラリと時計を見ると

時刻は15時21分

(あっそうや今日は7日か本屋行かんと)


時計の日付を見て今日の日にちを思い出し

寄り道をしてコインランドリー向かいの本屋に向かうアタル

毎月7日と29日は本屋に出向き

パチスロの攻略法を軽く立ち読みしている

(いつコンドルのハズシが出るかわからんからな…)


10分程で本屋に到着し

不用心な誰も居ない店内に入って行く

(この店はいっつも思うけど大丈夫なんか?)

そんな事を思いながら

ギャンブル雑誌のコーナーへ

すると一番手前にその本を見つけた

(おっあったあった)


パッと手に取り先ずは表紙を眺める



「えっ」



思わず声を出し目を見開いて

顔がジンワリと熱くなる…

表紙の左側にデカデカと書かれた大きな文字



遂に完成

新設定判別打法!!

最新の機種を大攻略!!



その後の4号機に大きな影響を与えた

大きなキッカケが一冊の雑誌によって

発表された瞬間だった

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