第12話 それは木の葉 発見編
オレの玉将の在処へのヒントは以下だ。
『それは木の葉』
『そこは森』
『不自然の中にある』
そして、
『そこは将を討ち取る戦場』
『二人の将は』
『後手が本物』
オレは考えを巡らせた。
このヒントならたどり着けそうだ。
『それは木の葉』の『それ』は、多分オレの玉将のことだろう。
オレは先日読んだミステリー小説を思い出していた。
「木の葉を隠すなら森の中」
つまり、『それ』が沢山あるところというわけだ。
玉将、ひいては将棋の駒がたくさんあるところ。
学校にある『将を討ち取る戦場』なんて、将棋盤以外にないと思っていいだろう。
そしてオレの将棋盤は一人で戦略を練るところだ。
「将棋部の部室?」
言うと、斑目は肯定するよう微笑んだ。
◇
次の日の放課後、日直の仕事を終えてから、オレは将棋部部室に向かった。
途中で沼津に会う。
「今日、真嶋先輩来れないって」
「あ、そうなの?」
オレは対局途中の将棋盤のことを考えた。
作戦が練れるかも。
将棋部部室に着くと、鍵が開いていた。
「誰かいるのかな?」
そう言いながら沼津がドアを引くと、部室を占領する机の窓際に斑目が座っていた。
「斑目くんか。 陸上部はいいの?」
先に入る沼津が声をかけた。
「今日は休みなんだ」
斑目は微笑んだ。
オレは荷物を下ろし、昨日中断した盤面を覗き込んだ。
先輩の陣地を確認した時、オレはあることに気がついた。
王将が、玉将になっている。
「そういうことか……」
「何? 島根」
沼津が寄ってきた。
「いや……」
沼津も盤上に目をやった。
「玉将が二つあるじゃん」
斑目をうかがうとニヤニヤしていた。
一つの盤上に玉将が二つという『不自然の中にある』ということか。
オレの玉将はどっちだろう。
ヒントを思い出す。
『二人の将は』『後手が本物』。
後手は通常王将を使う。
あくまでオレの玉将のことであるならば、後手の位置にいる将こそが、本当の玉将というわけだ。
オレは後手の玉将を指差した。
「こっち?」
斑目は嬉しそうにした。
「当たり」
「なんなの?」
沼津が不思議そうにしている。
「玉将探ししてたんだ。 斑目が隠して、オレが探す」
説明すると、沼津は目を輝かせた。
「スゲー面白そう。 オレも混ぜてよ」
「いいよ」
なぜかピースしながら斑目が言った。
二年でもやるんだな。
オレは顔がニヤけた。
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お読みいただきありがとうございました!
執筆はここで一旦お休みをいただきます。
将棋は駒の動かし方はわかるけど……というレベルで書いた作品でした。
二年生編ではもう少し将棋を絡めようと思い勉強中です。
将棋をしたことない方、良かったら一緒にはじめてみませんか 笑
とはいえ、将棋を知らない人も知っている人も楽しめる作品にしたいと考えていますので、引き続きよろしくお願いします!
では!




