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3話 美青年の正体は王子様でした
体調もだいぶよくなったということで、青年は宿屋を発つことに。数分後、宿屋に馬車が到着する。名残惜しいがこれで彼ともお別れ。
「女将、貴方には色々と世話になった。この御恩は決して忘れない」
「いいんだよ。それより、今度は客としてまた来ておくれ」
女将は赤色の髪と金色の瞳に、おおらかでふくよかなお人だ。色んな客が、彼女を求めて宿屋に足を運ぶ。きっと、彼も女将の人の良さに気づいたのだろう。
「君にも世話になったな」
「体調がよくなって良かったです」
今度こそ、お別れだと誰もがそう思った──。
「女将、最後に一つ頼みたいことがあるのだが‥‥」
きょとん顔で女将が「何だい?」と問う。
そして、青年はしきりにステラの方に視線を向けた。
「単刀直入に言う──」
鮮やかな翡翠色の瞳が、真っすぐこちらを見つめる。
「ぜひ、君を使用人としてうちで雇いたい」
「‥‥えっ」
思わず、ステラは目をパチパチさせる。
「ちょっと兄さん! あんた、いったい何者なんだい!?」
これには、女将も驚きを隠せない。
「申し遅れてすまない。私は、オルウェン。オルウェン・リデル・ローレライ。ローレライ王国の王子だ」




