エピローグ。
~♪
軽快な音楽とともに場面は移り変わり、一人の青年が映し出された。20代くらいのいたって普通な青年はなにを理由にこのカメラに写っているのか。
「本日のゲストは○○さんです。彼はBLUE.D社の若き創立者として世界中から注目を集めており、20代でつかんだ奇跡の成功に動かされる人も多いとか。○○さん、本日はよろしくお願いします。」
「こちらこそよろしくお願いします。」
ふわりと笑った青年はとても億万長者になど見えず、唯一それをカバーしているのは首に下げられたビッグジュエルだろうか。スタジオの光を受け、それは美しい煌めきをあたりに放っていた。
「このコーナーでは成功を手にした人々がどのような子供、学生時代を送ってきたのかといった人生についての裏話をとりあげています。早速ですが、○○さん。あなたの人生大きく変えたのは何でしたか?」
彼はふとどこかを見つめ、そしてゆっくりと言葉を紡いだ。
「私の人生を間違いなく変えたのは『あの場所』でしょう。変えたどころではない、あそこは私の人生を一変させたんですから。」
・・・
画面上でコメント欄が永遠と流れていく中、彼はひとつにふとつぶやいた。
「俺の学生時代?あー、すっごい楽しかったよ『あそこ』に通うの。一生もんだわ、まじ。」
彼の動きに連動するアバターはどこか遠い場所を見るように画面斜め上へと視線を向けていた。沈黙がしばらく続き、彼は少し慌てるように言葉をつづけた。質問とあまり嚙み合っていないような気がしたのは彼の少しばかりの動揺からだろうか。
「まあそんなの聞いても面白くないでしょ。はい、次。えっ、そんな話の続き聞きたい?みんな。何が面白いんだろ。まあいいや、『あの場所』はみんな戻りたくなるようなそんな場所だったんだから。」
普段のキャラからは想像できない寂しさを含んだ彼の発言に、慰めからか一層コメントがついていった。
・・・
そう考えてみると多くの栄華を極めた者たちは一様に自身の学生時代についてこう話している。
「自分の人生の大きな部分が『あそこ』に通えたことです。」
「『あそこ』に通っていなかった人生が想像できません。」
「かけがえのない仲間、そしてなによりも自分の成長が得られました。」
彼らが口々に言うのは一体どこなのか。多くの人が疑問に思っていた。多くの考察や憶測が飛び交うなか、やがて一つの場所が明らかになっていく。
ー国立輝石学園。国を担う原石たちがそこにはいた。
試行錯誤しているところなので、レビューなどできれば頂きたいです。お願いします。




