お姫さんと不良少年の邂逅
セクばんにゃ!
Twitterはみるみるという名前なのでよければ検索を。
ほぼ放置しているので存在意義を与えてください 。
投稿します。
「今日はあったかいですね〜」
「は、はい‥‥そうですね」
砂利のついた腕をさすりつつ神社を歩く。
うん、なんで僕砂利だらけなんだろうね。
何か地面を転がった気がするけど記憶がないや、ハハッ(某ネズミ風)。
さて、さっきとは並びが変わり僕は最後尾。
前には並んで歩く沙春ちゃんとお姫さんがいる。
さっきからお姫さんが積極的に話してくれているのだが、沙春ちゃんは固有スキル"人見知り"で全く会話は弾まない。
僕が参加してもいいが、それだと沙春ちゃんは僕の方ばかり話すようになってしまう。
信用されているのは嬉しいし、今すぐクンクンスーハーペロペロしたいくらいなのだが、たまには突き返すのも大事だろう。
というわけで、僕は2人のお尻‥‥もといヒップをガン見しつつ歩くのだった。
「沙春ちゃんは今何年生なんですか〜?」
「よ、よ、よ、よねんしぇいです」
ラップか。
どう考えても盛り上がっているとは言い難い会話だった。
「‥‥」
「‥‥」
黙っちゃったー。
多分お姫さん的には沙春ちゃんはあんまり話すのが好きじゃないと思ってくれたんだろう。
いや違うんすよ、この子普通にツッコミできるし結構面白いんすよ。
ふと、沙春ちゃんのことを考える。
この子って僕と初対面の時から割と辛辣なこと言ってた気がするし、小学生にしてはあまりお喋りな子ではないが普通に喋っていて楽しい。
親戚の欲目かもしれないが友達がいっぱいいてもおかしくないと思うんだけどな。
「みんな下ネタ言えばいいのかな‥‥?」
いや冗談です。
下ネタガンガンいう子とか沙春ちゃんの教育に悪いし。
‥‥下ネタ野郎はさておき。
「と、とーは!後ろの方にいないでこっち来てくださいですっ!」
あー逃げてきちゃった。
お姫さんの方をみると苦笑いしていた。
ごめんね、頑張ってくれたのに。
「後ろの方がパンチラ期待できるんだけどなぁ」
「パンツぐらい後で見せてあげますから!」
え、マジで?
超期待するよ?
「じゃあ、ちょっと買ってくるね」
神社の近くに移動販売のクレープ屋さんが来ているのを見かけ、笠原くんが買いに行ってくれました。
多分私と沙春ちゃんが話す時間を作ってくれたんだと思います。
「沙春様、ここに座ってましょうか」
「は、はい!」
近くのベンチに腰掛けると、沙春ちゃんは隣に座ってくれました。
てっきり端っこに座るかなと思ってたので少しびっくりです。
「‥‥」
「‥‥」
さっきと同じく沈黙が続きます。
チラッと沙春ちゃんの方を見ると、膝に置いた両手をギュッと握っていてとても居心地の悪そうな顔をしています。
‥‥笠原くんとはどうやってお話ししていたかな。
高校に行ってない私には笠原くんや彼の幼馴染で私にとっても友人だった大谷さんとのが最後の仲の良い会話です。
修行先の方々もとても良くしてくださいますが、気のおけない友人関係とは程遠いものです。
一番近いはずの両親は私にとって気軽に話をできるような方達ではありません。
4年近く前の記憶に縋る自分に思わず苦笑いしてしまいますが、その時のことを思い出します。
笠原くんと会ったのはいつも通り屋上で過ごそうとした何気ない日でした。
父親から学校に行かないで家庭教師に教わればいい、授業時間は習い事の予習をしなさいと言われ、私は授業を受ける資格をなくしました。
教師、というか校長など上の立場の方も父親とのつながりを持つため私は授業もテストも受けることなく最高の成績で卒業できることを約束されました。
せめて学校には行かせて欲しいと許可を取り、教室でパソコンを開くようにしていましたが、教師からは煙たがれ、同級生くらは特別扱いされる私を妬まれ。
数日で教室に居づらくなった私が見つけたのが屋上でした。
「わぁ‥‥」
自分が悪いことをしている実感はありましたが、屋上に入った途端その気持ちは霧散しました。
今は授業中で誰もいない。
ここにいることは誰にも咎められない。
そう思うだけで私の心は満たされていきました。
その時です。
「!?」
ガチャ、ギー。
錆びた音を立てて開くドアに慌てて物陰に隠れました。
今思えば例え教師に見つかろうと私が怒られることはないはずですが、その時は悪いことをしているという感覚から隠れてしまいました。
「ふぁ〜、眠‥‥」
聞こえてきたのは教師ではなく、男の子の声でした。
不良の方々とも違う子供っぽい可愛らしさすらある声で。
物陰から覗くと日陰の方に彼はいました。
薄い茶髪に同級生の男の子よりは小柄な容姿。
顔立ちは整っていますが、格好良いというよりは可愛いらしい印象です。
これが彼―――後に笠原冬葉くんと知る男の子との出会いでした。
さっちゃん、見てミル?




