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居眠り花猫(後編)

セクばんにゃ!

セクハラの基準がよくわからなくなってきた気がする件。

投稿します。

この大学の飲食スペースは食堂と喫茶店がある。


食堂には、定食や軽食などいわゆる定番のメニューを出してくれる。

朝から夕方まで解放しているということで、食事時は勿論、次の講義までの空き時間で来る人もいるとのこと(by 桜井先輩)


次に喫茶店だが、ここは学長の趣味で経営していてぶっちゃけ全然お客さんは入ってないらしい。

また値段も高く、コーヒー1杯で日替わり定食3食分とのこと(by 須川先輩)


まあ、学生の身分で入るような店ではないね。

‥‥と、10分前の僕なら思っていただろう。


「それでメイったら『お嬢様エクレアで掃除はできません』って。オマエは蕎麦屋か!って感じだよな!」

「あはは‥‥」


オシャレなBGMは彼女のマシンガントークで完全にかき消されていた。

個人的には中々来ることはないだろう店内を観察したり、料理を参考にしたいところなのだがどうやらムリぽだろう。


「じゃあシュークリームならどうだって言ったらなんて答えたと思う?」

「なんでしょうねー」

「『お嬢様は一度脳外科を受診されたらどうです?』って。ハナはリサイクルショップかっ!」


誰か知らないけどメイさんグッジョブ。

そして彼女のツッコミは世界観がちょっとおかしかった。


授業が終わった瞬間に『じゃあ行こっ!』と教室から連れ出された僕は、いつのまにかこの喫茶店に来ていた。

それから10分。

僕は彼女のトークに乾いた返事を出すだけの機械になっていた。

‥‥沙春ちゃん、僕汚されちゃったよぉ。


「お待たせしました。アールグレイとクリームソーダです」


喫茶店唯一の店員らしいマスターが飲み物を置いてくれる。

シルバーの髪と口ひげがまさにダンディなマスターだった。

だからマスター!僕をここから逃がしてよ!

そんな同情的な目とかいらないから!!


「わふっ!ハナこれが大好きなんだ!」

「そうなんだ」


飲み物のおかげか、ようやくトークは落ち着いた。

メロンソーダの上のアイスを食べた彼女が蕩けそうな顔をする。


「おいひぃ〜!」


そんな顔をすると子供っぽくて可愛いんだけどね。

まあ僕彼女が何歳か知らないんだけど。

あ、そうだ。


「そろそろお互い自己紹介しない?」

「え、してなかったっけ?」

「僕の記憶が確かならね」


というか数時間前に会ったばかりの名前も知らない女の子とサシで飲んでるってどういう状況だよ。

イタリア男か、僕は。


「えー、でも普通に今のまんまでも良くない?ジョンってあだ名いいと思うよ?」

「誰がジョンだ。というか君からジョンなんて一度も呼ばれてないよ。後、僕は日本人だからね」


ああもうツッコミが疲れる。

帰ったら沙春ちゃんにセクハラとボケまくろう、よし決めた。

仕方なく僕から自己紹介する。


「教育学部1年、笠原冬葉。そっちも名乗ってよ」


だが、彼女はなぜか困ったように笑うだけ。

特に僕は口を挟むことなくただ見てみる。


「あっ!‥‥えっとハナも教育学部だぜ!」

「‥‥悪いけど君を歓迎会で見た記憶がないんだけど」


すぐに自由席状態になったとはいえ最初の数分は学部ごとに並んでいた。

人数が多くてもこれだけの美少女を見落とすはずがないだろう。

そう指摘すると明らかに彼女は狼狽えた。


「そ、その‥‥休んでたからっていうのはどう?」

「僕に聞かれても」


まさかの苦笑いで僕に聞いてきた。

というわけで嘘確定だった。

じゃあ、この子は誰だということになるわけで。






「ま、別に誰でもいいんだけどね」

「‥‥おう?」






そう言って僕が紅茶を飲むと、彼女は変な声を上げた。

うん、この紅茶結構うまい。


と、彼女はそろそろと手を上に伸ばした。

いわゆる挙手のポーズだ。


「あの‥‥ハナのことはもういいの?」

「え、何が?」


なぜか彼女はさっきより狼狽えていた。

え、なんでなん?


「だ、だって!ハナがこの大学の生徒じゃないって気づいたんだろ!?」

「あ、やっぱりそうなんだ」

「あ!?」


いや、何か作戦に引っかかったみたいな顔してるけど君が勝手に言ったんだからね。


「別に君がどこの誰がだろうが興味ないし」

「興味ない!?」

「うん。興味ないし、メンド臭いし、財布忘れたし」

「財布はハナ関係なくない!?」


あ、マスターの顔が何か厳しくなった。

大丈夫、紅茶代くらいポケットに入ってますから。


「よく知らないけど、君は『ハナ』って女の子なんでしょ?僕はそれだけ知ってればいいんだけど」


そう言うと彼女は口をあんぐり開けて僕を見た。

え、何なんか変なこと言った?


「さっき自己紹介しようって言ってたじゃん!?」

「してもいいけど、ウチの業界の自己紹介って名前年齢身長体重、今付けてるブラとパンツの色まで言ってもらうからね」

「その業界怖すぎるなっ!?」


まあ見た目的にブラは微妙そうだけど。

というかちゃんと普通のツッコミできるじゃんこの子。


「‥‥なんというか。すごいなキミ」

「そう?っとそろそろ講義だから僕は行くよ」


スマホの時計を見ると講義開始20分前。

移動時間を含めるとそろそろ出た方がいいだろう。


立ち上がると、なぜか彼女は手を僕の方に伸ばしてきた。

なぜか右手にスマホを持って。


「‥‥くれるの?」

「違うよっ!連絡先交換しようってこと!」

「あーごめん。僕スマホ持ってないんだ」

「さっき思いっきり使ってた気がするけど!?」


というわけで、僕のアドレス帳に名前が一個増えることになった。


「また一緒に遊ぼうな、ふーは!」


にっこり笑う正体不明の少女ーーーーハナさんの名前が。

あと、僕の名前冬葉(とうは)だから。

この世界の美少女はセクハラに寛容です(※ただしイケメンに限る)


"ハナ"の情報が更新されました。

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