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第82話:勇者と美少女悪魔の惨劇と静かな便器

俺、佐藤太一、18歳。


この呪われたトイレに振り回される生活、もう何度も「もう限界だろ」って叫んでる。


最近は世界各国の料理にハマってて、それが腹痛の原因になってるのは分かってるけど、やめられねえ。


昨日はカナダのオーロラで我慢して失敗して心が死んだし、もう我慢できねえ場所はマジで勘弁って思ってた。


楽しい場所に行きてえよ……って願ってたけど、このトイレは毎回予想を異世界にぶち込んでくる。


今日は昼に食った「ハンバーグ」が胃の中でモヤモヤしてて、肉汁の旨味とソースの重さが腹をギュルギュル鳴らしてる。


異世界っぽい気分で食ったのが運の尽きだ。


トイレに駆け込んで、ドアをガチャッと開けた瞬間――。


「うおっ、異世界!?」


目の前には、異世界の荒野。


最強と言われた勇者が「うぐっ!」って血を吐いて倒れてて、美少女悪魔が「弱いねえ、最強さん♪」って包丁で「ズブズブ!」とめった刺しにしてる。


血が「ドクドク」と流れ、勇者の鎧が「ガチャン!」と崩れてる。


遠くで風が「ヒュウウ」と吹き抜け、草が「サラサラ」と揺れてる。


で、俺はいつものように便器ごと、その惨劇のど真ん中にポツンと出現。


「いや、マジかよ……勇者が美少女悪魔に刺されてる現場でトイレって、静かすぎて怖すぎだろ!」


すぐ横では、美少女悪魔が「もっと苦しんでよ!」ってニヤニヤしながら包丁を振り下ろしてて、勇者が「ガハッ!」って最後の息を吐いてる。


距離、悪魔まで3メートルくらい。


ハンバーグの肉臭が鼻に残ってても、血と土の匂いに完全に負けてる。


この静かな場所で座ってるだけで、心臓がバクバクだ。


Tシャツが汗でじっとりして、場違い感がやばい。


「見えてるのは俺だけで、向こうからは見えない」ってルール、信じたい。


でもこの近さ、悪魔の「キヒヒ!」って笑い声や、包丁の「ズブッ!」って刺さる音が耳にガンガン入ってくるんだぞ!


荒野の空気が静かで冷たくて、便器が草に「ズブッ」と半分埋もれてる。


こんな殺戮の場で用を足すとか、羞恥心が勇者の命より重い。


静かすぎて、心が恐怖で締め付けられてる。


腹の中じゃ、ハンバーグの肉とソースがグチャグチャ暴れてる。


時間がない。


我慢とか関係ねえ、こんな場所で早く終わらせたい。


悪魔が「次はお前かな?」って空を見上げる中、俺は必死に腹に力を入れる。


「おっ、おっ、おっ……頼む、出てくれ!」


その時、美少女悪魔が俺のすぐ横まで来て、「何かいる?」って包丁を「シャキン!」と振り回した。


やばい、見つかる!?


俺は慌てて息を止めて固まる。


でも悪魔、俺をスルーして「ま、いっか♪」って勇者の死体を蹴って離れた。


見えてねえよな……よな?


でもその瞬間、血が「ドロッ」と便器に跳ねてきて、「うっ!」って声が出そうになったけど、汗だくで堪えた。


荒野の静寂に紛れて、俺の腹が「ぐぅうう」って鳴った。


悪魔が一瞬「ん?生きてる?」って顔して首傾げた。


やばい、音でバレる!?


ぷすっ。


「……ミッションクリアー、通常トイレに戻ります」


光がパッと弾けて、俺はアパートの狭いトイレに帰還。


換気扇のブーンって音と便器の安定感が、いつも以上に現実に戻してくる。


全身汗だくで、ハンバーグの肉臭が鼻に残ってる。


心がまだ異世界の惨劇で震えてる。


息を整えながら、俺は呟いた。


「勇者が悪魔にめった刺しって……静かな異世界の前でトイレとか、怖すぎて心が死ぬだろ……」


考えてみれば、悪魔も俺のこと本当に気づいてなかったよな?


「生きてる?」は勇者への反応だろ。


でも、あの呆気ない殺戮の中でやった事実は消えねえ。


俺のメンタル、もう勇者の鎧みたいにボロボロだよ。


「ったく、次はどこだよ……もう怖すぎるとこはマジで勘弁してくれ」


ハンバーグは当分食わねえと思いながら、俺はトイレのドアをそっと閉めた。


でも、次に開けるのがやっぱり怖いんだよな、これ。



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