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第45話:桜舞う金閣寺と春の便器

俺、佐藤太一、18歳。




この呪われたトイレに振り回される生活、もう何度も「もう限界だろ」って叫んでる。




最近は世界各国の料理にハマってて、それが腹痛の原因になってるのは分かってるけど、やめられねえ。




昨日は失敗した大阪万博閉会式で虚しさにやられたし、もう虚しすぎる場所は勘弁って思ってた。




活気のある場所に行きてえよ……って願ってたけど、このトイレは毎回予想を微妙にずらしてくる。




今日は昼に食った日本の「八ツ橋」が胃の中でモヤモヤしてて、シナモンの甘さと餡の重さが腹をギュルギュル鳴らしてる。




痔が治ったからって油断して、京都っぽいお菓子をガッツリ食ったのが運の尽きだ。




トイレに駆け込んで、ドアをガチャッと開けた瞬間――。




「うおっ、金閣寺!?」




目の前には、桜が満開に咲き誇る金閣寺前。




金色の屋根が太陽にキラキラ輝いてて、桜の花びらが「ヒラヒラ」と風に舞ってる。




観光客が「きれいやな~!」って感嘆してて、「パシャパシャ」ってカメラの音が響いてる。




遠くで池の水が「チャプチャプ」と揺れてて、春の風が「サアア」と気持ちいい。




で、俺はいつものように便器ごと、その桜舞う金閣寺の前のど真ん中にポツンと出現。




「いや、マジかよ……桜舞う金閣寺前でトイレって、活気ありすぎず風情ありすぎだろ!」




すぐ横では、おばちゃんが「この桜、最高やね!」って友達と喋ってて、外人観光客が「Wow, amazing!」って動画撮ってる。




距離、5メートルくらい。八ツ橋のシナモン臭が鼻に残ってても、桜の甘い香りに混ざって和む。




痔は治ったから尻は平気だけど、この風情ある場所で座ってるだけで心臓がバクバクだ。




Tシャツが汗でじっとりして、場違い感がやばい。




「見えてるのは俺だけで、向こうからは見えない」ってルール、信じたい。




でもこの近さ、観光客の「写真撮って!」って笑い声や、風に舞う花びらの「サラサラ」って音が耳にガンガン入ってくるんだぞ! 会場の空気が穏やかで活気があって、便器が芝生にドカッと浮いてるのが気まずい。




こんな美しい場所で用を足すとか、羞恥心が桜の花びらより散っちまう。




風情すぎて、心が緊張で締め付けられてる。


腹の中じゃ、八ツ橋の餡と生地がグチャグチャ暴れてる。




時間がない。こんな場所でミッションとか、心が春の美しさと羞恥で爆発しそう。




観光客が「金閣寺、やっぱすごいわ!」って感動してる中、俺は必死に腹に力を入れる。




「おっ、おっ、おっ……頼む、出てくれ!」




その時、小学生の団体が俺のすぐ横まで来て、「先生、桜きれい!」って先生に絡みついてた。




やばい、見つかる!? 俺は慌てて息を止めて固まる。




でも子供たち、俺をスルーして「写真撮るー!」って金閣寺に走っていった。




見えてねえよな……よな? でもその瞬間、風が「サアア!」って強まって、花びらが「バサバサ!」って便器に降り注いだ。「うっ!」って声が出そうになったけど、汗だくで堪えた。




桜のざわめきに紛れて、俺の腹が「ぐぅうう」って鳴った。




おばちゃんが一瞬「ん?」って顔して首傾げた。やばい、音でバレる!?




ぷすっ。




「……ミッションクリアー、通常トイレに戻ります」




光がパッと弾けて、俺はアパートの狭いトイレに帰還。




換気扇のブーンって音と便器の安定感が、いつも以上に現実に戻してくる。




全身汗だくで、八ツ橋のシナモン臭と桜の香りが混ざって混乱。




痔は治ってるから痛みはないけど、心がまだ金閣寺の春で揺れてる。




息を整えながら、俺は呟いた。




「桜舞う金閣寺前って……風情ある活気の前でトイレとか、美しすぎて心が散るだろ……」




考えてみれば、観光客や子供たち、俺のこと本当に気づいてなかったよな? 首傾げたの、風のせいだろ。




でも、あの桜の中でやった事実は消えねえ。




俺のメンタル、もう花びらみたいにヒラヒラしてるよ。




「ったく、次はどこだよ……もう風情ありすぎるとこは勘弁してくれ」




八ツ橋は当分食わねえと思いながら、俺はトイレのドアをそっと閉めた。




でも、次に開けるのがやっぱり怖いんだよな、これ。



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