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第43話:大阪万博開会式と盛大なる便器

俺、佐藤太一、18歳。


この呪われたトイレに振り回される生活、もう何度も「もう限界だろ」って叫んでる。


最近は世界各国の料理にハマってて、それが腹痛の原因になってるのは分かってるけど、やめられねえ。昨日はディズニーランドのシンデレラ城前で軽すぎて浮きそうになったし、もう軽すぎる場所は勘弁って思ってた。


少し落ち着いた場所に行きてえよ……って願ってたけど、このトイレは毎回予想を超えてくる。


今日は昼に食った日本の「たこ焼き」が胃の中でモヤモヤしてて、タコの弾力とソースの甘辛さが腹をギュルギュル鳴らしてる。痔が治ったからって油断して、大阪名物をガッツリ食ったのが運の尽きだ。トイレに駆け込んで、ドアをガチャッと開けた瞬間――。


「うおっ、大阪万博!?」


目の前には、華やかな開会式会場。


カラフルなパビリオンの旗が「ヒラヒラ」と風に揺れてて、巨大なステージでは司会が「ようこそ、大阪万博へ!」って叫んでる。


観客席は人で溢れてて、「おおー!」って歓声と拍手が響き渡ってる。


遠くで花火が「ドドーン!」と上がってて、万博マスコットが「ウェーイ!」って踊ってる。


で、俺はいつものように便器ごと、その開会式会場のど真ん中にポツンと出現。


「いや、マジかよ……大阪万博の開会式でトイレって、盛大すぎて逆に重いだろ!」


すぐ横では、スタッフが「準備OKやで!」って慌ただしく動き回ってて、観客が「大阪やばいな!」ってスマホで写真撮ってる。


距離、5メートルくらい。


たこ焼きのソース臭が鼻に残ってても、花火の火薬とフードコートの匂いに混ざってカオスだ。痔は治ったから尻は平気だけど、この賑やかな会場で座ってるだけで心臓がバクバクだ。Tシャツが汗でじっとりして、場違い感が半端ねえ。


「見えてるのは俺だけで、向こうからは見えない」ってルール、信じたい。


でもこの近さ、司会の「未来を切り開く!」って熱弁や、観客の「すげえ!」って叫び声が耳にガンガン入ってくるんだぞ! 会場の空気が熱気でムンムンしてて、便器が芝生にドカッと浮いてるのが気まずい。こんな歴史的な場所で用を足すとか、羞恥心が万博のテーマソングよりデカい。盛大すぎて、心が緊張で締め付けられてる。


腹の中じゃ、たこ焼きのタコと生地がグチャグチャ暴れてる。時間がない。こんな場所でミッションとか、心が興奮と羞恥で爆発しそう。


司会が「これが大阪の力や!」って観客煽ってる中、俺は必死に腹に力を入れる。


「おっ、おっ、おっ……頼む、出てくれ!」


その時、マスコットの着ぐるみが俺のすぐ横まで来て、「ウェーイ!」って観客に手を振って踊り始めた。


やばい、見つかる!? 俺は慌てて息を止めて固まる。でもマスコット、俺をスルーして「大阪最高やで!」ってスキップして離れた。


見えてねえよな……よな? でもその瞬間、花火が「ドカーン!」って連続で上がって、衝撃波が便器を「ガタッ」と揺らした。「うわっ!」って声が出そうになったけど、汗だくで堪えた。


会場の歓声に紛れて、俺の腹が「ぐぅうう」って鳴った。近くの観客が一瞬「ん?」って顔して首傾げた。


やばい、音でバレる!?

ぷすっ。


「……ミッションクリアー、通常トイレに戻ります」


光がパッと弾けて、俺はアパートの狭いトイレに帰還。


換気扇のブーンって音と便器の安定感が、いつも以上に現実に戻してくる。


全身汗だくで、たこ焼きのソース臭と花火の火薬の残り香が混ざって混乱。


痔は治ってるから痛みはないけど、心がまだ万博の熱気で震えてる。


息を整えながら、俺は呟いた。


「大阪万博の開会式って……盛大な会場のど真ん中でトイレとか、軽すぎず重すぎずカオスすぎだろ……」


考えてみれば、マスコットや観客、俺のこと本当に気づいてなかったよな? 首傾げたの、花火のせいだろ。


でも、あの歴史的な開会式でやった事実は消えねえ。俺のメンタル、もう万博のマスコットみたいに踊り狂ってるよ。


「ったく、次はどこだよ……もう盛大すぎるとこは勘弁してくれ」


たこ焼きは当分食わねえと思いながら、俺はトイレのドアをそっと閉めた。


でも、次に開けるのがやっぱり怖いんだよな、これ。

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