水晶の共鳴(湯川教授マジ講座)
——研究室の片隅。テーブルの上に置かれた、手のひら大の水晶。
玲「……これ、白く濁ってますよね。もともとは透明だったんですか?」
湯川(顔を輝かせて) 「おっ、気づいたかね玲くん。これはね、“悪い気を吸った水晶”なんだよぉぉおおお!!」
玲(引き気味)「えっ、え……?」
—
湯川(急にマジな声) 「ただのスピリチュアルじゃない。これは物理学でも説明できる現象なんだ。キーワードは——『格子欠陥』と『色中心』だ」
<湯川教授による超興奮解説>
「水晶は結晶構造としては超安定なんだがね、完璧ではない。
イオンが欠けていたり、原子配列にズレが生じている“欠陥部位”が必ずある。
そこへ——神経量子場が持つ非古典的エネルギーが局所的に作用するッ!!」
「格子そのものは壊れない。壊すほどの力はないからね。
でも、“エネルギー準位が不安定な”この欠陥だけには選択的に効く!
電子が励起され、構造がちょびっとだけ変化する。
結果として——光の透過性が変化する!反射も!散乱も!!
見た目には『白く濁る』という現象になるのだァァアア!!」
玲「じゃあ……“記録される”ってことですか?水晶に……」
教授(目を細めて) 「……記録じゃない。“痕跡”さ。まるで、“感じ取った感情”のスナップショットだ。私たちは、人が発した量子的情動の“散乱跡”を、水晶の光学特性変化という形で観測してるんだよ」
<浄化とは何か?>
教授「そして“浄化”とは、物理的にも意味がある。励起された欠陥が、太陽光や水流、持ち主の気によって基底状態に戻ることで、“色中心”が減り、また透明に戻る。これが“再構成された平衡”だ!」
玲「だから……“心が安らげば、水晶も晴れる”……」
芹沢「つまり気分次第で色が変わるガチ結晶……ちょっと怖いッスね……」
教授(真顔で)「怖がることはないよ。それだけ、君の想念は“記録できる強度を持っている”ってことだ。そろそろ、君の中の“色中心”も……観測してみるかね?」
玲 「マジ講座こわいってば……」