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お姫様は異世界人  作者: 早見 羽流
動乱編
26/36

錬金術師、スマホを使う

台風対策していて更新遅れましたごめんなさい。


今回は例の3人組回です。

今はそれぞれの物語が別々に展開されていますが、そのうち絡まりあってひとつになるはずです。




「……おいマジかよ……」


戸村と共に仮住まいの事務所に帰ってきたアレックスは呆然とした表情で呟いた。

事務所の床の一部には、所狭しと金属片やプラスチック片が散らばっていた。


「あ、おかえりー」


床にそれらを並べていた張本人のレーネは、アレックスたちに気づくと、スマホを片手に挨拶する。


「おかえりーじゃねえよ、何散らかしてんだよ…」


「だって、この部屋のもの好きに使っていいって言われたし、せっかくだから分解してたのよ。それにしてもこの世界の技術は凄まじいわね!これをエルブラン公国に持って帰ったら……」


「いやいや…それはあかんでしょ…どう落とし前つけてくれるんだよこれ…」


「……ごめんなさい」


呆れた表情で追及するアレックスに、しゅんとした様子で謝罪するレーネ。


「……元に戻せるんだよな?」


「……えっ?」


アレックスの後ろで様子を見ていた戸村が突然口を挟んだので、呆気に取られた表情をするレーネ。


「仕組みを調べるために分解していたのなら、当然元に戻せるのだろう?……ちゃんと戻せるなら別に構わないと思うが?」


「……っ!?や、やってみるわ!」


「おいおいマジかよ……俺だってあんなにバラバラになっちまったら元に戻すのは無理だぞ?しかもあれがなんの機械なのかすらわからないし……」


「いや、それは分かるだろう…」


アレックスと戸村が話してる間にも、レーネは手に持ったスマホを時折確認しながら忙しなく手を動かし、床に散らばった部品を手に取ってそれらを組み上げていく。


「……マジか」


「……」


「これがこうで……こうで……そしてこれがこうっ」


レーネはなにやらブツブツ呟きながらも凄まじいスピードで組み立てていき……


「できたっ!」


と10分足らずで1つの置時計を組み立ててしまった。


「……やるねぇ!」


パチパチと手を叩くアレックスと、黙って腕を組む戸村。


「えへへっ、こんなの大したことないわよ!なんてったって私は最強の錬金術師だから!」


「……やはりな」


「なにがやはりなだ戸村!ちっとは褒めてやれよ!」


得意げなレーネに冷静な戸村、そんな戸村にツッコむアレックス。


「褒めてるさこれでも。そもそもさっきキレ散らかしてたのはお前だろう?」


「キレてねぇわ!」


「キレてんじゃん……」


「お前、ダンボール娘って呼ぶぞコラ」


今度は冷静にツッコんだレーネをアレックスが追いかけ回した。レーネは2人に褒められたことに気分を良くしたのか、笑いながら逃げる。


「こんな感じで毎日あなたたちが出かけてるあいだこうやって色んなものを調べてもいい?」


とレーネ。


「それがそういうわけにもいかなくなってな。明日は俺達と同行してもらう」


レーネはアレックスたちに拾われてから、気を失ったまま事務所で一夜を明かしており、今日も着替えをもらったあと、出かける2人を事務所で1人待っていた。その間ずっとスマホで調べものをしていたのだが、その結果置時計の内部構造が気になってついつい分解してしまった。らしい。


レーネとしては居候しながらずっとこのような生活をさせてもらいたいところだが、姉を探すという本来の目的もあるし、アレックスたちだってずっとレーネを事務所に置いておく訳にもいかない。目的を早く達成したいのは双方同じだった。


「明日は、例の金髪の少女にもう一度アプローチするぞ。その時にぜひお前に同行してもらって姉なのかどうか判断して欲しい。魔力を隠していたとしても顔で判別できれば対処できるからな。そのあとは好きにしていい」


「……うん」


戸村の言葉に頷くレーネ


「今日もここに泊まるといい。スマホも使っていい。俺は自分のアパートに戻る」


「おつかれさんー!」


アレックスとレーネは事務所から出ていく戸村を見送った。外はすっかり暗くなっていた。


「……で、あなたもここに泊まるの?」


「もちろん!」


「……はぁ!?」


「はぁ?じゃねぇよ居候!外に放り投げるぞ!」


「乱暴する人はスマホで警察?に電話すれば逮捕?されるらしいよ!」


レーネがスマホを取り出してインターネットで仕入れた知識をアレックスに披露する。


「乱暴しねーよ。まったく、変な知恵つけやがって……」


「これをもっと早く知ってればなぁ……昨日乱暴された時に通報?出来たんだけど…」


「だから乱暴してねぇ!」


「いやらしい闇属性魔法を使って変なことしようとしたでしょ!そういうのエロ同人?っていうらしいよ!やーいエロ同人!」


「てめぇダンボール娘!てかそれ使い方違うだろ!」


2人の賑やかな話し声は夜が耽けるまで続いた。

なんだかんだで相性のいい2人なのだった。


読んでいただき、ありがとうございました。

感想、評価等大変励みになります!

なんとか最後までモチベ維持しながら続けていこうと思います。



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