0 未来の僕へ
シュッシュッ、カッ、シューッ、シュッ。
手をうごかすと、かみの上でえんぴつがおとをたてる。まるで、えんぴつとかみが、おしゃべりしているみたいだ。
『おとなになったぼくへ。おげんきですか? バスケはつづけていますか?―』
ぼくの名前はユウジ。今は、おとなになったぼくに、お手がみをかいているんだ。
ぼくがおとなになったら、どんなことをしているんだろう。―なにをしていても、がんばっていてほしいっておもって、このお手がみをかいている。
どんなことをかいたら、よろこんでくれるかな。えんぴつのかみのおしゃべりの中に、『ぼくもいれて』と言うように、いろんなことをかんがえながらお手がみをかいていく。
「雄志、何してるんだ?」
はんぶんあけたドアからかおを出しながら、パパがぼくにきいてきた。
ぼくのパパのなまえは、『ショウジ』っていうんだ。
パパが、ぼくのよこまであるいてきた。
「おっ、誰かにお手紙を書いてるのか? お友達かな?」
「ううん、おともだちじゃないよ。おとなになったぼくにお手がみをかいてるんだよ」
そう言ったとたん、パパが目をぱっちりあけた―とおもったけど、またいつものやさしいえがおにもどった。
「へぇ……ちょっと、見せてくれるかな?」
「うん、いいよ!」
このお手がみをよんだら、パパはどうおもうのかな。パパがよろこんでくれれば、おとなになったぼくも、よろこんでくれるのかな。
パパは、なにも言わずにお手がみをよんでいる。しばらくよんでいるうちに、パパが「ズズッ」とはなをすすった。
パパがお手がみをつくえにおいた。よみおわったみたいだ。
パパは、なにも言わずに、だまっている。うれしいとおもわなかったのかな。ふあんになったとき、パパがまたはなをすすった。そして、ぼくのほうをみた。目が、うるうるしている。
「どう…だった?」
ぼくがおそるおそるきく。すると、パパはにっこりとわらった。
「あぁ……これなら、きっと…………
未来の君は、きっと、頑張れるよ」
おとなになったぼくが、にっこりとわらっているきがした。
-終-
最後までお読みいただき、ありがとうございます!
初投稿作品、お楽しみいただけましたか?
これから作品の投稿をすることは、しばらくないと思います。(頭の中スッカラカン)
誤字等あったらお知らせください!
改めて、読んでくれてありがとうございました!




