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1 夢の声

初投稿作品です。まだシステムをちゃんと理解できていないのですが、どうぞ最後までお読みください。

お元気ですか? ぼくは元気です。お父さんやお母さんも、いつも元気で、とてもやさしいです。夢のサッカー選手にはなれましたか? きっと、大活やくしていると思います。そして、ヒーローみたいに強くて、とても優しい人になって、たくさんの人を助けていると思います。

そんなあなたに、伝えたいことがあります。

それは……


************************************


やってしまった。

足取りが重い。白い街灯に照らされたやたら明るい夜道も、真っ暗に見える。一歩一歩に鉛のような重さを感じ、頭の中では“負”の感情が渦を巻く。

やがて、マンションが見えてくる。足についた鉛が、何kgか重さを増した。マンションのエレベーターに乗り、「4」のボタンを押す。頭の中は先程よりも激しく渦を巻き、その中心は底が見えないほどの暗黒でそこに吸い込まれそうな気分だった。

エレベーターの扉が開く。少し歩いた先の扉には、見慣れた「402」の数字。取っ手を引くと、ガチャ、と音を立てて扉が開く。暖かい電球の色に、ほんの少し、心の安らぎを覚える。

部屋の中に入ると、台所にいる若い女性が、声をかけてきた。

「おかえり……今日は仕事、どうだった?」

少し気まずさを含むような声だ。当たり前だろう。今、自分の体からは、負のオーラが全開に出ているのだから。

だが、そんな気遣いも気にせず、ぶっきらぼうな声で答える。

「ちょっと1人にさせて」

部屋のドアを開け、鞄を放り投げると、ベッドに倒れ込む。頭の中の渦が、轟音を立てながらぐるぐると回り、黒く濁っていく。

もう、夢であってほしい。そんな現実逃避を始める。


僕の名前は翔二(しょうじ)。25歳。普通の会社員―だった。今日までは。

今日、僕は、会社をクビにされた。

大きなミスをしてしまったからだ。会社中に混乱が広がり、その混乱は巡り巡って、僕にまで届いた。その時にはもう、僕は、クビを覚悟していた。そして案の定、今日、会社を離れさせられた。

こうなることは分かっていた―はずなのに、僕の頭からは混乱が離れなかった。

そして僕には、不安があった。もちろん、自分の生活のこともある。だが、それだけではないのだ。

その時、部屋の扉が開いた。入ってきたのは、さっきまで台所にいた女性だった。手には、おにぎりとお茶の乗ったお盆があった。


「…大丈夫? おにぎり、置いておくね。お腹空いたら、リビング来てね」


そう言うと、彼女は出て行った。

彼女の名前は優香(ゆか)。僕と同い年だ。このマンションで、僕と同棲している …そう、もう一つの不安の種とは、彼女のことのなのだ。彼女は、デザイナーとして働いている。だが、生活費の6割を稼いでいる僕が仕事を失ったことで、大きなダメージを受けるのは、僕だけではなく、彼女も同じなのだ。家賃を払うことも難しいかもしれない。

次の仕事が見つかるまで、何とかアルバイトで食い繋いで行かなくては。

求人サイトを開こうと、ポケットに突っ込んだままのスマホを取ろうとする…が、その途端、激しい眠気が襲ってきた。だが僕は、それに反抗しなかった。

これは夢で、目が覚めたら、まだ仕事を続けているかもしれない。そんな淡い期待を抱きながら、僕は眠りに落ちた。


光の見えない暗闇の中から、誰かの声が聞こえてくる。


『お元気ですか? ぼくは元気です。お父さんやお母さんも、いつも元気で、とてもやさしいです。』


何だこれ…誰の声だ? 子供………?


『夢のサッカー選手にはなれましたか? きっと、大活やくしていると思います。そして、ヒーローみたいに強くて、とてもやさしい人になって、たくさんの人を助けていると思います。』


これ……手紙か?……なんだろう…どこか知っている…分からない…ただ、確かなのは、僕はこの声が言う人間にはなれていないということだ。


『そんなあなたに、伝えたいことがあります。 それは……』


誰……君は、誰………

最後までお読みいただきありがとうございます。実はこの作品、小6の時に書いたものなので、文章としておかしい部分も多くあると思いますが、「小学生だったらこんなもんか」と思ってお読みください。

全8話の予定です。誤字等あったらお知らせください!

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