雪の日。
季節は初春。雪が降り積もる中、俺らは受験を終え、今まさにその結果を見に受験校へとやってきた。
「ない……ないよ……どうしよう……仲史、私の受験番号見当たらないよ……」
「お、落ち着けって……僕が受かったんだ、僕より頭いいお前が落ちるはずないだろう?」
「私本番弱いのわかってるでしょ!? 帰って自己採点してもミスとか見当たらなかったけどもその自己採点自体がミスだったらと思うと……」
「やめろって! これ以上自分を追い込むなよ!」
「あぁ……ここにも載って無いよぉ……」
結果発表の場である校門前、周りを見渡してみるとだんだんと人が去っていっているのが分かった。中には友人と抱き合いながら喜ぶ者も、腕を目に当て泣きじゃくりながら慰め慰められる者もいた。
「なかった……」
「へ?」
「ながっだよ゛ぉ゛おおおおお!!」
「嘘だろ……二回も見て見当たらなかったなんて……」
「いやだぁああ!! 電車通学いやだぁあああ!! 併願校めちゃくちゃ遠いじゃあああああぁぁぁんんっ!」
地面に靴で踏みつけられ半ば溶けてシャーベット状になっている雪におかまいなくペタンッと膝をつき子供みたいに泣きじゃくる美星。足では地団駄、手ではデジタル数字で打たれていた合否判別番号用紙を真っ二つに、真っ二つにと四等分にしていた。
「なんていうかその……毎朝五時半起き、今のうち習慣付けとけよ……って、ん?」
美星が破った合否判別番号用紙、よく見てみると違和感がある……美星がきれいに四等分にしたそれを切れ目に沿って合わせ直し。
「……なぁ美星、お前番号何番……?」
「グスッ……2552」
「……お前さぁ……これ、読み上げてみ」
繋ぎ直した用紙を見せつける。
「……5225」
ピタッと泣き止んだ美星はしばらく用紙とにらめっこし、やがてそのまままっすぐもう一度結果発表の前へと走って、もう一度番号をなめるように見入った。
そして……。
「あったぁあ!!」
「あったぁあ!! じゃないよ!? ばっかじゃないの!? デジタル番号だったってことをいいことに逆さま読みしてましたとかテンプレすぎるよ!」
「べっ、別にいいことになんかしてないもん!」
「てか普通にアンダーバー引いてあるじゃん!」
「え、それ印刷ミスとかじゃないの?」
「……はぁ、もういいよ心配して損したよ」
「え、あっ……その、心配してくれたんだ……えへへ……」
「お願いだからそこは謝って!!」
ああだこうだで、無事僕、眺仲史と子柄美星は県立 高ヶ丘高校の合格できた。
そして『例の出来事』も、この合格が決まったとっくの前に『確定』していた。




