第三章 第14話 踏破
沈黙。
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足元一面。
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爪ほどの、
火魔石。
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踏めば、
終わる。
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トールが、
息を吐く。
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「……どうする」
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リゼが、
しゃがむ。
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泥に触れる。
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足跡。
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重なり。
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数。
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「……少なくとも五人以上」
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低く言う。
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「同じラインを通ってる」
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アンが、
頷く。
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「踏んでいい場所、決まってるね」
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ジョーが、
短く言う。
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「道はある」
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「そいつらの通り道だ」
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ハインツが、
解体した木材を持つ。
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トールと並ぶ。
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「置くぞ」
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板を、
一枚。
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足跡に合わせて、
置く。
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きしむ。
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沈まない。
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ジョーが、
一歩。
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乗る。
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踏まない。
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置いた場所だけ。
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次。
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また一枚。
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リズム。
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遅い。
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だが、
確実。
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グスタフが、
低く言う。
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「焦るな」
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「踏めば連鎖する」
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――パチッ
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火魔石が、
弾ける。
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一瞬の炎。
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すぐに、
消える。
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トールが、
息を呑む。
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「……こんなのが無数か」
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ジョーが、
言う。
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「数で来る」
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「一歩でも外せば終わる」
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進む。
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一歩。
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また一歩。
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やがて。
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抜ける。
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火魔石の帯を。
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全員が、
渡り切る。
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リゼが、
周囲を見る。
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足跡。
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奥へ、
続いている。
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その途中。
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一箇所だけ、
違う。
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岩肌。
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色が、
微妙に違う。
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質感も、
わずかに違う。
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奥まっている。
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途中で、
止まった分岐のように見える。
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リゼが、
小さく言う。
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「……掘りかけ?」
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グスタフが、
一瞥する。
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「火魔石が無ぇって判ったからだろう」
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ジョーが、
一瞬だけ見る。
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だが、
すぐに視線を戻す。
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足跡。
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奥へ。
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ガルドは、
止まらない。
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振り返らない。
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そのまま、
進む。
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迷いがない。
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やがて。
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熱。
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空気が、
変わる。
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重い。
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圧のある熱。
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トールが、
呟く。
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「……なんだ、これ」
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光。
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奥。
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ぼんやりと、
浮かぶ。
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近づく。
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見える。
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火魔石。
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大きい。
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人の頭ほど。
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整然と、
並べられている。
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異常な、
配置。
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ディーターが、
杖を握る。
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「……これは」
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低く言う。
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ジョーが、
続ける。
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「……こっちが本命か」
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誰も、
否定しない。
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ここが、
中心だ。




