25話:物資が届いた
ベアロン伯爵の命令をもらってから宿舎に戻りルーナと打ち合わせをする。
「というわけで、明日から敵後方の補給部隊を専門に狙うことになったわ」
「では、ある程度長期間潜伏する必要がありますね」
こないだは1箱だけ持っていったけれど補給部隊の兵士を倒しきるには足らなかった。
全部の弾薬をもっていけば、5日は戦えると思うけれど…残り162発ある。
小さい鞄に弾を全部詰めていこうか悩んでいたところ部屋を突然ノックされる。
「タリム子爵令嬢はいらっしゃいますか」
扉の向こうから男性兵士の声が聞こえてルーナが立ち上がる。
まだ扉は開けない。
何かあったら嫌だし。
「少々お待ちください。どういった御用件です?」
「子爵令嬢宛にお荷物です」
私宛に荷物?お母様からの補給かな?
「なかなか重たいので早いところ受け取っていただけると…」
「少々お待ちください」
ルーナだけが外に出て荷物の受け取りをして戻ってくると、明らかに重たいとわかる木箱を抱えてもどってきた。
「ミリア様、奥様からの荷物です」
「やっぱりお母様からの荷物」
届いたのは木箱…多分追加の弾とかが入ってるんじゃないかな。
「さっそく開けましょうルーナ」
「たぶん、弾でしょうね…」
間違い無くそうでしょうね。
箱を開ければ12箱の弾薬が入っています。
「まだ全然使っていませんのに…気が早いですわお母様」
「ですが、他にも保存食などが入っていますね」
「しばらく潜伏するということをお母様は予測していらしたのね…」
その箱の中にはここへくる時にもらった堅焼きのパンのほかに、追加の干し肉、乾燥野菜とクッキーが入っていました。
「水にさえ気をつければ何日か潜伏できる量があるわ」
「そこが一番問題ですね…そこはいっそ斥候として本当に水場を探すのも手かもしれません」
なるほど、ベリーをとりつつ、水を探しつつ敵を探すと…
この辺りには大きな川はなくここより南のシュガービーツ畑は主に井戸からの水で栽培していると聞いていますが、森があるんだからどこかに水場があってもいいはずです。
「それを元に、今後の行動指針を決めましょう」
「ではお嬢様こうしてはどうでしょう?常に2箱、30発を持っていき、1箱撃ち切るまで探索、残り1箱で帰還するを繰り返すというのは?」
「そうしましょう。持ってく保存食はどれぐらいになるかしら…」
「とりあえずミリア様が持てる量を詰めてみましょう。それで斥候を行う最終的な日数を決めてはいかがでしょうか?」
「私が背負えない重さでは意味がないわね」
体力がないわけじゃないけれど、ライフル自体もそれなりの重さがあるのでそんなに重たい物資を運びながら森だとかを移動するのは厳しい。
でも、動ける最低ラインで敵後方を撹乱すれば命令違反にはならないわよね。
素晴らしいい作戦だわ ルーナ!




